■日本電気協会東北支部■令和4年度東北電気関係事業考案・研究発表会

 日本電気協会東北支部は、2月8日、仙台市にて、令和4年度東北電気関係事業考案・研究発表会を開催しました。

4件の技術開発・研究内容について発表。活発な質疑応答も

 本発表会は、東北支部管内における電気関係事業の技術水準の向上と技術開発の推進を図ることを目的に1988年より開始され、今回で34回目を迎えます。発表件数は累計296件に上り、歴史と実績ある発表会となっています。

 

 開催にあたり、あいさつに立った青野日本電気協会東北支部事務局長は、「電気関係事業を取り巻く環境は、頻発・激甚化する自然災害対応をはじめ電力の安定供給への対応、脱炭素社会を目指したカーボンニュートラルの実現、少子高齢化・人口減少も踏まえたデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速化、ウィズコロナにおける働き方の多様化など、幅広い課題を抱えている」と述べた上で、「特に、電気技術者にとっては、まずは作業する方々の安全を確保したうえで、DXの加速化や、現場のカイゼンなどにより、安定供給、業務品質、作業効率の向上が課題となっているものと認識している。そのような課題を解決していくためにも、本日の考案・研究発表会などの場において、新たな発想や最新技術などを共有していくことは大変重要で意義あるものであり、こうした研究・開発に携わった方々の発表が行われることで、次世代の人材育成にも大いに寄与するものと考えている」と、発表会の意義を説明しました。

 

 

その後、以下4件について発表が行われ、各内容について委員より多数質問が出されました。

 

  • 冬季雷対応落雷位置標定システムの開発(東北電力)

  :東北全域の落雷を通年で評定できるシステムとして、2011年度から実運用を開始。その後、他の電力会社を含め全国で100台

   余りが導入され、我が国における冬季雷対策に大きく貢献する技術に発展。

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  • 中心水密型電線の開発・実用化(東北電力ネットワーク)

  :低圧配電線において長年の懸案であった応力腐食劣化防止対策の切り札ともいうべき中心水密型電線を開発・実用化。断線リス

   クが軽減され、設備コストの削減にも貢献。

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  • 低圧活線作業用防具の改良(ユアテック)

  :防護シートにより作業対象個所が見にくくなる、ビニルテープでの仮止めが作業効率を低下させるなどの欠点を改良。協力会社

   を含め780枚がすでに配備され、各現場での配線工事で活用されている。

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  • 広域IPネットワーク活用監視制御システムの開発(通研電気工業)

  :複数個所の水力発電所群に対する一括遠隔監視制御システムの構築整備を実施。イントラネットを構築する一方で、監視所から

   関連個所へのデータ伝送は従来通りのCDT伝送やシリアル伝送への変換装置も併せて開発。

    →要旨はコチラ(pdf)

 

 

講評

 発表後、松木委員長(東北大学 未来科学技術共同研究センター教授)より、「いずれも電気事業を取り巻く急速な社会情勢の変化の中で、利用価値を向上させる技術研究開発であり、タイムリーなテーマに取り組まれている開発姿勢に敬意を表したい。電気事業を巡る環境変化に即応し、電力設備の安全・安心な保全作業や増設工事にかかわる課題に直結する研究成果を大変わかりやすく説明していただいた。また、活発な質疑応答を通して研究成果の共有化が進み、有意義な発表会となったと感じている。これからも電気関係事業の技術開発に精進していただきたい」との講評がありました。

 

 

 なお、当日発表された研究成果のうち、昨年度受賞分を除く3件について審査が行われ、優秀な案件については、本年5月の日本電気協会東北支部大会で表彰される予定です。

 

 (参考)日本電気協会は、1956年に「澁澤賞」を設け、電気保安に関わる発明・工夫などに功績のある方や団体を表彰しています(今年度、「中心水密型電線の開発・実用化」が最優秀考案賞を受賞。記事はコチラ(リンク))。本発表会は澁澤賞への登竜門と言える場ともなっています。

イイね!
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