
土木工事での基礎の合理化による大幅な工期短縮などが評価される
上越火力発電所は新潟県上越市に位置する出力57.2万kWのガスコンバインドサイクル発電所であり、2019年5月より建設工事を進め、2022年12月1日に営業運転を開始しています。
総合技術賞は、土木学会東北支部が「新潟県を含む東北地方の土木技術の発展に寄与する著しい業績ならびに優れた土木施設などの工事」を対象とし、毎年総会において表彰しているものです。昨年度はコロナ禍のため審査が延期され、今回の受賞となりました。
今回の工事は、2022年度冬期の電力安定供給などを目的に発電所運転開始が6カ月前倒しとなったことに伴い、土木工事を約8カ月短縮する必要がありました。これを踏まえて、建物などの基礎杭の合理化により大幅な工期短縮を図りました。
本工事においては、機器据付後に盛土により敷地を約1mかさ上げする計画としており、盛土による沈下を考慮し基礎杭の設計をしていました。それに対し、先行して盛土と沈下量の測定を行い、その結果を踏まえた数値シミュレーションにより将来の沈下予測を行うことで、杭の設置本数や仕様の合理化を図りました(本館建屋基礎杭の例:基本設計では342本に対し、259本に削減)。
また、上越火力発電所が設置される直江津は、日本海特有の長周期波(海面のゆっくりとした上下動)の年間発生回数が多い地点です。長周期波は放水路内に伝播しやすく、それに伴い水路内の圧力が上昇し、規定の流量が放水できなくなることが懸念されました。そこで、数値シミュレーションにより複数の影響低減対策を検討し、構造物に反映させることで解決を図りました。
早期運転開始と安定運転、この両課題に向けた取り組みが高く評価され、プレゼンテーションを含む厳正な審査を経て受賞に至ったものです。

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