
カラスに「カァ~つ」ために!
仙南地区(仙台南、岩沼、白石電力センター)では、毎年3~7月の期間、宮城支社管内の約4割となる約1,200個のカラスの巣を撤去していますが、抜本的な対策はなく、いたちごっこが続いている状況です。
来たるカラスの繁殖シーズン、電柱上での巣作りとの格闘が始まります。巣の素材となる針金ハンガーなどが電線に接触し、時に大規模な停電が発生するからです。
こうした中、仙台南電力センターの呼びかけにより、今回、カラス対策に関するカイゼン、自治体と連携した広域的な対応なども視野に、「仙南地区カラス研究会」を立ち上げることとし、この度初めての研究会を開催しました。当日は仙南地区の3電力センター(仙台南、岩沼、白石)を中心に、県内から約40名が参加しました。

カラス専門家による講演「カラスの生態と対策」
約20年間カラスの研究を行ってきた「株式会社CrowLab(クロウラボ)」代表取締役 宇都宮大学 特任助教 塚原 直樹 氏を講師に迎え、カラスの生理・生態などの科学的根拠に基づいた被害対策の方法、最新のカラス研究等について紹介いただきました。
冒頭、塚原氏から「司会者の“くちばし”は黄色になっているが、日本に黄色いくちばしのカラスはいない」とのご指摘を受けるなど、和やかな雰囲気の中でのスタートとなりました。人口減少、広域連携に関し「耕作放棄地の稲もみや果物を餌にしてカラスが増える」との社会問題として解説いただきました。
- Teamsによるリモート開催
- カラスの生態(講演資料抜粋)
電力センターにおける「カラス対策と課題」
仙台南電力センター配電技術サービス課で鳥害対策担当をしている佐藤里穂さんより「カラス対策と課題」を説明しました。佐藤さんは、繁殖シーズン前に例年の傾向を参考にしながら、パトロール期間、区域、頻度を計画し、カラスの巣が多い市街地のパトロール強化に力点を置いているそうです。カラスは通常年1回しか巣を作りませんが、撤去されれば何回でも巣をつくるため、「カラスは本当に厄介者です」と頭を抱えているとのことです。
- カラスの巣 撤去作業
- 鳥害対策用品
その他、岩沼電力センターからは「塚原氏が考える最も効果的なカラス対策は?」といった質問がありました。塚原氏は「キラキラして不規則な動きをする鏡などは比較的効果がある。カラスは鏡に映った自分を認識できず、別のカラスと勘違いし追い払おうとするため。また、既存のものを長く使用するより、工夫を凝らし色々試して効果を確認するのが良いと思う」とアドバイスをしました。
また、白石電力センターからは「カラスではないのだが、コウノトリが電柱の上に大きな巣を作った。感電しないよう巣を迂回するように電線を張る工事を行ったのだが、コウノトリの繁殖に影響はあるだろうか?」との質問がありました。塚原氏は「一般的に野生動物は人に対してかなり用心する。直下で作業を行うと繁殖をやめてしまう可能性があるため、できるだけ刺激を与えないように工事するしかない」と答えました。
今後に向けて(カラスとの共存?)
塚原氏によると、カラス対策は、カラスが慣れることを前提とした上で、カラスとヒトが共存できる社会の実現が大切だそうです。仙南地区各電力センターにおいては、今年はカラスの巣をただ撤去するだけでなく、カラスの生態を知ることから始め、カラスの気持ちになり観察を行いながら、自治体と連携した広域的な対応など、より良い対策を模索していきます。
仙台南電力センターの目の前にある電柱に、毎年、カラスが巣を作りますが、早速、例年とは違う対策品を取り付けてみました。

参考:カラスの威嚇行動から身を守る
