
■キラリ☆企業グループ社員にフォーカス■「東北ユースオーケストラ」を通じて東北に活力を!~Vol.11 東北電力 阿部 秀捷さん~
東北電力グループでは、従業員一人ひとりが個性を生かしさまざまな分野で活躍しています。そんな皆さんのキラリと光る活躍や多彩な活動などにフォーカスする本コーナー。第11回は、岩手県・宮城県・福島県の子どもたちを中心に構成される「東北ユースオーケストラ」に以前在籍し、現在はOBとして練習や演奏会をサポートしている東北電力の阿部 秀捷さんに、活動の魅力や地域への思いなどについて伺いました。
「東北と世界をつなぐ」東北ユースオーケストラ。音楽を通した心の復興を目指す
東北ユースオーケストラのサポート役をしている阿部さん。音楽との関わりやこれまでの活動をご紹介します!

☆東北電力 阿部 秀捷さん☆
・現職場 研究開発センター(エネルギー利用)
・出 身 福島県福島市
───「東北ユースオーケストラ」について教えてください。
東日本大震災をきっかけに作曲家の故・坂本龍一さんが発起人として始めたオーケストラです。普段はそれぞれ異なる組織で演奏している岩手・宮城・福島の小学6年生から大学院生までの合計89名が在籍し、音楽を通して多くの感動を届けるために活動をしています。

一番大きな活動は毎年3月に行われる定期演奏会ですが、それ以外にも有志の団員によって行われる有志演奏会を不定期に行っております。直近では能登半島地震の復興を祈念し、富山県氷見市でコンサートをしました。
───阿部さんは以前オーケストラの団員だったそうですが、参加のきっかけを教えてください。
東北ユースオーケストラ発足のきっかけにもなった「ルツェルン・フェスティバル アーク ノヴァ 松島2013」という音楽祭です。これはスイスの国際的な音楽祭であるルツェルン・フェスティバルが東日本大震災の被災地に音楽を通して希望を届けることを目的に2013年に開催したもので、東北ユースオーケストラもその時に発足しました。私は当時所属していた高校のオーケストラ部の顧問から「参加してみないか」と案内をいただき、参加することになりました。

────オーケストラには何の楽器で参加したのですか。
チェロです。元々中学生の頃に吹奏楽部でユーフォニウムを吹いていて、高校では吹奏楽部がなかったこともあってオーケストラ部に入り、そこでチェロを始めました。
就職してからは練習場所や時間の確保がうまくできず、楽器演奏はなかなかできていません。
───東北ユースオーケストラでの演奏活動はどうでしたか。
演奏会を通じて地域のコミュニティに貢献する、貴重な経験でした。特に印象的だったのは2019年に行われた「熊本城ホール」のこけら落とし公演です。熊本地震の復興重点プロジェクトの一環で行われ「人間と自然、地域とコミュニティ、人と人の繋がりを『音楽」を通して繋ぎ直す』という「Reconnect」をテーマとし、復興を祈念して、東日本大震災を経験した子どもたちと熊本地震を経験した子どもたちによる合奏を行いました。「支えられる側」から「支える側」になれたことを実感できたイベントでした。

