
「Chance to Change社長のおごり自販機」で1日2本、週5本が無料に
自動販売機を導入した経緯について、東北発電工業人事労務部にお話を伺いました。
- 鈴木 正則 人事労務部長
- 人事労務部 川井 いづみ 主査
──この自動販売機を設置した背景について教えてください。
DX等による生産性の向上や収益の拡大を図っていくためには、そうした課題に果敢に立ち向かっていく人財の活躍が重要です。当社の従業員はさまざまな作業環境・職場環境の中で、安全品質に対する高い意識を持ちながら、日夜業務を頑張っています。その活力をアップし、コミュニケーションを活発化させられる施策がないかと模索していたところに、この自動販売機がマッチしました。(鈴木部長)
近年の採用市場の激化もあり、学生に選択される企業であり続けるための取り組みとしても効果が期待できそうなところもポイントでした。(川井主査)

本社2Fに設置された自動販売機。元は会議室だった場所を、草原をイメージした絨毯と壁紙でリメイクした
──「Chance to Change社長のおごり自販機」というネーミングに込めた思いについて教えてください。
2020年度から経営方針に掲げているスローガン「Chance to Change ~変化をチャンスに未来へ加速~」から取ったものです。自動販売機の導入によりポジティブな変化が起きることに期待を込めて、この名前にしています。(鈴木部長)

──サービスを提供するサントリーによれば、全社的な導入事例としては東北で初めてだそうです。
本社以上に現場で有効に活用してもらいたいという観点から、部門や地域で不公平が出ないように、全社一律の導入を目指しました。(川井主査)
──導入に当たって、苦労したことはありますか。
自動販売機の設置ができない事業所があったので、同様のサービスを提供するための調整に苦労しましたね。具体的には、常駐人数が少ない事業所や業務都合で建物が分かれている事業所、あるいはサントリーのサービス対象区域外にある事業所などです。そういった事業所には飲料を直接送付して、自動販売機を設置した事業所と遜色ないサービスが受けられるようにしています。(川井主査)
当社は現場が中心の会社ですので、どの事業所にいても同様の満足感が得られることを第一に取り組みました。(鈴木部長)
──飲料だけでなく、菓子も提供されているんですね。
仕事の間のちょっとした息抜きやコミュニケーション促進の観点から、飲料だけでなくお菓子の選択肢も用意しています。近くにコンビニがない事業所での不便な経験も導入の後押しになりました。(川井主査)

菓子の場合は自動販売機の菓子用ボタンを押し、隣の棚から菓子を取る仕組み
──実際導入してみて、実績はどうですか。
まだ初めて1カ月の段階ですが、かなり良好な実績が出ています。多くの事業所で広く使われていることが分かります。(鈴木部長)
──人気の商品はありますか。
「特茶」シリーズが人気で、ラインナップに占める割合がどんどん高まっています。人気の理由としては健康志向の飲料だということと、他の商品に比べて値段が高いからということもあるかもしれません(笑)(川井主査)
「特茶」を沢山飲むことで従業員の有所見率※が下がったり、熱中症予防、あとはドリンクを飲むことでタバコの本数が減ったりなど、コミュニケーションだけでなく健康維持にも役立てば更に良いですね。(鈴木部長)
※有所見率(ゆうしょけんりつ):定期健康診断における医師の診断が「要精密検査」「要治療」となった人の割合
──今後の予定について教えてください。
同じペアで自動販売機を使用しているパターンが少し目立つようになってきたので、なるべく色々な同僚とコミュニケーションを取ってもらうべく、機会を見て発信をしています。あとはこれから寒い時期になってくるので、飲料のラインナップを温かい飲み物にする予定です。その他、従業員からの要望などがあれば随時改善していきます。(川井主査)
自動販売機の高い利用率を維持することに加えて、単身寮への無線インターネット回線(Wi-Fi)の設置など、今後も福利厚生施策の充実を図り、従業員の満足度を高めていきたいです。(鈴木部長)
利用した従業員の声(抜粋)
- 毎日の楽しみが増えてモチベーションが上がった。
- 週に5本もおごってもらえるなんて、素直に嬉しい。
- 水筒を持ってくる必要がなくなった。
- 自販機の周りで、にぎやかな会話が聞こえてくるようになった。
- 導入当初は商品の売り切れが相次ぐほどの反響の大きさだった。
- 「今日は誰とコンビを組もうか」など、普段の業務では会話の機会がない組織の枠を超えた従業員同士の自然なコミュニケーションが醸成された。
- 「特保」飲料を飲むことで、健康管理に対する意識が高まった。
- お客さまから「いい会社で羨ましい」と言っていただき、社員であることに誇りが持てた。
- お菓子のラインナップは、低カロリーや高タンパクなど健康系やサプリ系がいい。

経理部 高橋 怜さん(左)、人事労務部 阿部 晃大さん(右)
山本社長の思い
今回導入した自動販売機への期待について、山本社長にお話を伺いました。

──「Chance to Change社長のおごり自販機」の提案を受けた時の感触を教えてください。
自動販売機の商品というのは元々お金を出せば誰でも買えるものなので、それを会社が提供することがどれだけ従業員のエンゲージメント向上、あるいはコミュニケーションの活発化につながるのか、少し心配な部分がありました。しかし「社員を大切にしている」という会社のメッセージが少しでも現場に届き、従業員の皆さんが会社に親しみを感じてもらえたらという思いで、導入を決定しました。
個人的には「“社長のおごり”自販機」というネーミングが「上から目線」な感じがして、やや抵抗がありましたが(笑)
──導入から1カ月が経ちました。実績や反響をどのように受け止めておられますか。
この制度は従業員に使ってもらって初めて意味があるものです。実際にどれぐらい使ってもらえるかはとても気になっていたので、多くの事業所で沢山の利用をいただくことができてよかったと思っています。
また当社は「現場で稼ぐ」会社ですので、自動販売機を設置できない事業所への対応や直行直帰する際の取り置きなど、事業所や業務に関わらず全ての従業員がサービスを受けられるようにしてくれた関係者の皆さんには感謝しています。
──今後への期待やこれからの見通しについて教えてください。
今回導入した「Chance to Change社長のおごり自販機」によって、職場コミュニケーションが活性化し、明るい職場づくりや職場活力の向上、さらには挑戦意欲の喚起につながるものと期待しています。
当社では今回の施策に限らず、より従業員が働きやすい会社になるよう、これからも様々な施策に取り組んでいく予定です。
記者の視点から
今回、取材班も「Chance to Change社長のおごり自販機」で飲料をいただきました。体験して分かったのが、2人の間で自然とコミュニケーションが発生するような絶妙な仕掛け。

「せーの!」自然と声が出る
2人1組で同時にカードをかざすと自動販売機のボタンが点灯している「10秒間」だけ商品が出せるようになります。この間に2人ともボタンを押し終える必要があり、万が一これを過ぎてしまえば権利は消失、商品はもらえない仕組みです。したがって2人は息を合わせて臨む必要があり、「決まりましたか?」「決まりました」「せーの」といったやり取りが自然に発生します。うまい仕組みだと思いました。(佐々木達彦)