最小電線用鉄塔の採用による工事費(負担金)の低減等について

盛岡電力センター送電課

取り組み概要

 近年、再生可能エネルギーの系統連系事案の増加により、アクセス送電線の新設工事が多数計画されています。盛岡電力センター管内においては66kV系統に連系される案件が多く、その発電容量も20MW程度であることから、アクセス送電線は1回線で最小電線サイズとなるケースがほとんどを占めています。
 当該設備の建設にあたってはこれまで、複数の電線サイズや着氷雪の諸条件を包含して設計された当社標準鉄塔を採用していましたが、単一の条件で設計した場合と比較すると裕度の大きいものとなっていました。
 また、鉄塔基礎は標準的な径間長(鉄塔間の距離)や水平角度(鉄塔が支持する前後の電線がなす水平面の角度)などの条件で設計されたものを適用していましたが、実条件に対してはやはり裕度が大きくなるケースがありました。
 このように標準的な設計が結果して設備のオーバースペックにつながる点を、盛岡電力センター送電課では課題として捉え、改善策についての検討を重ねてきました。その結果、設計業務の効率性を維持しつつより合理的な設備形成につながる方策を立案し、2020年度以降に着工する4線路に適用することとしました。
 
 具体的な内容としては、アクセス送電線新設工事への標準化展開を視野に入れながら66kV1回線最小電線用鉄塔を新たに設計し、鉄塔重量および建設工事費の低減を図りました。合わせて鉄塔基礎に関しては、実測した実条件をエクセルシートに入力して電線張力等を算出し、これをRPAで鉄塔設計システムと連係させて設計した基礎(実荷重基礎)を採用することで、設計を省力化しつつ一層のコスト低減を図りました。

「よりそう」ポイント

 アクセス送電線等で多用する最小電線用鉄塔の新規設計と実荷重基礎の採用は、建設工事費低減と工期短縮に資するものであり、再エネ発電事業者殿の工事費負担金の低減や、特高お客さま供給線工事を含めた早期の系統連系・受電希望にお応えする取り組みであると考えています。
 加えて、最小電線用鉄塔の標準化およびRPA活用による実荷重基礎の採用は、データ入力の削減やエラー防止など社員の設備設計業務の効率化にも寄与しています。

成果・課題

 盛岡電力センターで建設が計画されている4線路93基(2線路46基は今年度着工済み、2線路47基は来年度着工予定)への採用効果は以下のとおりであり、今後の同種工事にも採用していくこととしています。
【最小電線用鉄塔採用に伴う鉄塔重量低減による効果】
 ・鉄塔重量 △0.6t/基(約10%減)
 ・資材費 △168千円/基、工事費 △84千円/基 <93基計 △23百万円>
【実荷重基礎採用による効果】
 ・基礎応力 △70kN程度/脚
 ・工事費 △1,057千円/基 <93基計 △98百万円>
 ・設計効率化:電線張力等算出、鉄塔設計システム入力時間短縮 △50分/基 <93基計 △78時間>

 本取り組みについては2020年度社長表彰(第1回)において良賞を頂戴することができました。受賞を励みとして、盛岡電力センター送電課は今後とも合理的な送電設備の形成・維持に努めていきます。

イイね!
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