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企業グループ紹介「One Team!!」
■東北エアサービス■安全運航を最優先に、東北・新潟の地域課題に挑む!~次世代エアモビリティで、さらなる貢献を目指す~
ヘリコプター運航の経験とノウハウを生かし、東北全域の発展に貢献したいという思いから、1991年に設立した東北エアサービス。「東北の空から未来を創る!」というスローガンのもと、安全運航を最優先に、電力の安定供給と地域の安全・安心に貢献しています。送電線の巡視・点検業務や建設資機材輸送に留まらず、消防防災ヘリ、ドクターヘリ、観光遊覧など、多様な業務を行う東北エアサービスが、東北の空を舞台に、どのような未来を見据えているのか――。日々の取り組みや今後の展望などについて話を伺いました。
東北・新潟の発展に貢献するため、事業領域を拡大してきた東北エアサービス
東北電力は1953年、他電力に先駆けて英国製のヘリコプターを導入し、送電線の巡視などに活用してきました。1991年3月、そうした経験やノウハウを幅広く活用することで東北・新潟の発展に貢献しようと、ヘリコプター事業を独立させる形で設立されたのが東北エアサービスです。2000年には有償で旅客や貨物を運送できる「航空運送事業」の許可を取得するなど、事業領域を拡大してきました。しかし、東日本大震災では高さ2.4mの津波に襲われ、定期点検中の2機を失いましたが、社員の機転により他の機体は飛行させて空へ避難させたことで難を逃れ、早期に事業を再開して復興支援に尽力しました。
現在、所有する機体は8機。そのほか、東北電力ネットワークなどから3機の運航・整備を受託しています。ヘリコプターにはエンジンが1つの単発機もありますが、東北エアサービスで運航している機体はすべて2つのエンジンを持つ双発機。さらに、自動操縦装置や、操縦に必要な情報を電子ディスプレイに集約し、操作性を高めた統合計器(グラスコックピット)などを装備し、安全性が高い機体を揃えています。
「面積が広く人口密度の低い東北・新潟において、当社の仕事は様々な地域課題の解決に貢献できる可能性を秘めています」と齊藤企画総務部長は話します。
- 齊藤企画総務部長
- 離陸準備
業務の効率化・精度向上に寄与する非接触点検
送電線の巡視や点検業務において、近年増えているのが、ヘリコプターに搭載した機材を使ってデータを取得し、解析する非接触点検です。
「昨年まではレーザー計測の測定距離が2,000km程度でしたが、業務の効率化や精度向上につながる非接触点検へのニーズが高く、今年は既に3,000kmを超えました。ヘリコプターの騒音や風圧の影響を受ける場所では、ドローンも活用しながら点検業務を行っています」と星野営業部長。
最大で72倍ものズームが可能で、電線や設備をはっきり確認できる航空撮影用の4Kビデオカメラ。樹種を判別して成長速度を加味した送電線との離隔距離も測定できるレーザー計測装置。送電線や設備の異常発熱が確認できる赤外線カメラ。非接触点検の精度向上には、搭載機材の進化が欠かせません。
それぞれの業務内容によって違いはありますが、非接触点検時はオペレーターやナビゲーターが同乗します。
オペレーターなどを担う営業部の調査・開発グループの佐々木さんは、「出発前に何度も打ち合わせを重ね、しっかり確認を行います。カメラなどの機材を操作するオペレーター、対象線路に誘導したり、周囲の状況を操縦士に伝えたりするナビゲーター、そして操縦士の3人が息をぴたっと合わせられると、“バッチリ”なんです」と話します。
赤外線やVTR撮影の場合、機体と送電線との距離はわずか30mほど。操縦士はその距離を維持することに集中するため、3人の「阿吽の呼吸」が大切です。
- 星野営業部長
- 佐々木さん(営業部 調査・開発グループ)
- 航空撮影用の4Kビデオカメラ
- 測定装置

離隔距離測定後の解析
搭乗者に寄り添い、安全に送り、届ける
東北エアサービスは、2016年10月から宮城県(仙台医療センター・東北大学病院)、2022年4月から山形県(県立中央病院)のドクターヘリの運航を受託しています。救急現場に医師をヘリコプター搬送することで、治療の開始時間を早め、救命率や後遺症の軽減につなげています。離発着に使用するランデブーポイントは、宮城県内で400カ所、山形県内で300カ所にのぼり、これまで3,000人以上の患者の搬送に携わってきました。
