原子力発電に関する対話のポイント

 中長期ビジョン実現に向けた「よりそうコミュニケーション活動」の一環として、東北電力・東北電力ネットワークが取り組んでいる「nextalk(ネクストーク)」。対話の素材となる両社の事業にはさまざまな話題がありますが、原子力発電は地域からの注目度も高く、お客さまや取引先から問い合わせを受ける機会が多い対話テーマの1つ。今回は東北電力で行われた「原子力リスクコミュニケーション研修」の内容から、対話のポイントをご紹介します。

重要なのは「傾聴」と「共感」、意識すべきは「バイアス」

 東北電力・東北電力ネットワークでは従来から、会社の考えを一方的に説明するのではなく、「お客さまと共に考える」を基本スタンスとした、双方向の対話を志向してきました。

 特に原子力発電に係る対話においては「リスクコミュニケーション」を重視してきました。これは、あるリスクについて関係者(ステークホルダー)間で情報を共有したり、対話を通じて意思の疎通を図ることによって、リスクに関する相互理解を深めたり、信頼関係を構築していく取り組みのことを言います。

 東北電力ではより良いリスクコミュニケーションを行うために、原子力部門の特別管理職や各支店、原子力発電所の地域対応者を対象とした「原子力リスクコミュニケーション研修」を開催しています。

 2025年9月に実施した研修では、原子力工学やリスクコミュニケーションを専門分野とする東北大学名誉教授の北村正晴先生と、東北大学大学院教授の高橋信先生の2人に講師を務めていただきました。

 

講義の様子

 

 北村先生からは以下のアドバイスがありました。

 

(1)傾聴はまず受け止めること。それが対話の出発点

  • 相手がどのような不安や懸念、疑問、ご意見を持っているのかをしっかりと聞き、受け止めることが対話の出発点。
  • 「同感」することと「共感」することは異なる。同感できない事であっても、相手がそのように思っていることに対しては理解を示すことが大切。まずは相手の話をよく聞き、「なるほど。そうお考えになるのですね」と相手の気持ちを受け止め、共感する必要がある。

(2)相手の立ち位置(背景事情)を確認する

  • 自分の言いたいことや聞きたいことをストレートに言葉にしているとは限らない。発言の趣旨・意図を確認して、対話の方向性を探る。例えば「私には厳しいお話ですが、そうお考えに至った背景をお伺いできますか?」と聞いてみるなど。

 

 

 高橋先生からは「対話を進めるうえで重要なことは『全ての人はさまざまな要因によってバイアス※のかかったリスク認知をしている』ということを理解すること。また、相手のみならず自分のリスク認知にもバイアスがかかっていることを正直に認める勇気が必要」というアドバイスがありました。

※意思決定をするときに、先入観や経験則、直感などに頼って非合理的な判断をしてしまう心理傾向のこと

対話ロールプレイの様子。受講者全員が原子力に関する質問や批判に対し、真剣に回答を行った

 

 そのほか、研修では「信頼構築の第一歩は『対話』だが、信頼を構築するには、能力(知識)や人柄に加えて『共通性』や『価値の共有』─ある問題に対して、自分と相手が同じような見立てをし、求める内容が同じと感じられるならその相手を信用する─という要素が必要であること」や、「信頼を築くためには長い時間の積み重ねが必要だが、信頼の崩壊は一瞬であること」「悪い出来事は良い出来事よりもインパクトが強いこと」なども共有されました。

 

担当者からのメッセージ

 

東北電力総務・地域共創部門(地域共創・広報)伊勢田 主査

 

 現在、東北電力・東北電力ネットワークでは、2月27日までをnextalk推進期間として展開しています。お客さまや地域の方との対話の中では、原子力発電に関する質問や、厳しいご意見をいただくこともあると思いますが、まずは相手の話を聞いて、受け止め、共感することから、コミュニケーションを始めてみませんか。 

(東北電力ネットワークの皆さまについては、特定の原子力発電所に関するコミュニケーションをお願いするものではございません。)

 

イイね!
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