電気料金値上げ申請に関わる公聴会が開かれました

 2月16日、仙台市にて、経済産業省主催の「東北電力株式会社による電気料金値上げ認可申請に係る公聴会」が開催されました。当社からは、樋󠄀口社長、石山副社長、河田常務などが出席。消費者など11人が意見陳述を行いました。

意見陳述人による主な意見

 経済産業省東北経済産業局が議長・議事進行人を務め、料金制度専門会合の委員も出席した本会。冒頭、樋󠄀口社長より値上げ申請概要を説明し、その後、オンラインを含む11人の意見陳述人から意見陳述が行われました。

 主に「電源構成(再エネ活用・原子力低減)」、「値上げ幅・生活への影響抑制」、「適切な情報発信」の3点について多く述べられました。

 意見陳述に対し、当社関係の内容については、当社から申請の背景、当社の方向性や取り組み、原子力の活用を含むエネルギーミックスの必要性などについて回答・発言しました。

 

 

【意見陳述人による主な意見】

<電源構成>

  • 脱炭素社会を目指すにあたり、これからは余分な電気は使えないようになると思うが、いくら電気が必要だとしても原子力発電は無くしていかないといけない。原子力発電に頼らないエネルギー政策への転換に踏み出すべきである。
  • 原子力発電は建設費、廃炉費用、事故の賠償など原発のコストは決して安くないと実証しているため、原子力をベースロード電源にしないでいただきたい。
  • 地球温暖化対策及び輸入に頼らざるをえない燃料の比重を下げていくためにも、火力、原子力に頼る割合を下げ、再生可能エネルギーへの比重をさらに引き上げていく計画とすべきであると考える。

 

<生活への影響(値上げ幅および値上げ理由)に関する意見>

  • 燃料価格をはじめとした原価分の上昇についての価格への転嫁は抑制的に行うべきであり、値上げ幅を縮減する方向での検討をお願いしたい。
  • 電気料金の値上げの認可申請にかかる審査にあたっては、厳正な審査を行い、値上げ幅の圧縮を図ることを要求する。利用者への説明を丁寧に行っていただきたい。
  • 高騰によるコスト増をそのまま消費者に転嫁するのではなく、経営効率化の取り組みや今後の燃料費の変動などを精査の上、値上げ幅を圧縮することを求める。
  • 燃料費の高騰を理由とした値上げなのに、なぜ基本料金も値上げなのか、明確な理由を求める。

 

<適切な情報発信に関する意見>

  • 電気料金の仕組みも含め、値上げに関する情報が専門的すぎる。多くの消費者に分かりやすい情報公表に努めてほしい。

 

<その他>

  • 規制料金を値下げしない限り、新規・既存の高圧・特別高圧契約定価販売(今春4月に再受付する高圧価格設定以上)とし値引きできないという条件付き認可としてはどうか。
  • 原油、燃料価格、円安の価格水準が落ち着いた場合、速やかに電気料金が引き下がるようにし、その面での検証について、経産省電力・ガス取引監視等委員会において予定いただきたい。

「国民の声」も紹介

 議長より、インターネット等を通じて募集された国民の声の紹介もありました。

 

 

【代表的な声の概要】

 <人件費>

  • 地域水準(公務員程度)と同程度にすべき/値上げの前に給与水準やボーナスを引き下げるべき/人員削減や営業所の削減をすべき

 

<燃料費>

  • 燃料費調整制度の上限撤廃を検討すべき/燃料費が下がった場合の電気料金の下げ幅や下限について説明を求める/基準燃料価格について審査の最終段階での最新の平均価格を反映すべき

 

<経営合理化・経営責任>

  • 企業努力で経営改善を目指すべき/身を切る改革を示すべき/過度な福利厚生を削減すべき/経営効率化が不十分/IT化を促進して人件費を削減すべき/電気事業以外の新規事業の収益化のための投資をしてほしい/さらなる経営努力を求める
  • 値上げの理由・根拠の広報を利用者が理解できる内容にしてほしい/電気料金の値上げにあたって需要家への事前周知の徹底と分かりやすい説明を求める/「適正な電力取引についての指針」に抵触するかどうかの説明を求める

 

<値上げ>

  • 値上げは慎重にすべき/値上げ反対/ライフラインである電気料金の急激な値上げは生活が苦しい/理不尽な値上げをやめてほしい/為替も戻っているので値上げの必要性もなくなっている/低所得者及び生活困窮者へは十分に配慮すべき/基本料金も含めての値上げ率については容認できない/値上げをしない電力会社との地域格差が生じるのは納得がいかない

