
【地域の魅力発信シリーズ#2】山形県鶴岡市 加茂水族館の挑戦と進化
山形県鶴岡市にある「鶴岡市立加茂水族館」は、「クラゲ」の展示種類数世界一で、国内有数の人気を誇る水族館です。クラゲで世界一になるまでの道のりと、地域に対する熱い想いを取材してきました!
「クラゲ世界一」への道のり
皆さんからの情報提供をもとに進めるこのコーナー。第2回目は,宮城支店地域共創本部の福地 裕明さんからです!
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-福地さんからのコメント- 山形県鶴岡市にある鶴岡市立加茂水族館。様々な苦難を乗り越えて、今は全国各地から観光客が訪れる人気施設になっています。ここって実は『オール電化施設』なんですよ。社内外でも知らない方は意外と多いのではないでしょうか?私も昔からのファンで、家族で何度も訪れています。地域に愛される加茂水族館の秘密を取材してもらいました! |
いまや加茂水族館は全国的にも有名な水族館。知名度を押し上げたのは「クラゲ」の展示です。「クラゲドリームシアター」は直径5メートルの水槽に、約1万匹ものクラゲがただよっています。時間を忘れてずっと眺めていられる、とても幻想的なものです!
なぜクラゲの展示に力を入れるようになったのか、館長の奥泉和也さんに伺いました。「クラゲ展示を始めたのは1997年。その頃、水族館は来館者数の減少に悩んでいました。試行錯誤して色々な企画展示をやったのですが、なかなか集客に結び付かない。そんな中、企画展の水槽に偶然見たことのない生物が現れたんです。これを展示したところ、予想以上の反響がありました。最初私たちもそれが何だか分からなかったのですが、調べてみるとクラゲの一種だったことがわかりました」

鶴岡市立加茂水族館 館長 奥泉和也さん
その後クラゲだけを展示する企画を実施したところ、また好評。そこからクラゲ展示に注力するという大胆な方針転換が決まりました。「ラッコやペンギンといった、いわゆる水族館の人気者の飼育をあえてやめるといった思い切った決断もしました」
でも、今に至るまでは決して簡単な道のりではなかったようです。「クラゲは非常に繊細な生き物。自力では泳ぐことができず、水槽の水流が強すぎても弱すぎても命を落としてしまいます」
当時は飼育ノウハウもなく職員も少ない中で全くの手探り状態。それでも『日本一』、そして『世界一』といった目標を掲げて、みんなで試行錯誤を繰り返したそうです。「クラゲの飼育に不可欠な専用水槽も自作しました。設計から3年、ようやくクラゲに優しく、かつ安価な水槽の開発に成功しました」
「試行錯誤を繰り返していくうちに、少しずつ『自分たちにもできるぞ!』という達成感を感じて、さらに次へのモチベーションとなる。こうした積み重ねにより、今日の加茂水族館があります」2005年には飼育種類数で世界一に。今や飼育するクラゲの種類は80種を超えています。国内外の様々な水族館と連携した飼育技術の研究や共同調査も積極的に行っているそうで、先述のクラゲ専用水槽は特許を取らず、世界中の水族館で活用されているのだとか。「仲間をつくることが大事だと考えているからです。そうすると研究などで協力できますし、困った時には助けてもらえますからね。そういう関係性を国内外様々な水族館と築いてきました」
「ありのままの庄内の自然」を見てもらいたい
- 展示コーナーに入るとすぐにある、「庄内の淡水魚」コーナー」
- 魚の紹介文には、「庄内での呼び方」も記されている
「もう一つこだわっているのは、地元色を出すこと、ありのままの豊かな庄内の自然を見てもらうということです。クラゲの一部と地元の高校生がつくる水槽※以外、魚やイソギンチャクは100%鶴岡の海にいる生き物たちなんですよ」と館長は語ります。加茂水族館の地元への想いは、創業当時からずっと息づいているそうです。「この水族館は1930年にオープンしたのですが、そのきっかけは、当時近くの湯野浜温泉まで電車が開通したことでした。地域の皆さんが『ここ加茂が寂れてしまうのでは』、『もっと賑わってもらいたい』などと考え、豊かな海を生かした観光資源として初代加茂水族館が生まれました。第二次世界大戦中には軍の施設になったり、民営化して倒産の危機に陥ったこともありましたが、今日まで続いてきたのは地元の皆さんのご支援があったからこそ。これからも地域に貢献する水族館であり続けたいというのは変わらないですね」
※…初代の加茂水族館があった場所に、現在は県立加茂水産高校が建っている。加茂水族館は、毎年加茂水産高校にて約100時間の連携授業を行っており、生徒は水族館の役割などの座学から、展示の企画、採集まで実際に体験しながら学んでいる。その成果は館内の「加茂水産高校ブース」にて展示されている。

