企業グループ紹介「OneTeam!!」
東北自然エネルギー(株) 新規水力電源「玉川第二発電所」が運転を開始!

2022年11月7日、東北自然エネルギー(株)が建設を進めていた水力発電所「玉川第二発電所(発電出力:最大14,600kW,常時1,480kW)」が運転を開始しました。同社の18番目の水力発電所として新たに加わった同発電所。その概要や特徴をレポートするとともに、小国水力建設所の佐藤所長(現:東北電力ネットワーク㈱土木建築部課長)ほか、建設に携わった若手社員2名にお話を伺いました。

「玉川第二発電所」の概要

 今回、新たに運転を開始した玉川第二発電所は山形県西置賜郡小国町に所在しています。この辺りは豪雪地帯でもあり、同発電所が建設された荒川水系玉川は飯豊山の豊富な雪解け水が流れ込む勾配の急な一級河川で、古くから電源開発が行われてきました。

 玉川第二発電所の上流には玉川発電所(昭和59年運開)が、さらに上流には長者原発電所(昭和13年運開)が位置しており、3つの発電所の最大出力を合計すると37,200kW※にもなります。※現在、長者原発電所は大規模改修工事中で完成すると出力が500kW増加する予定

 現在、日本で新規に水力発電所を開発できる地点は非常に限られており、特に1万kWの電気出力を超える流れ込み式の水力発電所の新規開発は今後日本国内では難しいだろうと言われています。

 玉川第二発電所は安定して発電できる再生可能エネルギー電源として6年の工事を経て完成した、貴重な新規電源となります。

水圧鉄管と発電所建屋
(建屋は玉川の河床の色をイメージしたクリーム色と、緑豊かな周辺との調和を考慮し緑で着色)

 

玉川第二発電所の特徴

①上流の玉川発電所の放水路を導水路として一部共有

 玉川第二発電所の発電用水は河川から取水後、上流の玉川発電所の放流水と一度合流した後、玉川第二の導水路に分岐して利用されます。異なる発電所の水路を一部共有する方式は同社では他に例がなく珍しい方式となっています。

 

玉川第二の取水口(ここから地中の導水路[トンネル]により約6㎞先の発電所に導かれる)

 

②導水路の掘削にトンネル・ボーリング・マシン(TBM)を使用

 全長27メートル、直径4.5メートル。米国Robbins社製のTBMを使用して導水路の掘削を進めました。TBMは従来工法よりも安全性が高く、24時間掘削を進めることができるため効率的な工法です。なお、TBMは発電所名にちなんだ「玉二郎」の愛称で工事関係者から親しまれました。

 

③使用する水量に応じて羽根の角度を変化できる「カプラン水車」を採用

 玉川は雪解けの時期とそれ以外で水量が大きく異なるため、水量に応じて羽根の角度を変化させることにより効率的な発電ができる「カプラン水車」を採用しています。

 

■玉川第二発電所の諸元

 

6年にわたる工期を経て最大出力14,600kWの新規水力電源が運転開始

小国水力建設所 所長 佐藤 良一郎さん (現:東北電力ネットワーク㈱土木建築部 課長)

 

佐藤所長

 玉川第二発電所は2016年に着工し2022年11月7日に運転を開始しました。当社としては18カ所目の水力発電所となります。発電した電気は全量を東北電力㈱に売電しますが、世界中で燃料調達の不安が高まっているなか、1万kWを超える水力電源が新たに運転を開始したことは、大変意義深いと考えています。

 建設工事は6年に及び、途中、導水路トンネルの掘削中に岩盤の脆弱性が露呈し、工事期間を延長するなど予定外の変更もありました。工程の延期に際しては、工事に携わっていただいた各協力企業にも資器材や作業員の手配・調整など様々な面で多大なるご協力をいただきました。こうした関係者一丸となった取り組みにより、無事に運転開始を迎えることができ、とても感慨深いものがあります。

 11月30日には竣工式を執り行うことができました。改めて、関係者の皆さまに感謝申し上げます。

 

 また、地元の小国町の方々にも感謝しています。

 トンネルの掘削にあたっては、火薬を使うこともありますが、地元の方の多くは地下水を生活用水として活用しているということもあり、最初は工事による影響を心配する声もありました。しかし、工事が進むにつれて次第にご理解をいただき、むしろ応援してくれるようになりました。

 工事に携わった関係者が地域に寄り添いながら、一人一人が真摯に自分の役割を全うしてきた結果が、こうした地元からの評価につながったと考えています。

 

自分で設計した構築物が、実際に自分の目の前に

土木建築課 菅生 俊樹さん

 

菅生さん

 私は土木担当として、構造物の設計や施工管理を担当しています。

 建設工事に3年9カ月ほど携わっていますが、コンクリート等の各種構造物の「設計」をするだけでなく、自分の設計したものを実際に作り上げていく「施工管理」までを一貫して担当することができ、新設工事以外ではなかなか携わることのできない大変貴重な経験となりました。

 私が着任した頃は、本発電所の導水路トンネルは5,662メートルのうち、1,400メートル程度までしか掘削されていませんでした。

 工事が着々と進んでいくところを目の当たりにしたり、最初は何もなかった山林に、実際に自分が設計した巨大な構造物が出来上がっていくのを肌身で感じたりすることで、モチベーションも高まりますし、とてもやりがいを感じます。

 一方、自分が設計から施工管理まで携わったこれらの設備を管理していくことへの責任の大きさも感じています。これまで培った経験を生かして、今後も発電所が安定して運転を続けられるようしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 

最初は右も左もわからず、苦労の日々

電気課 齋藤 瑛人さん

齋藤さん

 私は発電機などの電気設備全般を担当しています。

 3年6カ月ほど工事に携わっていますが、初めの頃はすべての業務が初めての経験であり、とても仕事の難しさを感じていました。

 毎日毎日、勉強の日々でしたが、翌日に実施する作業を前日にしっかりと予習して臨むなど、先輩・上司の指導もいただきながら日々研鑽を積んでいった結果、知識の習得とともに設備に対する愛着も湧き、仕事に対する思いも強くなっていきました。

 今ではこの発電所の電気設備は“自分の設備”だと、自信と誇りを持っています。

 玉川第二の担当となったことで、なかなか経験することがない建設工事に携わることができ、専門知識の習得と実務経験蓄積の面で濃密な時間を過ごすことができました。今後もこの経験を生かしてしっかりと業務に取り組んでいきたいと思います。

 

 

佐藤所長

 日本国内で1万kWを超える流れ込み式水力発電に適した場所は、リプレースを除きほぼ残っていません。この規模の流れ込み式水力発電所が新規開発されることは、今後はおそらく無いのではないかと考えています。

 玉川第二の建設工事では、今回話してもらった若手社員をはじめ多くの社員が貴重な経験を積んだと思います。この貴重な経験を生かして今後の運用・管理に励んでいただき、さらに成長していってほしいと思います。

 そして、この発電所が今後何十年、何百年にもわたり電気を作り続けて、地元の山形県はもとより、東北・新潟、そして日本の豊かな生活を支えるとともに、再生可能エネルギー電源として、持続的な発展に貢献することを願っています。

 

       

                         地下深くに設置された発電機

 

    

          発電機を点検する齋藤さん             水圧鉄管について説明する菅生さん

 

 

イイね!
ページトップへ戻る