東北電力ネットワークだからこそ

東北電力ネットワークでは、収益の拡大に向けて自社のアセット・強みを生かした新サービスの開発を積極的に進めています。この春事業開始・実証実験に至った4つの新サービスについて、それぞれの担当者から紹介してもらいます。

電気のトラブルサポートサービス「でんきのSOS」

 まず紹介する「でんきのSOS」は、お客さまのご自宅内の電気設備が原因となり、停電や漏電等のトラブルが発生した際に駆けつけるサービスです。

 

●ここがポイント! 「電気のプロ」としてニーズに応える

 配電部(配電企画)の高橋良太さんにお話を伺いました。

 これまで、お客さまの設備が原因となったトラブルについては、お客さま自身で地域の電気工事店等に設備改修を依頼するようお願いしていました。そのため夜間や休日など修理がすぐにできない時は、長い時間ご不便をおかけすることとなっていました。「いつでもすぐに、直してもらいたい」そんなお客さまの声にお応えするために生まれたサービスが「でんきのSOS」。お客さまのご自宅の近くにある事業所から、24時間365日いつでも駆けつけることができるという東北電力ネットワークならではのリソースをフル活用したサービスで、お客さまは、これまでの停電時と同じようにコールセンターに電話するだけでOKです。東北電力ネットワークの社員が直接お客さまにサービスを提供し対価をいただく、という初めての形のものであるので、「電気のプロ」として、これまで以上にお客さまのニーズに応えていくことが大事だと思っています。

 4月1日にリリースし、10日ほど経った段階でおよそ40件の申し込みがあり、順調な滑り出しを見せています。

 

 今後については、現場の負担感を最優先に考慮しながらにはなりますが、他業種との連携等、電気以外のサービスもあわせて提供できないか、とも考えています。私たちは設備改修などで「お客さまの家に入らせてもらう」のが当たり前ですが、実はこれって他のビジネスからすると、とても敷居が高いことなんです。この強みを生かして、お客さまによりそう、さらに一歩踏み込んだサービスが展開できればなと考えています。

電柱・鉄塔検索サービス「より、そう、電柱サーチ」

 東北電力ネットワークが東北6県・新潟県で所有する電柱および鉄塔の数は、約370万基。東北電力ネットワーク最大のアセットともいえる電柱・鉄塔の位置情報をWebサイト上の地図に表示するサービスが「より、そう、電柱サーチ」です。

 

●ここがポイント! 「地図と電柱・鉄塔」の組み合わせで、大きく広がる活用のフィールド

 配電部(配電企画)の塩谷康悦主任にお話を伺いました。

 電柱位置情報のデータ販売については、2019年8月から既に事業化していました。電柱位置情報のデータ販売窓口に、内線の電気工事店の方などから「Webサイト上の地図とリンクした位置情報サービスを提供してほしい」との要望が多くありました。その声にこたえるべく、本サービスを開発しました。当社が所有する電柱および鉄塔の位置情報をWebサイト上の地図に表示し、電柱番号による位置検索や目的の電柱までの経路検索、目的地付近の現地状況の確認等が可能となりました。

 現在、サービス専用のホームページを作成中で、来月には公開開始の予定です。これと合わせて電気工事店に大々的なPRを行おうと考えているのですが、既にたくさんのお問い合わせをいただいており、このサービスへの期待感の高さがうかがえます。

 

 また、ゆくゆくは電気工事店に限らず、他業種への展開も考えています。このサービスは、管内にくまなく設置されている電柱や鉄塔の情報さえわかれば、位置情報を共有できるというものです。例えば消防、警察、自治体など目立った目標物のない場所での現場駆け付けなど、活用の場面は幅広くあるサービスになっています。

デジタルサイネージ「より、そう、ビジョン@仙台」

 東北電力ネットワークと東北送配電サービスは、これまでも共同で東北電力ネットワークが所有する電柱や建物外壁等において広告事業を展開してきました。今回、仙台電力センターのショーウィンドーにデジタルサイネージ「より、そう、ビジョン@仙台」を設置しました。仙台電力センターが立地する場所は仙台駅から歩いてすぐ。平日は約1.4万人もの歩行者が通り、広告には最適の場所です。現在は、東北電力グループだけでなく、仙台市や光化学イノベーションセンターのPR映像などを放映しています。今後、広く自治体やホテル・予備校・専門学校・商業施設などの在仙企業を中心として広告の営業を行う予定です。

 

●ここがポイント! 東北初採用の「透過型フィルムLED」で、広告効果バツグン!!

