
全体概要
近年東北6県および新潟県においては、再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)発電設備の導入が急速に進んでおり、火力発電設備の出力抑制や連系線の活用などの対策により需給バランスを調整してもなお電気の供給量が需要を上回るおそれがある場合には、再エネの出力制御を行っています。
再エネ出力制御の必要性については、こちらの解説記事(リンク)をご覧ください。
2023年春季においては、3月11日から6月17日までに計15回の再エネ出力制御を実施しました。
昨シーズンは、2022年4月10日に当社として初となる出力制御を実施しましたが、今シーズンは連系設備量の増加(年間約100万kW増)に伴う太陽光・風力の出力増、3月上旬の高気温による需要の減少、さらに融雪が進んだことによる水力の出力増により、昨シーズンよりも早い3月からの制御実施となりました。

【昨シーズンとの比較】

出力制御対象グループ
6月末時点での出力制御対象発電所総数約2.3万箇所に対して、オフライン発電所※1は4~5回、オンライン発電所※2は1~2回の出力制御を実施しました。
東北電力ネットワークの場合、出力制御にあたっては「出力制御の公平性の確保に係る指針」(資源エネルギー庁)にもとづき、発電種別(太陽光・風力)および出力制御ルール毎に設備容量約10万kW単位のグループ分けを行い、輪番で出力制御を実施しています。
なお、出力制御を実施した各日のグループ数および内訳は、以下の表のとおりとなっています。
※1「オフライン発電所」・・・事業者が現地で手動制御(前日指示)
※2「オンライン発電所」・・・当社が遠隔で自動制御(当日指示)

(参考)オンライン代理制御(経済的出力制御)
再エネ出力制御量の低減を目的に導入している制度で、オフライン事業者(手動制御)が本来行うべき出力制御をオンライン事業者(遠隔制御)が代わりに実施するもの。
詳細はこちら(資源エネルギー庁HP)をご覧ください。
今後の「再生可能エネルギー出力制御」見通し
2023年8月3日に開催された「総合資源エネルギー調査会 新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(以下、系統WG)」において、2023年度の再エネ出力制御の最新見通しを公表しました。

昨年の系統WG(2022年11月30日開催)で公表した2023年度見通しにおいては、出力制御率を「0.56%」と見込んでいましたが、今春の実績などを踏まえて算定したところ、「0.93%」に増加する結果となりました。これは、他エリアへの送電分が減少したことが主な要因です。
東北エリアは北海道および東京エリアと連系線で接続され、主に東京エリアへ送電を行っていますが、東京エリアでも再エネ連系量が増加しており、東京エリアの再エネ発電量が増加する分、東北エリアから東京エリアへの送電量が減少しています。
今春(4月~6月)の送電量が連系線で送電できる量の約60%程度に減少(当初は100%で想定)していた実績もあり、それらを踏まえ試算した結果、年間の出力制御率が増加しました。
(注)「出力制御率(%)」は、「制御電力量(kWh)」を「出力制御しなかった場合の年間総発電電力量(kWh)」で割った値を示しています。試算で使用している前提条件(気象状況や需要など)は2021年度の実績をベースとしており、必ずしも公表したとおりの結果とはならず、あくまでも目安値となります。
なお、今回の系統WGにおいて、他エリアの出力制御率も以下のとおり公表されています。

【参考】当社の再エネ(太陽光・風力)系統連系量推移
東北6県および新潟県における太陽光の接続量(系統連系量)は、東日本大震災以降、急速に拡大し、2023年3月末現在で814万kWとなっています。
風力の接続量(系統連系量)も着実に増加しており、2023年3月末現在の接続量は216万kWとなりました。

県別の連系状況は、太陽光は太平洋側(岩手、宮城、福島)に多く連系され、風力は北部(青森、秋田)に多く連系されております。

※端数処理の関係で、各計の合計が合わない場合がございます。
【参考】「再生可能エネルギー出力制御見通し」に関するメールサービス
当社ホームページにおいて、日々の需給見通しなどをお知らせする「東北6県・新潟エリアでんき予報」に「再生可能エネルギー出力制御見通し」を掲載しており、毎夕方に「翌日」・「翌々日」・「3日後」の出力制御実施の可能性について公表しています。情報が更新された場合にメールでお知らせするサービスも行っていますので、メール配信を希望される場合は、こちらのフォームから登録をお願いします。
