■宮古電力センター■自治体と連携した事前伐採

 宮古電力センターでは、各自治体と締結している「災害時の協力に関する協定書」について、2024年度に「事前伐採」に関する条項を盛り込み再締結し、協働で事前伐採工事を推進しています。

宮古電力センター管内全自治体との事前伐採を盛り込んだ協定書改定

 宮古地域ではこれまで、2016年台風10号、2019年台風19号、2024年大雪など、多くの自然災害に見舞われてきました。都道府県面積42位である佐賀県をも上回る広大な面積を有する宮古地域は9割が森林であり、自然災害はある意味樹木との戦いでもあります。配電設備に接近する樹木は定期的に伐採を行っているものの、強風や雪害により樹木が配電線に倒れてくることで、停電や設備被害が発生している状況です。

 地域の特性上、狭路も多く伐採作業に伴い道路の通行規制が必要なケースも多いため、関係行政との連携は必須でした。しかしながら、協働での事前伐採について必要性は理解してもらえるものの事業者の仕事という意識が強く、難色を示されることが多くありました。

 宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村の4市町村との協定再締結の交渉にあたった岩瀬張総務課長は、「自治体の首長は『事前防災』への関心は高かったが、担当者との協議が始まると費用負担などの役割分担ではダンマリとなり話が進まないこともあった。猛暑や雪害においては停電回避が住民生活に直結することから事前に対応することで『地域防災力の強化』につながると粘り強く説明した結果、理解を得ることができた。岩手県内で先行事例が増えてきたことも追い風となった。今回、協定書に条項を盛り込んだことで、一過性ではなく継続的に協力関係を築くことが可能となった」と述べています。

 

 

田野畑村との事前伐採工事

  田野畑村では、ナラ枯れによる配電線への倒木が多くなっており、村としても港から内陸へ通じる災害時緊急指定道路の安全確保に悩みを抱えていました。協議を進めていく中で、両者の困りごとは共通していることが分かり協働での事前伐採工事に繋がりました。伐採箇所の交渉にあたった配電課高橋さんは、「具体的な地域名や地点を提案することで、役場担当者の目の色が変わった。過去事例や地域特性を踏まえた提案が功を奏した」と胸を張ります。

(工事概要)

 

(役割分担)

 お互いの強みを生かして、電線の一時撤去を東北電力ネットワーク(以下:東北電力NW)が、通行止めや伐採工事を役場がすることで、双方にメリットがありました。

 

 

(工事状況)

伐採箇所選定と役割分担の調整にあたった配電課 高橋さん

 

【田野畑村役場 地域整備課 平坂課長】

 この道路は、生活道路で車通りが多い。ナラ枯れが問題となっており、枝も頻繁に落ちてくるなど、村としても管理に苦労していました。もし、日本海溝地震が発生した場合、津波避難時の緊急指定道路となるため道路の安全確保は重要課題でした。役場としてはこれまでは電線もあるため手を出せないでいた中で、東北電力NWとの協働体制はありがたい。今後も双方にメリットのある所を実施していきたい。

 

(左から:田野畑村 地域整備課 平坂課長、山本主査)

 

岩手県との事前伐採工事

 岩手県内では冬季間に積雪などにより倒木が発生し、道路の通行止めや道路沿線の電線の断線などによる停電が発生していることから、東北電力NWと岩手県は協働で本格的な降積雪期前に積雪時などに倒木の危険性がある樹木の予防的な伐採を行っています。2023年は一般国道106号線(約100m)、2024年は宮古市小国地内の一般国道340号線(約260m)で実施しました。

(役割分担)

 

 

 
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