東通原子力発電所1号機 安全対策工事の工程見通しに関する現状

 東通原子力発電所1号機における安全対策工事の完了時期について、敷地造成に関する対応状況などを踏まえ、今後の工事工程の見通しを得るためには、更に1年半程度の期間を要すると判断しました。

将来にわたる安全・安心の運転を目指して、敷地造成で裕度を積み増す

 東通1号機は、2014年6月に新規制基準の適合性審査申請を行いました。その後、2024年2月と3月には、安全上重要な機器を設計する上で基準となる地震動(基準地震動)や津波(基準津波)について、原子力規制委員会から「概ね妥当」との評価をいただきました。

 

 地震・津波審査の後に行われるプラント審査に向けては、これらの評価結果を原子炉の基本設計や安全対策の方針にしっかりと反映させる必要があります。その中でも、発生確率が極めて小さいものの、発電所への影響が大きい津波(PRA津波)に関しての対策を検討するとともに、それに伴う審査や工事への影響などについて、詳細な評価が必要な状況にありました。

 

 こうしたことから2024年4月に、2024年度中としていた安全対策工事の完了時期を見直すとともに、プラント審査の準備が整い、今後の工程の見通しが得られた段階で、改めて公表することとしました。(2024年4月22日プレスリリース)。なお、その時点で、プラント審査の準備には2024年4月から「1年半程度」の期間を見込んでいました。

 

 現行の基準津波の高さは、原子炉建屋など、発電所の重要な設備がある敷地の高さを下回っており、新規制基準に適合している状態ですが、敷地高さまでの余裕(裕度)が90cmと少ない状況でした。この裕度を踏まえて、将来にわたって長期かつ安全・安心に運転していく観点から、何らかの対応を取る必要があるか、プラント審査準備と並行して検討を進めた結果、敷地の北側と南側をそれぞれ現在の13mから17mにかさ上げする「敷地造成」を行い、基準津波に対する裕度を積み増すこととしました。

 

 一方で、敷地造成によって敷地の形状が変わることから、現行の基準津波への影響を確認していく中で、基準津波の再評価が必要となりました。これに伴い、プラント審査準備を進めるうえでの前提が変わることから、PRA津波対策の再検討が必要となるなど、プラント審査の準備や今後の工事工程の見通しを得るまでにさらに1年半程度の期間を要すると判断しました。(2025年8月18日プレスリリース)

 

敷地造成の計画範囲(「第1344回 原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」資料より抜粋)

 

 今回の判断を受けて発電所が立地している東通村の畑中村長は「新たに敷地造成を行い、基準津波に対して余裕を持たせることは評価する」との受け止めを示した一方で、「安全対策工事の完了時期を示せない期間が長くなることで、地域住民からの原子力に対する信頼・信用へ与える影響が大きいことを懸念。早期再稼働は誰もが望んでいることであり、会社として総力を挙げて新規制基準対応を進めてほしい」と述べました。

 

東通村長(右)に説明する金澤副社長(左)

 

 

 具体的な工事完了時期が見通せない状況が続きますが、今後とも、新規制基準適合性審査ならびに安全対策工事に全力で対応していきます。また、新規制基準への適合にとどまらず、原子力発電所のさらなる安全レベルの向上に向けた取り組みを着実に進めていくとともに、地域の皆さまからのご理解をいただきながら、できる限り早期の再稼働を目指していきます。

(参考)(東北電力・東北電力ネットワーク限り)ECニュース_東通原子力発電所1号機における安全対策工事の完了時期に係る公表時期の見直しについて

 

 

 

 

 

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