熊本公演の様子(上段右が阿部さん)
また、坂本龍一さんの楽曲を本人と一緒のステージで演奏できたのも良い思い出です。「作曲者本人とコミュニケーションを取りながら音楽づくりができる」というのは特別な経験でした。
───阿部さんが現在東北ユースオーケストラで行っている活動を教えてください。
ひと言でいえば「活動全般のサポート」です。
普段の練習に同席して広報活動で使用する写真を撮影したり、演奏会では会場設営や荷物の運搬を始め、来場したお客さまの誘導や物販対応、団員の引率も行います。昨年は演奏会のリハーサルでチェロが2台も壊れるといったトラブルが発生したのですが、そういった場合の修理やレンタルの手配、次回公演に向けた調整なども私の仕事です。
- オーケストラを撮影する阿部さん
- 物販対応を行う阿部さん(左)
- 阿部さんが演奏会に持ち込むカメラバッグやウェストポーチなど
- 阿部さんが使用しているカメラ。無音撮影ができるミラーレス一眼(左)は演奏会で重宝するそう
───オーケストラの活動をサポートしている理由を教えてください。
実は現在行っているサポート活動の多くは、現役団員だった頃も兼務で行っていたものです。当時は食事の時間も十分に取れないくらい忙しくて大変だったので、いまの団員たちにはぜひ演奏に専念してほしいと思って活動しています。オーケストラの活動には多くの仕事がありますが、やはり団員だけでやれることには限界がありますし、「団員経験がある社会人」の自分だからこそできることがあると思い、参加しています。東北の復興のためにも可能な限りの支援をしていきたいと思っています。
───サポート役として活動に携わるOBはどれくらいいますか。
普段の練習会からサポートをしているのは私を含めて2,3名程度ですが、演奏会ではやるべきことが多いため10名程度が集まります。

演奏会のサポートに集まったOBたち(右上が阿部さん)
───直近のスケジュールを拝見しましたが、定期的な演奏会や練習会に加えて合宿などもありますね。大変ではありませんか。
かなり大変です(笑)
特に定期演奏会とその直前合宿ですね。合宿では団員に加えて詩の朗読をする吉永小百合さんやのんさんもスケジュールの合間を縫って練習にお越しいただくのでその対応もありますし、本番はお客さまが千人単位でいらっしゃるなか分刻みで進行するスケジュールが乱れないよう、状況に応じた動きが求められます。演奏終了後も物販とお客さまの誘導が続き、並行して4tトラック3台分の荷物の運び出しがあります。他にもテレビ局の密着取材が入っていたり、新聞社の方から新聞に掲載する写真の提供を求められたり…やることは本当に様々です。それでも、演奏を無事終えて充実した様子の団員や、オーケストラが奏でる音楽に聴き入っている観客を見ると「やっていて良かった」と感じます。詩の朗読では涙する方もいるんですよ!
- 荷物の整理をする阿部さん(奥)
- 撤収作業を行う阿部さん(中央)
───オーケストラの団員とはどのような話を交わしますか。
東日本大震災当時の話をすることが多いです。今の団員には当時のことを覚えていない子や、そもそも生まれていない子もいて、当時中学2年生だった私の体験談は新鮮に感じるようです。
また実は私が就職先に東北電力(東北電力ネットワーク)を選んだきっかけもオーケストラの活動をする中で「東北に貢献する仕事がしたい」と考えたことで、その思いは今でも仕事をする上でのモチベーションのひとつになっています。そういったことを団員に話すこともあります。
───オーケストラの活動を通じて、東北・新潟地域と関わることは多いですか。
有志演奏会は「団員たちの学習の機会」という側面があり、地域と深く関わることが多いです。昨年3月に気仙沼で行われた有志演奏会では「龍の松」「命のらせん階段」などを見学しました。演奏会にお越しいただいた地域の方からは「(会場となった気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館へ)演奏会をきっかけに初めて来た」「これだけの地域の人たちが一堂に会するのは久々」などの声をいただきました。

語り部と「龍の松」を見学する団員
───読者の皆さまへのメッセージをおねがいします。
東北ユースオーケストラが持っている理念の一つに「被災地の『心の復興』をはかる」というものがあります。
私はオーケストラの活動を通じて、震災で失われてしまったコミュニティの再生に音楽が貢献する姿を見てきました。音楽にはどんな状況でも人の心を豊かにする力があると思います。皆さんも何かにつまずいたり悩んだりしたときは是非、音楽に触れてみてはいかがでしょうか?
今年度の東北ユースオーケストラの活動予定は3/21の東京公演のみですが、もし機会がありましたら是非ご来場ください。今年はウクライナの音楽家イリア・ボンダレンコさんと坂本龍一さんが共同制作した曲「Piece for Illia」のイリアさん本人による演奏や、吉永小百合さんによる詩の朗読もあります。私も裏方で頑張ります。

(本インタビューは2025年1月上旬に実施しました)
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