■石巻電力センター■離島への架橋に伴い新たな配電線敷設工事を実施

 女川町出島(いずしま)は、本年(2024年)12月開通に向けて架橋工事が進められています。石巻電力センターでは、この架橋工事に伴い、供給信頼度の向上となる新たな配電線の敷設工事を実施していますので紹介します。

出島架橋工事に伴い進められている配電線敷設工事の概要

 女川町出島は、昨年(2023年)11月、クレーン船で釣り上げられた橋の中央部(長さ245m)が接続され、これにより悲願であった「陸続き」となりました。現在は本年(2024年)12月の開通に向けて各種工事が進められています。

 石巻電力センターでは、この架橋工事により整備されている道路と橋に合わせ、総延長2,920mの新たな配電線の敷設工事を行っています。(工事設計図参照)

 

【工事設計図】

 

 

 

 今回、現地を案内してくれるのは、石巻電力センター配電管理課 相馬課長と大沼副長です。

 女川町内から国道398号線を石巻市雄勝町方面に車で約15分、女川町竹浦を過ぎたところに、整備中の道路があります。この道路に沿って、新たな供給ルートを設けており(53本建柱)、約2km進むと出島架橋が見えてきます。

 この出島架橋の道路下には、ライフラインである水道、通信と共に電力ケーブルを敷設する共同溝が設けられています。撮影当日は、気温30度の快晴。共同溝内に日差しは届きませんが無風のため蒸し暑い中、請負作業の方々が暗闇の中で電力ケーブルを敷設するための配管を固定する作業を行っていました。この約360mの共同溝を進むと対岸の出島に着きます。

 

 

 

これまでの電力供給ルート:出島での生活に必要な電気を届けるために

 石巻電力センター管内には有人の離島が5島(女川町には出島、江ノ島、石巻市には田代島、網地島、金華山)あります。離島への電力は、出島は半島側にある鉄塔から架空配電線、それ以外の離島は海底ケーブルで供給しています。

 

 

 

 この出島への供給ルートについて、半島側鉄塔の建設当時は道路が無く、そのため車で行ける竹浦地区から半島側鉄塔までの約2.5kmは、山中を人力で建柱しました。この状況は現在も続いており、この地域で配電線事故が発生すれば、“所員が配電線に沿って山中を巡視、原因個所が判明したら車両に戻り、必要な資機材を持って改めて原因個所に向かい手作業で復旧作業を行う”ことになります。

 配電線路がつながっている街中であれば、事故個所を除いて繋がっている他の配電線路から電力を供給することが可能ですが、ここ出島は配電線路の末端であり事故個所を修理しなければ出島の電力も復旧しません。そのため島民の生活に必要な電力を安定して届けるために、枝折れや倒木の危険性がないか、定期的に山を登って巡視や伐採を行なっています。また台風通過など災害発生が見込まれる場合には、離島対策として運行するフェリーで事前に復旧作業に必要な資機材や人員を運び、配電線事故に備えています。

 出島架橋に伴う新たな供給ルートの敷設により、従来の山中の配電線路と比較して枝折れや倒木の危険性が大幅に軽減されます。仮に配電線事故が発生しても道路あるいは共同溝沿いに巡視し復旧作業に取り組むことが可能となり、復旧までの時間が短縮するなど供給信頼度の向上が図られます。併せて巡視や復旧に関わる労力の軽減にも大きく貢献するとのことです。

 

 

 

 

石巻電力センターの工事設計の担当者より

配電管理課 高橋 和弘さん

 

 今年7月に8年振りに石巻電力センターに勤務、出島架橋工事業務を引継ぐこととなりました。私は東日本大震災直後に石巻営業所(当時)に赴任、出島の改修工事を担当していました。必要な大量の資機材を船で運び、島内の移動手段は徒歩でしかないため、重い資材や工具を担ぎながら島の北から南まで工事していたことを記憶しています。当時、出島架橋の計画を聞いた際は、「この山を削って道路を作り島に渡れるようになるのは夢のような話だな」と感じていました。また女川町の復興と併せて、出島架橋に伴う道路建設による電柱移設の申請も加わり、てんてこ舞いであったことが思い出されます。

 今回の異動後に出島を現地調査しましたが、船ではなく歩いて橋を渡ることができました。あの当時の架橋の話を現実に目の当たりにすることとなり、また今後はあんな重い荷物を徒歩で運ぶことも、悪天候で船が出ないという心配をせずに、島内で停電事故が発生しても車で移動し早期解消が可能になると考えると感慨深いものがありました。

 これから配電線の系統切り替え、半島と出島間の高圧線など現在の供給ルートの撤去となりますが、安全に作業を務めてまいります。

 また今回の工事を通じて、島の活性化に繋がるよう、我々も知恵を出し合って行きたいと思います。

イイね!
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