
自然災害による停電への備え、迅速な復旧を目指す
近年、激甚化、頻発化する自然災害に対し、円滑に復旧体制を構築し、停電復旧を行うことが求められています。本訓練は、支社間の連携強化を図り、設備被害状況ならびに復旧状況を迅速かつ的確に把握するとともに、安全を最優先とする復旧作業により、災害復旧技能レベルの維持向上を図ることを目的に実施しているものです。
2003年から青森、岩手、秋田の3支社が合同で持ち回りで行っており、2021年からは宮城支社も加わり4支社が合同で実施しています。
今回は4支社から作業員と連絡員、事務応援者合わせて66名が参加しました。
訓練の開始にあたり、訓練本部長を務める東北電力NW花北電力センターの佐藤所長は、「近年、地震や台風、豪雨など、自然災害の頻度と規模は増加しており、私たちの生活や業務に大きな影響を及ぼしている。こうした状況の中で、組織として迅速に対応するために、復旧に係る技術技能の維持向上や、隣接支社間での連携を高めることがこれまで以上に重要になっている。本訓練を通じて、今後の防災体制の強化につなげてほしい」と述べました。
- 開会式
- 開会のあいさつをする花北電力センター佐藤所長
地震による土砂崩れに伴い発生した大規模停電を想定
訓練は岩手県内陸南部を震源とする地震が発生し、土砂崩れにより電柱が倒壊したことで花北電力センター管内の花巻市を中心に大規模停電に至ったことを想定しました。
早期復旧のため、既存の配電線のルートを変更することとし、各支社は作業区域を分担して建柱と高圧線の架線作業を行いました。
被害状況の把握は、徒歩での設備巡視が困難となったことを想定し、ドローンによる巡視を行い、東北電力NWグループの東北送配電サービスがドローンの自律飛行により訓練現場を空撮。撮影した画像は訓練現場から約1km離れた現地本部で、Teamsを活用しリアルタイムで共有されました。あわせて、商用通信回線が使用できないことを想定し、スターリンクを設置して通信環境を確保する訓練も行いました。
実作業訓練では、土砂崩れ区間を迂回するために建設するルートを各支社が分担し、それぞれ分割柱(※)の組立と装柱を行い、高圧線5径間の架線を作業責任者の指示を受け、作業員が手順を確認し作業を進めました。
事務応援者による後方支援訓練では、各支店・支社が連携し、悪天候でも打合せや休憩が可能なエアーシェルターの設置、車載用仮設トイレカーの運搬、食事の手配と提供を行い、復旧作業に専念できるようサポートに努めました。
※分割柱…コンクリートポールに接続部を設けて電柱を2分割にしたもの。運搬経路や建柱作業場所の制約で長尺物での建柱が困難な場所でも運搬や工事が可能になる。
今回の訓練において、地域の皆さまに東北電力NWの安定供給への取り組みを伝えるため、報道各社に現場を公開し、テレビ局、新聞社からの取材を受けました。
訓練の総括責任者を務め、取材インタビューに応じた、東北電力NW花北電力センター吉田貴配電工事課長(当時)は、「訓練を通じ、特に若手社員には他支社の作業方法にも積極的に触れ、それぞれの優れた点を学び、互いに吸収してほしい。多様な知見を得ることで、現場で求められる基本動作や安全意識をしっかりと身につけ、今後の復旧作業に生かしてほしい。また、早期復旧を図るために、ドローンを活用した設備被害の把握など、最新技術を積極的に取り入れ、安全を最優先に、確実な作業を心がけることが重要である。これらを通じ、安定供給の確保に努めていく」と、若手への期待と今後に向けた決意を述べました。
- 迂回ルート新設のイメージ
- 分割柱の組立作業
- 高圧線の接続作業
- ドローンによる訓練現場の撮影
- エアーシェルターを設置する後方支援隊
- インタビューを受ける 花北電力センター吉田配電工事課長(当時)
訓練の成果を蓄積し、有事に備える
2日間の訓練を終えて3日目の最終日は、訓練参加者が一堂に会して成果・反省会を実施。意見交換の場で参加者は、「隣接する支社間の連携を深めることができた」、「日頃、分割柱の組み立てに従事したりアルミ電線に触れたりする機会が少ないので、機材や工法を確認することができ、非常に意義のある訓練になった」と感想を述べていました。
宮城支社隊長を努めた 仙台北電力センターの鎌田俊配電工事課長は、「今回の訓練で得られた実績と経験を積み重ね、激甚化、頻発化する自然災害の発生に備えて、万全の体制を整えていきたい」と、力強く語っていました。
来年度は秋田県での開催を予定しています。配電部門では、支社間の連携はもとより、日頃から「心(志)・技(技能)・体(体制)」の備えを万全にし、実際の災害時に慌てることなく対応できるよう、取り組んでいくこととしています。
成果・反省会









