言葉のチカラ
髙野広充

数年前、自身の会社人生を「私の履歴書」風に振り返り、外部の人に向けて話す機会を得ました。きっかけは、某会社支店長からの依頼で、将来の幹部候補生を対象とする社員研修に際して、業界外の方から「自由なテーマで話してほしい」というものでした。私にとって話しやすい、という極めて単純な理由で、結果して、会社経験の時々の立場・心境から得た気づき等をベースにお話ししたのですが、実はその準備をする過程で、時々で投げかけられた言葉がいかに私を奮い立たせたか、を思い返すきっかけともなりました。
実際、研修では「言葉から受ける心境の変化」を切り口に吐露させていただき、「自身の経験上、その時々の上司等の言葉に強く影響を受けたと感じたこと、その時はよく理解できない言葉であったものの、年齢・経験を重ねて変化したこと(理解できるようになったこと)、現在に至りどれだけ力をもらったかを実感すると、今度は意識して次代に伝えようとしていること」等を強調した次第です。
例えば、若い時のモチベーションが下がり基調のときの「頑張ってるな、見てるよ」。中堅時に、仕事を流していると見透かされたときの「真面目とは本気になること」、「120パーセントの仕事を目指せ」、「正面から逃げるな」。人事異動で望みどおりの異動がかなわなかったときの「焦るな、腐るな、悩むな」、その後、また一緒になったときの「人事はそんな甘いものでない。でも●●(地点)での経験は、よかっただろう」等々。
精神論の“迷言”(?)も混在してますが、実は、その言葉の後に“しっかり見ている(いた)”という気持ちが込められていることを知ると、フォローという気配りの観点も大きな学びです。
今、様々な場面でコミュニケーションの重要性が強調されていますが、どれだけ言葉を投げかけられてますか。皆さん自身の経験上印象に残っている言葉を反芻してみてください。その経験(言葉)を臆せずに次代に伝えてみてください。記憶にとどめる言葉は人それぞれですが、「石に刻む」くらいに記憶に残る言葉はチカラを持つものであること、感じ取っていただければありがたい限りです。
難しく考えずに、まずは臆せずに「おはよう」「お疲れさま」「ありがとう」などから始めてみましょうか。一緒に良い文化を作り上げてまいりましょう。