コミュニケーション&トピックス⑦
原子力に反対・慎重な意見の方々と対話する際のポイントは?

「コミュニケーション&トピックス」 今回は、原子力に反対・慎重な意見の方々と対話する際のポイントなどについて考えてみたいと思います。

私が最近読んだ本 その①

 お疲れさまです。エネコミUの小高です。4か月ぶりにデジブリに戻ってきました。

 

 久々の今回は「私が最近読んだ本 その①」をご紹介します。
 コミュニケーターを対象とした研修の講師である東北大学工学部の高橋信教授が、研修の中で紹介された本です。どちらも有名な本なので、読んだことがある方も多いかもしれません。

1.FACTFULNESS

 テーマは「データを基に世界を正しく見る」。
 本書で出題されるクイズからひとつご紹介します。どれが正解だと思いますか?(答えは下記「まとめ」の最後)

 

 Q.世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
 1.約2倍になった  2.あまり変わっていない  3.半分になった

2.ファスト&スロー

 人の意思決定プロセスについて、わかりやすく教えてくれます。
 さて、以下の選択肢が与えられた場合、皆さんだったらどれを選択しますか?
 【ケース1】3,000円を確実にもらう or 4,500円を80%の確率でもらう
 【ケース2】3,000円を確実に失う or 4,500円を80%の確率で失う

 

 講義では、上記書籍の事例を通して、曖昧な事象や思い込みに基づく意思決定の危うさを教えていただきました。
 皆さんもご興味がありましたらぜひ読んでみてください!

原子力に慎重な意見を持つ方々との対話では「敬意を持った対応」を

 原子力に慎重な意見を持つ方々は、当社とは相容れない価値観を持っているかもしれませんし、時にはご自身の考えを強く主張するあまりに、大声で怒鳴ったりすることもあるかもしれません。対話する皆さんも、いつも以上に緊張を強いられるかもしれません。

 

 人の価値観はこれまでの人生経験から築かれたものであり、それを否定してしまうと、相手はより攻撃的な態度になる可能性もあります。対話においては「話の展開が平行線をたどってもやむを得ない」と考え、敬意を持って対応し、相手を論破、納得させようと思わずに、当社の考えを淡々と説明することが大切です。

 

 皆さんも自分と似た価値観を持っている人に対しては、親近感や信頼感を感じるのではないでしょうか。原子力に対し不信感を持っている方であっても、「広い意味での価値観は大きく違わない」ことが伝わると、意見の相違はあっても、意義のある対話が成立するかもしれません。

 

 そして、もし対応が辛くとも、やりとりを聞いている周囲の方々を意識し対応することで、本人とは分かり合えなくても、周囲の方々が皆さんの真摯な姿から誠実さなどを感じたとすれば、その対話は無駄ではないと言えるのではないでしょうか。

 

まとめ

 今回まで7回にわたって、「エネルギーに関する対話のポイント」を皆さんと一緒に考えてきました。皆さんはどのような感想をお持ちでしょうか。

 

 記事の中では対話のテクニックと言えるものもいくつかご紹介しました。それ自体は私たちが対話に臨む際に役立ちますし、重要なものかもしれません。

 

 しかし、実際の対話の場面で問われるのは、テクニックではなく“誠実な”自分です。相手に“寄り添う”気持ちが、傾聴や共感につながり、また、自分の言葉で、信念を持って話すからこそ相手に伝わります。

 

 地域の方々に原子力の必要性を受け入れていただきたいと思っている以上、私たちには「地域の方々の声を真摯に受け止める責任」と、「当社の考えを信念を持って語る責任」があります。

 

 真摯な対話が、相手との距離を縮め、信頼につながると信じ、これからも地域の方々との対話に取り組んでいただければ幸いです。
 
 
 
 

【クイズの答え】3. 半分になった
皆さんは正解できましたか?「思っていたのと違った」という方も多いのでは?ちなみに、日本の正解率は10%だそうです。本書ではこのようなクイズが10問出されます。

 

トピックス
新たな再生可能エネルギー買い取り制度(FIP制度)スタート

 2022年4月、新たな再生可能エネルギー買い取り制度である「FIP(フィードインプレミアム)制度」がスタートしました。

 

 2012年に導入されたFIT制度(再エネ固定価格買取制度)は、発電電力が定額で買い取られ、買い取りにかかった費用は「賦課金」としてすべての消費者が負担するため、再エネの導入拡大に伴う国民負担の増加が課題となっていました。

 

 FIP制度は、発電事業者が電気を卸市場で販売し、売れた電力量に対して一定の「プレミアム(供給促進交付金)」が得られる仕組みです。これにより消費者の負担軽減を図るとともに、発電事業者には、市場価格を意識しながら発電し、蓄電池の活用などにより市場価格が高いときに売電する工夫をすることで、より収益を拡大できるというメリットがあります。

 

 また、再生可能エネルギー発電事業者は、発電する再エネ電気の見込みである「計画値」をつくり、実際の「実績値」と一致させることが求められます。

 

 FIP制度により、再エネ導入による国民負担を抑えつつ再エネの導入拡大を図ること、そして再エネ発電事業者が自ら市場取引や電力の需給バランスを意識した発電を行うことで、再エネが自立した電源となることが期待されます。

「FIP」と「FIT」の違い

「FIT」と「FIP」の区分

(参考)資源エネルギー庁ウェブサイト「FIP制度について(パンフレット)」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/kaitori/2022_fip_gaiyou.pdf

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