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オープンイノベーションの概要・昨年度の結果
東北電力グループ創立70周年を機に、スマート社会の実現に向けたオープンイノベーションプログラム「TOHOKU EPCO BUSINESS BUILD」を昨年度から開始しています。
地域が抱える社会課題に関連するテーマについて、社外より幅広く事業アイデアを募集。パートナーとの連携・共創を通じて、新規ビジネスや新サービスの創出を図ることを目指しています。
昨年度は「①20~30代向けの暮らし便利サービス」「②行動変容による予防医療・健康促進」「③持続可能な農業」の3つのテーマに対して、92件の応募があり、検討を進めた結果、以下の3件が事業化まで至りました※。
1.「東北電力フロンティアのスマートDAYWORK!」
協業先:株式会社ワンデイワーク(三越伊勢丹HD子会社)
サービス内容:単日・短時間雇用マッチングサービス。「人手が欲しい企業(雇用主)」と「単日で働きたい方(働き手)」を
WEB上でマッチング
解決する課題:「新たな働き方」の提供を通して人手不足を解決する


2.「くらしのシンプル保険(①賃貸タイプ)(②自転車プラン)」
協業先:損保ジャパン株式会社、Mysurance株式会社(SOMPOグループ)
サービス内容:オンラインで申込みが完結するサブスクリプション型保険商品
①家電や家具などの破損・汚損を補償
②自転車事故をはじめとした日常生活の賠償リスクを家族全員分補償
解決する課題:日常生活や住まいの「もしも」によりそい、安心な生活を提供する
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3.「マイカーリースサービス『東北電力フロンティアで乗ーる』」
協業先:株式会社DeNA SOMPO Carlife
サービス内容:車のサブスクリプション型定額サービス。⾞両に加えて、⾃動⾞税などもコミコミのシンプルな料⾦設定としている
解決する課題:車の「所有」から「サービス利用」にニーズが変化している状況を踏まえ、費用負担を平準化し、気軽にカーライフ
を楽しむ生活を提供する

※共同事業化に向けて顧客開拓を行っていた「ウィメンズ漢方」は、計画通りに進捗しなかったため、事業化が見送られました。
今年度の状況
今年度のテーマは「①快適で安心な暮らしに役立つ生活サービスの提供」「②企業向け環境負荷軽減につながるサービスの提供」「③再エネ発電の拡大を支援するプラットフォーム事業の実現」。昨年度を上回る129件の応募があり、現在、書類選考・面談を終えた3件がインキュベーション※に進み、実証試験に向けて当社グループと共同でアイデアの具体化・事業化に取り組んでいます。
※インキュベーション:新事業の具体化に向けた活動
3社とは、8月から現在まで、週1回程度の打ち合わせを実施
担当者インタビュー①/スマート社会実現ユニット 金澤昌樹サブマネージャー
問.オープンイノベーションを始めた経緯、成果などはどうでしょうか。
答.スマート社会実現という大きな課題に立ち向かうためには、これまでの我々の常識では想像できない考えや発想のもと、新しい価値を創造していかなければなりません。よって、様々なスタートアップ企業※との協業を目指し、オープンイノベーションをスタートしました。テーマを選定したうえで広く公募することから、当社側の「やりたい」テーマに合致した事業を行う様々な企業と出会えるのがメリットです。
なお、オープンイノベーション以外にも、当社グループが投資するベンチャーキャピタルファンド(VC)※からの照会や、積極的な営業により、企業と日々接触しています。
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スタートアップ企業と打ち合わせを実施していくと、「このようなアイデア・切り口があったか」とはっとさせられたり、検討スピードがとても速かったりと、勉強になる部分が多いです。当社の業務の延長線上では得られない無形の「考え方やノウハウなど」を得られることが大きな成果であると感じています。
オープンイノベーション自体の評価ですが、(第一章のとおり)昨年度事業化した3件は、契約件数も目標通り伸びています。