また、両県の防災ヘリコプターの整備と運航も受託しています。山形県では山での遭難が多いため、朝日連峰や鳥海山など高い場所でもホバリングなどの動作に支障がないよう、エンジン出力の大きな機体が使用されています。
ドクターヘリや防災ヘリの操縦士は、1,000時間以上の機長経験が必要であり、運航を担う操縦士の確保などが課題となっています。熟練の操縦士でも、年間300時間の飛行時間を確保することは難しく、非接触点検によって飛行の機会が増えることは、若手操縦士の育成にもつながります。
どちらも緊急性の高い任務ですが、何より大切なのは、医師や看護師、消防隊員を安全に現場へ送り届けること。操縦士は、「人命救助」という言葉に冷静さを欠かないよう意識し、気象などの運航判断を慎重に行っているそうです。患者や要救助者の搬送をする際には、飛行高度による気圧の変化や機内の空調にも気を配り、気流の乱れによる揺れが発生しない空域を飛行するなど、搭乗者に寄り添った飛行を心掛けています。
- ドクターヘリ(宮城県)
- 防災ヘリ(宮城県)
厳しい訓練を越えて、空の安全を支える操縦士の道
「父に航空自衛隊の松島基地航空祭に連れて行ってもらい、『ブルーインパルスに乗りたい』と思ったことが、操縦士を目指したきっかけです」と話す須貝操縦士は、東北電力ネットワークの送電線の巡視や点検業務などに従事しています。
単独機長として初めてフライトした時には緊張したのかと思いきや、「正直『ようやく独り立ちできる!』という気持ちでした」と明かします。その理由を聞いて、思わず納得。東北エアサービスでは東北電力ネットワーク管内のすべての送電線の上を飛ぶ訓練を終えなければ、単独機長にはなれないそうです。送電線の全長は15,000km超。訓練期間は最低でも3年に及びます。
「低い鉄塔だと地上から40mほどの高さを保ちながら、時速70kmで飛行しなければなりません。また、奥羽山脈の影響で、冬は日本海側では雪が多く、太平洋側では空っ風が吹いて、ヘリコプターの運航が制限されます。そうしたなかでも、飛行要領や制限事項などを遵守することで安全性を確保しています」
「事故対応の依頼を受けて飛ぶ時には、気合いが入ります。無事に対応を終えて帰る時には、この仕事をやっていて良かったなと思いますね」と話す須貝操縦士。
その心意気は、東北電力ネットワークの社員とも重なります。
- 須貝操縦士
- 送電線巡視・点検業務
空の実証から事業へ、次世代エアモビリティの新たな一歩
2024年3月、空飛ぶクルマやドローンなどの活用方法や事業性などを幅広く活用する次世代エアモビリティ活用推進室が新設されました。その翌年には、大阪・関西万博の関連イベントとして「震災復興を空から感じるヘリコプター遊覧飛行」を実施。これまでにも旅行代理店とのタイアップなどで遊覧飛行を行うことはありましたが、自社で企画・運営するのは初めての挑戦です。
「これまで一般のお客さまを乗せる機会がほとんどなかったので、操縦士もお客さまから感謝の言葉をいただき、非常に喜んでいました。様々な課題も見つかりましたが、空飛ぶクルマの事業性などを考えるうえで、実証実験としても有意義でした」と山本常務取締役は振り返ります。
現在、空飛ぶクルマは2028年度頃の運航を目指していて、官民が連携しながら新たなルール作りなどに取り組んでいるそうです。
須貝操縦士は、「『今のヘリコプターは“腕で飛ばす”のではなく、“頭で飛ばす”ものだ』と言われています。社内には常に学ぶ風土が醸成されていて、それが安全な飛行につながっているように思います」と話します。須貝操縦士が所属する運航部では、メーカーのシミュレーター訓練や事故事例の振り返りなどを取り入れながら、高い知識と判断力の習得に努めています。
風通しの良い企業風土や事業の幅の広さなどが魅力となり、社員の定着率も高い東北エアサービス。未来を見据えて、東北の空で新たな価値を創造しようとしています。
- 震災復興を空から感じるヘリコプター遊覧飛行
- 山本常務取締役