加茂水産高校の生徒による企画展示ブース。
現在はメダカと金魚がテーマ
加茂水族館の人気の秘訣は、地域を愛する職員一人ひとりの探究心と情熱の結集ということが伝わってきました。自分たちで考え、試し、失敗しながらも前に進む姿勢が、加茂水族館の原動力となり、そんな熱い想いが伝わってくるからこそ、多くの方が集まる魅力的な場所になったのではないでしょうか。「小さな水族館だからこそ、想いを一つにできています。方向性を柔軟に決められ、職員のアイデアを生かせることが何よりの強みです。これからも時代のニーズに合わせて変えるところは変えつつも、地域への想いとクラゲ世界一ということだけは絶対に譲りたくないですね」と、奥泉館長は今後の展望を語ります。この夏、加茂水族館でしか見られないクラゲの幻想的な世界に触れてみませんか?きっと、クラゲの静かな美しさと、水族館の熱い情熱に心を動かされるはずです!
加茂水族館に来たら外せない!!
加茂水族館には、展示以外にも魅力あふれるスポットがいくつもあります。ここでは絶対外せない2つを紹介します!
①「沖海月」で味わう加茂の味覚!!
加茂水族館で外せないのは、やっぱりオリジナルグルメ。水族館内にあるレストラン「沖海月(おきみづき)」では、鶴岡食名誉大使にも選ばれた料理長須田剛史さんが腕を振るいます(もちろんオール電化厨房!)。「加茂ならではの旬の味覚を楽しんでもらいたいと思っています。夏の時期であれば、『ハモ』や『てっさ(フグの刺身)』なんかがお勧めです。また、ここでは『からすみ』を自家製造していて、お土産に特に喜ばれています」他にも、クラゲを使ったクラゲアイスやクラゲラーメンなどを軽食コーナーで食べることができます!
②「飼育員の暴走」!?
取材班が最後に立ち寄ったのは、ミュージアムショップ「海月灯(つきあか)り」。そこで目を引いたのが…「飼育員の暴走シリーズ」と銘打たれた、大きなクラゲのぬいぐるみ!話を伺うと「実はこれ、コロナ禍に始めたお土産品シリーズの一つなんです。どうせやるなら徹底的に、自分たちが欲しくなるものをとことんこだわって作ろうというコンセプトで始めました。第一弾は手のひらサイズのクラゲのぬいぐるみ。触手や傘のクオリティにこだわりました。それが好評を博してどんどんエスカレートして…(笑)、今やジグソーパズルやマグネット、さらにはこの巨大ぬいぐるみなど、シリーズも第9弾まで増えました」とのこと!こんなところにも、職員の皆さんの心意気が現れていますね。
編集後記
1930年のオープンから、地域への想いを大事にしてきた加茂水族館。2015年のリニューアルを機にオール電化が採用されるなど、東北電力グループも電力の安定供給を通じてその運営を支えています。
加茂水族館では現在施設のリニューアル工事が進行中で、今年11月からの臨時休館を経て、来年4月にリニューアルオープン予定です。「研究施設も兼ねているため、だんだんと手狭になってきていることから新棟の増築を決めました。巨大水槽の増設も予定しており、よりダイナミックなクラゲの世界を楽しんでもらいたいと思っています」とのこと。これからも進化を続ける加茂水族館、何度でも訪れたくなる場所です!!

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