■宮古電力センター■東日本大震災から15年「震災遺構から学ぶ津波防災学習会」を開催 ~経験と教訓を伝え、地震津波災害に備える~

 東北電力ネットワーク宮古電力センターは、5月20日、東日本大震災で発生した津波被害から得られた経験と教訓を今に伝え、防災意識の維持・向上を図ることを目的に、「震災遺構から学ぶ津波防災学習会」を実施しました。

東日本大震災の経験と教訓の継承による防災意識の向上

 東北電力ネットワーク宮古電力センターは、閉伊川の河口から50メートルほどの場所に位置し、東日本大震災では、建物1階の天井付近まで浸水するなど、甚大な被害を受けました。

 宮古電力センターのある場所は岩手県が定める津波浸水区域に含まれていることもあり、津波襲来を想定した避難訓練の実施や、東日本大震災を経験した社員の体験を語り継ぐ「非常災害伝承の集い」の開催など、防災意識の維持・向上につながる取り組みを積極的に行っています。今回行った学習会も、その取り組みの一環として実施したものです。

(参考)宮古電力センター「非常災害伝承の集い 東日本大震災を語る」を開催

 学習会の冒頭で、宮古電力センター市川所長は「昨年から3回にわたり津波警報が発令される地震が発生している。幸いにも設備被害、人的被害はなかったが、避難初動において判断や行動に漏れや遅れがなかったか、マニュアルに沿った対応ができたかを振り返ることが重要。東日本大震災の経験と教訓を再確認し、家族や職場の仲間、そして自分自身を守る行動が適切にとれているかを見直す良い機会にしたい」と述べ、学習会開催の意義を強調しました。

 

「ハード面」「ソフト面」両方の対策が防災・減災につながる

 学習会では、昨年7月に開館した宮古市災害資料伝承館の見学と、「学ぶ防災ガイド」として(一社)宮古観光文化交流協会が実施している、防災ガイドの説明を受けながら行う震災遺構の見学を行いました。学習会には宮古電力センターの所員19名に加え、東北送配電サービス宮古営業所からも2名が参加しました。

 宮古市災害資料伝承館では、館長の案内のもと、これまで宮古地域で発生した地震・津波災害について説明を受けました。明治三陸大津波や昭和三陸大津波により壊滅的な被害を受けた歴史や、1978年に完成し「万里の長城」と称された大規模な防潮堤のこと、防災に向けた宮古市のまちづくりなど、災害に向き合いながら復興と対策に取り組んできた歩みを振り返りました。

 東日本大震災の際、宮古市において人的被害が拡大した要因の一つとして、館長は「これまで防潮堤に守られてきたという安心感」を挙げ、防災・減災に向けては、防潮堤や水門といった「ハード面」の整備に加え、災害の記憶を風化させずに伝承し、適切な避難行動や日頃の備えを実践する「ソフト面」の取り組みを継続していくことの重要性を強調しました。

 宮古市におけるライフラインの復旧経過を解説する場面では、館長から「復旧作業に携わった皆さんが流した一滴の汗が、被災した市民の一粒の涙をなくすことにつながった。本当に感謝に堪えない」という言葉もあり、学習会参加者は、ライフラインを担う事業者としての責任の重さを再認識しました。

繰り返される災害と復興と対策に取り組んだ町の様子を詳しく解説いただいた

震災遺構に学ぶ、防災意識と迅速な避難の重要性

 「学ぶ防災ガイド」では、震災伝承施設である田老防潮堤や、震災遺構であるたろう観光ホテルを見学。田老防潮堤では、高さ10メートルの防潮堤に上り、避難場所となった学校と浸水エリアとの位置関係や、津波の力によって破壊されてしまった防潮堤の一部を見ることができました。また、たろう観光ホテルでは、防潮堤を越えて押し寄せた津波により3階部分まで浸水した被害の様子や、震災当時に6階の客室から撮影された映像を視聴しました。映像には、津波が防潮堤を越えて町をのみ込んでいく様子が記録されており、津波のスピードと威力が伝わるものでした。防災ガイドは東日本大震災当時の様子について説明し、さらに「防潮堤により海側の視界は良いとは言えず、津波が見えてからでは間に合わない。地震発生後に津波警報が発令された際には、ためらうことなく速やかに避難行動をとることが、命を守るうえで極めて重要」と強調しました。

防災ガイドから東日本大震災当時の状況を聞く参加者

教訓の継承と防災意識の向上に向けて

 東日本大震災発災当時、東北電力宮古営業所で総務課長だった菊池調査役は、学習会の結びとして「宮古電力センターでは、津波避難行動マニュアルを整備している。津波警報発令時に、マニュアルどおりの行動ができているかを訓練や実践で検証するとともに、所員の入れ替わりや状況の変化に合わせて、常にブラッシュアップしていくことが必要。また、一人ひとりが高い防災意識を持ち続けるためには、過去の災害から得た経験や学びを共有し、風化させないことが重要」と述べました。

 参加者の一人である宮古電力センターお客さまサービス課の照井さんは「東日本大震災当時は6歳で、被害の実態は十分に理解していなかったが、今日の見学や説明を通じて、津波の破壊力とスピード、恐ろしさが良く分かった。今回の学習会を通して、沿岸地域で発生した災害への理解が深まっただけでなく、ライフラインを担う使命感をより一層強く持つことができた。記憶や経験を風化させることなく、いざという時に確実に避難できるよう、防災意識を高く持ち続けていきたい」と学習会を振り返りました。

 宮古電力センターでは今後も、東日本大震災の教訓を確実に伝承し、命を守る行動が実践できるよう、防災意識の向上につながる取り組みを継続していくこととしています。

 

震災遺構として当時を伝える「たろう観光ホテル」

 

 

 

津波により被災した東北電力宮古営業所社屋 (2011年3月12日撮影)
現在は東北電力ネットワーク宮古電力センターとなっている

イイね!
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