
コロナ禍で3年ぶりの開催
講師には、ポスト石油戦略研究所代表で経産省「クリーンエネルギー戦略」※委員の大場紀章(おおば のりあき)氏をお招きし、「ポスト石油時代の日本のエネルギー政策」をテーマにご講演いただきました。

京都大学理学研究科博士課程中退。トヨタ系シンクタンクにてエネルギー調査に従事し、2015年独立。2021年に起業し、ポスト石油戦略研究所代表に就任。経済産業省「クリーンエネルギー戦略」委員、PHP総研客員研究員、(株)JDSCフェローを務める。
※「クリーンエネルギー戦略」
2021年12月、岸田首相は所信表明演説において基本方針に掲げる「新しい資本主義の実現」のもと、地球温暖化対策を経済成長につなげる「クリーンエネルギー戦略(CES)」の策定について言及。2022年5月に公表した中間とりまとめにおいて、脱炭素に必要な投資額を今後10年で150億円(官民計)と推計し、民間の長期巨額投資の呼び水とするべく政府が先行して20兆円を支出するための「GX(グリーントランスフォーメーション)移行債(仮称)を創設することや、今後10年のロードマップを策定することとした。
世界が抱える3つのエネルギー課題=「脱ロシア」「脱炭素」「電力不足」
講演では、ロシアのウクライナ侵攻によって変化した世界のエネルギー情勢について、「脱ロシア」「脱炭素」「電力不足」の3つの切り口で分析するとともに、資源小国の日本にとって、脱炭素は「安全保障」「市場対応」「産業競争力」の問題であることなど、幅広く解説していただきました。
また、地球温暖化対策を経済成長につなげる「クリーンエネルギー戦略」委員としての立場から、「日本経済の競争力、安全の為にも脱炭素は必要である」「GX実行会議において原子力政策が大きく動こうとしており、岸田政権の強い意志を感じる」「GX経済移行債の使途に関して色々議論があるが、水素・アンモニア関連がメインの一つになる可能性が高いとみている」と述べられました。

会場からは、国際的な水素の動向や、脱炭素のコスト負担の問題などに関する質問が出され、参加者は環境・エネルギー問題に関する最新の国際動向について知見を深めました。