
森づくりから考える水力発電
福島県の再生可能エネルギーについて学ぶ「水力発電100年 親子夏の奥会津ツアー」が開催されました。本バスツアーは福島中央テレビが主催し、福島支店が協賛する体験型企画で、今年で2回目を迎えます。参加者は植樹や水力発電所見学を通じて、水力発電を支える森林と地域とのつながりについて学びました。
水力発電はダムや発電設備だけではなく、豊かな森林に育まれた水資源によって支えられています。今回のツアーでは、こうした森林と水力発電の関係を体験的に学んでもらうことを目的に、公募で集まった小学生とその保護者の計30名が奥会津を訪れました。

ツアーで訪れた主な地点
出典:国土地理院『地理院地図』
まず、一行は福島県柳津町の高齢者福祉施設で植樹を行いました。森林管理や流域環境保全活動を担う一般社団法人奥会津FDS*1のスタッフから説明を受けた後、合計7本の桜の苗木を家族ごとに植樹しました。

奥会津FDSのスタッフから植樹の方法を教わる参加者
参加者は苗木を植えながら、森林づくりの意義や、森林が蓄えた水が東北電力の水力発電所9か所に流水を供給する只見川に流れ、奥会津の豊かな水資源が水力発電や地域の暮らしを支えていることを学びました。植樹後には施設関係者から、地域住民に親しまれる散歩道として育てていきたいとの話もありました。

奥会津ビジターセンターも訪れ、奥会津地域に生息する生き物について学んだ
*1奥会津FDS(Forest Design Solution):奥会津の7町村を中心に、森林文化のデジタルアーカイブづくりや森づくり(生物多様性)事業などに取り組む団体
地下の巨大設備で電気が生まれる現場を知る
参加者が次に訪れたのは東北電力第二沼沢発電所です。同所は「巨大な蓄電池」とも呼ばれる揚水式水力発電所です。
電力需要に応じて高低差のある2つのダムや調整池の間で水を往復させ、発電と揚水を切り替えることで、電力の安定供給を支える重要な役割を担っています。

東北電力第二沼沢発電所の仕組み
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東北電力第二沼沢発電所は上池の沼沢湖(火山活動でできたカルデラ湖)、
下池の宮下調整池(只見川)の落差214mを利用して、発電と揚水を行う(画像は沼沢湖)
画像出典:福島県観光物産交流協会
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参加者は揚水式水力発電の仕組みについて学んだ後、地下の発電所構内へ入構しました。配電盤室では遠隔監視の仕組みを、水車室では入口弁*2やガイドベーン*3の役割を見学しながら学びました。

遠隔で発電所を操作するための配電盤室を見学した

発電設備につながる水車軸最大出力46万kWの発電設備につながる水車軸を間近で見学し、驚く参加者
福島県は2040年頃を目途に、県内エネルギー需要の100%に相当するエネルギーを再生可能エネルギーで生み出すことを目標に掲げています。天候によって発電量が変動する再生可能エネルギーの導入拡大が進む中、その電力を効率的に活用するための調整機能を担う揚水式発電を実際に見学することで、参加者は再生可能エネルギー事業への理解を深めました。
*2入口弁:水力発電所などの水圧管と水車の間に設置され、水の流れを入れたり止めたりする開閉式の止水弁
*3ガイドベーン:ランナ(羽根車)へ流れ込む水の量と方向を調整し、効率よく回転させて出力をコントロールする部品
奥会津の歴史と未来をつなぐ学びの場
その後、東北電力第二沼沢発電所からバスで20分ほど移動した先の「東北電力奥会津水力館 みお里 MIORI」で、只見川流域で進められた電源開発の歴史を学びました。

東北電力奥会津水力館 みお里 MIORI

プロジェクションマッピングやシアタールームなど多彩な展示装置を通して、
水力発電の仕組みや電源開発の歴史を発信している
参加者は、奥会津地域の住民の理解と協力のもと水力発電所が建設されてきた経緯を物語る展示を鑑賞し、現在の発電事業が、長年にわたる地域との関わりの上に成り立っていることを知りました。
参加者からは「こんなに大規模な発電所の建設は大変だったろうな。」といった感想が聞かれ、見学を通じて電源開発のスケールの大きさを実感している様子でした。
また、同館では夏休み期間限定のクイズラリーやぬり絵カードを作成できるワークショップが開催されており、子どもたちは楽しみながら水力発電や奥会津の歴史について学んでいました。
ツアーでは、奥会津の観光資源の一つであるJR只見線のビューポイントも訪れ、奥会津の地域の魅力に触れました。
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来館記念に、ワークショップの
塗り絵カードを完成させる参加者
- 身を乗り出して、大きく手を振って只見線の列車を歓迎
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昼食は卵焼きがのった柳津名物のソースカツ丼を堪能し、
夏の思い出となった
参加者からは「水力発電の仕組みだけでなく、自然や地域とのつながりも理解できた」「植えた木の成長を見に、奥会津にまた来たい」といった感想が寄せられました。
今回のツアーは、地域における森林、水、発電という一連のつながりを体感的に学ぶ機会となりました。福島支店では今後も、地域の魅力と再生可能エネルギー事業への理解を深める活動を継続していくこととしています。
▼「東北電力奥会津水力館 みお里 MIORI」についてはこちら
東北電力奥会津水力館「みお里 MIORI」【公式サイト】 (okuaizu-suiryokukan.jp)
■昨年ツアーの様子はこちら(2025年8月28日掲載)
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■第二沼沢発電所の詳しい解説はこちら(12年に1度の細密点検の様子)2022年12月27日掲載