 土木建築部(土木建築業務)の山本梨沙さんにお話を伺いました。

 「よりそうnext」に掲げられている「スマート社会の実現」をイメージできるよう、近未来的で映像が浮かび上がって見える「透過型フィルムLED」を東北で初めて採用しました。現在仙台駅周辺にはデジタルサイネージが多く設置されていますが、「より、そう、ビジョン@仙台」は仙台電力センターの大きなショーウィンドーをフル活用した、他と比べても大きなものになっています。さらに音声を流すことができるのも強みで、映像が浮かび上がって見えることも相まって広告効果がより高まると考えています。また、従来のフィルム広告に比べ、デジタルサイネージにした場合は同一個所で複数社の広告を流すことができるメリットもあり、収益性の向上にもつながっています。

電柱共架を活用した「浸水検知システム」(実証実験開始)

 東北送配電サービスおよび宮城県角田市と連携して実証実験をスタートした「浸水検知システム」。これは、道路や河川等に設置した浸水センサーのデータを、電柱上に設置したルーターを介して自治体が所有するパソコンに送信。従来現地で確認することが必要だった洪水・浸水の状況を遠隔で確認することができるというものです。

 

●ここがポイント! きっかけは地域とのつながり 電柱を活用した「先回りできる防災対策」を目指して

 配電部(配電企画)の塩谷康悦主任に再度お話を伺いました。

 この実証実験は、東北送配電サービスと角田市をはじめとした自治体との関係性から生まれたものでした。東北送配電サービスは従来から自治体と密な情報共有を行っていて、自治体のニーズとリソースをマッチングできないか考えていたそうです。一方の角田市は、2019年の台風19号による被害が甚大であった地域の一つで、防災体制の強化が大きな課題となっていました。東北送配電サービスと関連会社のシステムを活用した防災対策の強化という合致点が生まれ、そこに電柱設備を活用したサービスを考えていた東北電力ネットワークも加わり、三者での実証実験に至ったのです。

 

 これまでの洪水・浸水の対応というのは、氾濫状況の確認など、どうしても人の目で現地で確認することが必要で「後手」に回ってしまいがちでした。このシステムを実用化することで、域内に数多ある電柱を起点にして、人手に頼ることなく浸水状況を知ることができ、自治体にはそのデータが逐一送られているので、これまでよりも圧倒的に早く広く状況を確認しながら対応することが期待できます。

 電柱を活用しながら、「先回り」できる防災体制の強化によって、地域の皆さまのさらなる安心につながる。地域課題の解決だけでなく、よりそうnextにも掲げられているスマート社会の実現にも貢献できるのではないかと考えています。

「東北電力ネットワークだからこそ」できることを

「収益の拡大はもちろんですが、東北電力ネットワークだからこそできるサービスで地域に貢献していきたいです」と語るのは、企画部(経営企画)の板垣明宏さん。

 

 来年度から、新しい託送料金制度が始まります。これは各地域の一般送配電事業者が横並びで比較される等効率化を促すもので、それも5年ごとに見直しが入ります。一般送配電事業者が収益を拡大するためには、効率化を進めることと合わせて託送料金以外で収入源を確保することが必要となります。

 そんな中、中間・第一線事業所の皆さんから、全社大でビジネスにつながるようなアイデア出しに取り組んでもらっています。様々な視点から多くのアイデアを出してもらい、また本社の設備主管部には事業化に向けた検討をしていただき、少しずつ形になってきています。この度事業開始や実証実験に至ったサービスも、「東北電力ネットワークだからこそ」のアセットを最大限活用したもので、収益だけでなく地域課題の解決といった目線や、よりそうnextにも掲げるスマート社会の実現といった目線でのサービスとなっています。

 何より大切なのは、実際にお客さまと接することが多い現場の皆さんの力だと思っています。お客さまから何かお困りごとを聞いた時、東北電力ネットワークのサービスが貢献できるのであればぜひ紹介いただきたいですし、お客さまのお困りごとや地域の課題について聞いた時も、ぜひ「東北電力ネットワークなら何ができるか?」と考え、周りと一緒に考えて声を上げてもらいたいですね。

編集後記

 今回の取材を通してわかったのは、自分たちにとって当たり前であるモノ・コトの中にこそ、新しいサービスの種があるということ。新サービスというと「一から新しいことを考えなくては」と構えて考えがちですが、今回紹介したサービスはこれまで培ってきたつながりの中から課題やビジネスチャンスを発掘し、東北電力ネットワークだからこその強みを生かしてうまれたもの、と言えるのではないでしょうか。これらがいずれ、会社の収益につながるだけでなく、東北・新潟が抱える地域の課題解決やスマート社会の実現に貢献する。まさによりそうnextを体現しているスキームだと感じました。

 今年の仕事始めにて、坂本社長も「収益拡大の観点では、当社の設備やノウハウ、様々なネットワークを活用して、取り組みをさらに加速し、一つでも多くの成功事例を生み出していきたい」と挨拶の中で述べています。「東北電力ネットワークだからこそ」できるサービスに、今後ますます注目です!

イイね!
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