今年度は、売り上げを確実に獲得できるサービス、今後拡大が期待できる新市場でのサービス、事業化できれば先行者利益が大きく見込めるサービスに関する検討を進めています。詳細については、今後のデジタルBRIDGEなどでお知らせしていきます。
※スタートアップ企業:今までの常識を壊して新たな価値観を生み出し、過去に事例のない新規ビジネスを展開する「破壊的イノベーション」を行う新興企業
VC:投資家から集めた資金をもとに、スタートアップ企業を探索のうえ投資するファンド。当社は、2つ(「グローバル・ブレイン7号ファンド」「THVP-2号投資事業有限責任組合(東北大学ベンチャーパートナーズ)」)に投資している
今年度のオープンイノベーション協業先へ訪問し、打ち合わせしている様子
問.順調なことばかりではないと思います。苦労した点はありますか。
答.協業先は、迅速な事業拡大や利益創出を目指しており、事業に対する考え方や進め方、スピード感など「当社との違いの多さ」に、戸惑いを感じることがあります。これは当然のことと捉え、両者のベクトルを合わせていくのですが、各社それぞれカラーが違うため、その調整が難しいところです。
また、事業の実証試験段階での課題として、新しい領域への進出時に必ず発生する「当社が参入することへの関係者からの理解獲得」が挙げられます。新規事業は参入障壁を乗り越えてサービスを展開していくため、既に競争環境が出来上がっている領域のステークホルダーに、当社が進出する意味等を理解し、納得していただかなければなりません。つまり、「なぜ東北電力が進出するのか」「これまで付き合いがある業者以上のメリットは何か」「進出した場合、地域の既存事業者にどのような影響があるのか」等です。提供する価値や存在の圧倒的な差別化が必要ですし、地域との共生を掲げる当社にとって地域からの理解や後押しは不可欠です。
問.オープンイノベーション以外の担当業務の状況についても教えてください。
答.主な担当業務は ①デジタル人材育成のための計画策定・教育実施、②スタートアップ企業の窓口、③エネルギービジネス、です。
①デジタル人材育成のための計画策定・教育実施については、東北電力グループとして,データやデジタル技術の活用によるDI(デジタルイノベーション)に加えて、業務や組織、プロセス等を変革させられるDX(デジタルトランスフォーメーション)人材が必要となります。
全社横断的な当部門の所掌は「DX推進人材」の育成となります。事業創出部門が具体的に教育体系から教育素材まで整備しました。これまでに無い教育だったので、目標年度までに必要数の人材がどうやったら生み出せるのか、情報通信部や人財部などと連携して数カ月かけて策定し、今年度からスタートしました。
この教育の対象部門は限られていますが、皆さん一人ひとりが「デジタル化の重要性・必要性」を認識し、業務に取り入れていっていただけると嬉しいです※。
※編集補足:デジタル人材の第一歩として、人財部では「ITパスポート」の取得を推進しています。東北電力・東北電力ネットワークの皆さんは、H.A.N.D.Sお知らせや人財部ポータルサイトをご覧ください。
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②スタートアップ企業の窓口については、私がスタートアップの要件を聞き、当社に生かせる要素があるか・ある場合はどの部門かを判断して振り分けています。さまざまな企業からご提案いただきますが、まず受け止め、フラットな視点で目利きし、実現可能性はどうか・会社全体にとってプラスになるかどうかを軸に判断しています。私が各部門に横串を指す・橋渡しをするイメージです。
③エネルギービジネスについては、具体化に向けて既に着手している案件をご紹介します。「デジタルツイン」という言葉をご存じでしょうか?現実世界から収集した物体や環境などの様々なデータを、仮想空間上で現実と全く同じ環境を再現するテクノロジーのことです(現実と仮想空間は「双子」のようなものなのでデジタルツインと言います)。これにより、仮想空間上で限りなく現実に近い分析やシミュレーションが可能となり、フィードバックして現実側での業務などを改善するうえでの有効な手段となります。