 

<原子力>

  • 今後原子力発電に関わる費用が増加するなら原子力発電にコストをかけて使い続けることを見直すべき/原発にかかる莫大な経費を重く受け止めるべき運転再開未定の原発の再稼働を料金算定に織り込むことは時期尚早

 

<自由料金>

  • オール電化向けのプランを値下げすべき/自由電力の値上げで規制料金の赤字を穴埋めすべき/燃料高騰値上げに便乗した深夜電力単価値上げをするべきではない/深夜電力の利用を推進したにも関わらず、国民に負担増を押し付ける値上げは容認しがたい/深夜電力だけさらに負担を大きくする方針は理解できない/オール電化住宅に一定の配慮や優遇措置を設けてほしい/夜間電力の値上げ幅が大きすぎる

意見陳述・国民の声を踏まえ、樋󠄀口社長がコメントを述べました

 本日は、規制料金値上げに関しまして、皆様から様々なご意見を頂戴した。

 冒頭にも申したとおり、今回、非常に大幅な値上げをお願いすることになり、大変心苦しく感じている

 当社は、皆さまからのご意見を踏まえ、今後とも徹底的な経営効率化を進めるとともに、燃料や電源の調達を通じて、お客さまに安心して電気をお使いいただけるよう、安定供給に努めていく。

 また、本日は、原子力に対するご意見も多くいただいた。

 原子力に関しては、安全を最優先に活用していくものと考えている。現在のように燃料価格が高止まりする中では、価格変動の影響を受けにくい原子力を活用することによって、電気料金の上昇を抑えることができると考えている。

 当社は、その他の電源の活用も含め、安定供給と経済性、環境適合性のバランスを図っていく。

 お客さまへのご説明については、ダイレクトメールのお届けやホームページでの掲載など、さまざまな機会を通じて、値上げの背景や内容をお伝えしてきた。

 しかしながら、本日、非常に分かりづらいとのご意見も頂戴した。周知の方法や内容が不十分であった点については、今後の値上げの実施に向けて、お客さまにわかりやすくお伝えできるよう、より一層丁寧なご説明に真摯に取り組み、ご理解いただけるように努めていく。

 

電気料金審査専門委員会委員からのコメント

 最後に、委員から次のようなコメントが出されました(委員4名のうち2名は午前の部終了時にコメント)。

 

 

  • 規制料金の利益を自由料金値下げの原資とする点については、一種の内部補助と捉えられ、ルールに反しているので厳しく対処したい。電気料金値上げは消費者の生活に係る問題であり、事業者は消費者への説明および周知の仕方には工夫が必要。
  • 消費者の生活に与える影響は真摯に受け止める必要がある。料金審査にあたっては安定供給が基本でそのうえで経営効率化を図っていく前提であることをふまえて審査していく必要。消費者への情報提供において、何を情報提供し、理解してもらうための説明の仕方には工夫すべき点が多い。電力は生活に密着した必要性の高い商品であることから、消費者の理解が重要。
  • 東北電力がこれからどのように投資してどのような電源構成としていくのか、との指摘もあったが、これらの指摘もふまえて審査してまいりたい。
  • 今回の値上げ幅はオイルショック時のほうが大きいものの、オイルショック時は経済が右肩あがりだったため、そこまで影響がなかったと理解。今回は所得が伸びず、実質賃金も上がらない状況での値上げであり、オイルショック時よりもインパクトがあると認識。陳述人の意見は事業者と料金制度専門会合に対しての叱咤激励と受け止めた。
  • (陳述意見は)規制料金が過度になっていないかの懸念と理解したので厳正に審査してまいりたい。燃料費高騰により電気料金が値上げするという状況は理解しているものの、なぜ今まで何もしてこなかったかと受け止めているので、経営戦略をわかりやすく伝えることで消費者も理解が進むものと理解。

 

公聴会は終了しましたが、規制料金値上げの審査は継続しています

 昨年11月に申請して以降、今年2月末までに国の料金制度専門会合が9回開催され、経営効率化の取り組みや料金原価へ織り込まれた効率化、需要想定および供給力、購入・販売電力量、燃料費や人件費など、原価の各項目について、審査されています。

 月に3回程度開催される審査では、石山副社長がメインで説明(河田常務、宮武グループ戦略部門長も出席)。グループ戦略部門を中心に、各部門が協力し、資料作成から当日の対応にあたっています。

 できる限り早期の値上げ実施に向けて、引き続き、適切・丁寧かつ迅速に対応をしていきます。

イイね!
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