
変電部門と配電部門の連携の必要性
水沢電力センター変電課は、岩手県南部を管轄し、県内にある91カ所の変電所、変電設備のうち、 41カ所を保守管理、運用しています。変電所は広範なエリアに点在し、事業所がある金ケ崎町から最も遠い釜石市内の変電所まではおよそ90kmの道のりがあり、車での移動時間は約1時間30分、冬期間は到着までさらに時間がかかります。
無人の変電所は、現地に設置したカメラの画像を遠方からリアルタイムで確認することができるITV装置により、電力センター変電課と制御所からの監視が可能ですが、事故や異常を感知した場合は、現地に出向いての対応が必要になります。遠隔地の変電所は変電課のある電力センターからは、到着までに時間がかかることから、特に緊急を要する場合は近隣の電力センター(配電部門)に出動要請を行い、配電課員が現地の確認や必要に応じて初期対応をします。
訓練を企画した水沢電力センター変電課の小原稔副長は「今回は、昨年度実施した訓練の反省点を踏まえて、マニュアルや手順などを改善した内容となっている。遠隔地の変電所で異常があった場合は対応に時間がかかることから、電力センター配電課員による初動が必要になる。部門や事業所を越えた連携が重要」と強調しました。

電力センター変電課は広いエリアを管轄
ITV装置による監視
火災を想定した初動対応の手順を確認
昨年度に続き2回目の実施となった今回の訓練は、水沢電力センター変電課と釜石電力センター、遠野電力センター、大船渡電力センターの配電課が参加し、変電所で火災報知器が発報したことを想定して行われました。
岩手制御所から大橋変電所(釜石市)で火災発生の警報を受信したとの連絡を受けた水沢電力センター変電課は、課員が分担してITV画像の確認や現地出動の準備と同時に変電所最寄りの釜石電力センター配電課に出動要請を行いました。要請を受けた釜石電力センターは配電課員2名があらかじめ配備されている変電所の入構に必要なカギなどを持ち、車で10分ほどのところにある大橋変電所に向かいました。
変電所に到着後、スマートフォンでTeamsを接続し、水沢電力センターと釜石電力センターとの間で映像と音声を共有しながら、門扉を開錠し変電所構内へ進みました。
現地の配電課員は機器外観の状況を水沢電力センター変電課に伝えるとともに、変電課員からはTeamsを使い遠隔指示により構内や建屋内のチェックすべき場所へ順に誘導し、火災報知機の動作状況や建物内に火気がなかったことを確認しました。
今回は、釜石電力センターでは変電所3カ所、遠野電力センターと大船渡電力センターではそれぞれ1カ所ずつ同様の想定で訓練を行い、手順などを確認しました。
水沢電力センター変電課とビデオ通話を接続し、変電所周辺の状況を報告
変電所に入構し配電盤室を確認する釜石電力センターの配電課員
連携を深めて有事に備える
訓練に参加した電力センター配電課員からは、「これまで変電所に入る機会が無かったので、変電課員の現地サポートを受けながら入構手順や進行ルートを確認できて有意義だった」、「必要なカギやパスコードが複数あるため、マニュアルに反映させる必要がある」、「Teamsの接続に手間取ったことから、スムーズにできるよう習熟する機会が必要」など、気づきや感想がありました。
訓練を統括した水沢電力センターの田上宣幸変電課長は「火災や異常を感知した場合、ITV装置の画像だけでは判断が難しく、現地の状況確認や対応が必要になってくる。変電所のカギを保管している電力センターの配電課員が入構手順のほか、建屋や機器のチェックポイントを実際に体験することは非常に重要であり、今回の訓練は大きな成果があった。引き続き部門間の連携を密にして安定供給に努めていく」と述べました。
水沢電力センターでは、部門や事業所を越えた連携を強化するため、関係する電力センターとともに来年度以降も訓練を継続していくこととしています。
遠野変電所に出動する遠野電力センターの配電課員
大船渡変電所に出動する大船渡電力センターの配電課員