各部門にデジタルツインの用途はないか確認したところ、「採寸や搬入ルートの干渉検討に使用したい」「点検用ドローンやロボットの運行計画設定に使用したい」と一定のニーズがあったことから、現在、発電所や変電所、鉄塔などを撮影して3Dモデル化する取り組みを進めています。

「デジタルツイン」のイメージ
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三居沢発電所の撮影の様子
デジタルツインを扱う企業との打ち合わせ
問.最後に閲覧者へ一言お願いいたします。
答.会社横断の会議体「スマート社会実現事業推進委員会」に社内のデジタル化状況を報告する中で、DXの意識が社内に浸透し、取り組み件数が増えてきているなど、稼ぐためのスマート社会実現の「芽」が確実に出てきています。
私たちは、事業を生み出すだけでなく、皆さんの取り組みを下支えする・サポートする役割も担っています。ご相談ごとがあれば気軽にご連絡ください。また、引き続き当部門へのご協力をよろしくお願いいたします。
担当者インタビュー②/スマート社会実現ユニット 小島彩担当
問.担当業務について教えてください。
答.ニュービジネスチーム(N-Biz)に配属となり、電気やエネルギー領域に捉われない新規ビジネスの開発に取り組んでいます。主にドローンや農業領域に関する社会課題やニーズの掘り起こし、サービス内容や事業性、協業先の検討・交渉など、一連の業務を行っています。
N-Bizは部長以下11名のチームで活動しています。メンバーの主な職務経歴は企画、営業、総務、情報通信などバラバラで、中途採用者(メーカー・ITなど)や出向者の方も多数在籍。この多様なバックグラウンドこそ、新規事業を進める体制としての強みであると考えています。
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私は今年7月の定期異動で事業創出部門に来たばかりで、新規事業に関する経験や知見があったわけではありません。新規事業に関する教育体制もしっかりしていますが、それ以外でも能動的にビジネスやDXに関する勉強をしたり、世の中の動きにアンテナを高く張り、社会課題をジブンゴトとして捉え、当社として何ができるかを常に考えています。
問.7月に着任されて、職場環境や業務には慣れましたか。
答.事業創出部門全体でフリーアドレスを導入しており、最初はどこに座ったら良いのかがよく分からず、 毎朝ちょっと戸惑っていました。今は、その日の業務内容だったり、朝の気分で、座る席を決めています。フリーアドレスにより、違うチームの方ともお話する機会が多くあり、何気ない会話の中から自分の担当業務に生かせることもあります。
また部門内では、役職問わず部門長含め「さん付け」で統一していることも、自由闊達にディスカッションできる一助となっていると感じています。
問.最後に閲覧者へ一言お願いいたします。
答.事業創出部門はこれからの東北地方のスマート社会実現を牽引していく、非常に前向きな職場かつ業務です。会社として新規事業を進めていくためには事業創出部門のみならず、他部署の方との連携が必要不可欠だと思いますので、引き続き当部門へのご支援をよろしくお願いいたします!
また、現在、私が担当しているドローンや農業領域の具体的ビジネスについて、現時点ではご紹介できませんが、リリースできる段階になりましたらお知らせしたいと考えていますので、ご期待ください!
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【編集後記】
・金澤サブマネージャーは、配電部門出身。10年前に現行の配電自動化システムを導入したときの担当であり、その時の経験が現在生きているとのこと。「ただし、日々勉強する必要があり、大変ですが楽しくもあります」。
・趣味は旅行。最近だと家族でディズニーシーに行き心身ともにリフレッシュされたそうです。
・小島さんの前職場は東京支社。そこで得た他電力会社やコンサル会社などとのつながりは職場が変わっても絶やさないようにしているとのこと。「他社の状況や悩みなどを、担当者同士で気軽に相談したりしています(もちろん、お互い可能な範囲かつ無料で)。東京支社での経験は本当にかけがえのない財産となりました」。持前の社交性を発揮した小島さんならではの強みですね。
・趣味はゴルフと旅行。海外旅行をしながら、旅先でゴルフをしてみたいそうです。


