2025年を振り返って
石山 一弘

デジタル社長室の第3回の発信は「2025年を振り返って」です。
今年も残り僅かとなりました。4月に社長に就任して以降、「実行力とスピードを重視した経営」を掲げて全力で取り組んできました。改めて振り返ると、あっという間に過ぎたというのが実感です。会社全体として、今年を総括すれば、良い面も悪い面もありましたし、今後の経営課題とともに、電力需要の増加に対応した将来の成長期待も見えてきた1年と考えています。
まず、良い面として、当面の経営課題である「財務基盤の早期回復」については、連結自己資本比率が今期の中間決算時点で19.6%まで回復し着実に進捗しています。また、14年ぶりに営業運転を再開した女川原子力発電所2号機は、大きなトラブルもなく順調に運転を継続しており、電力の安定供給のみならず火力燃料費とCO2排出量の削減という観点でも大きく貢献しています。
その一方で、悪い面として、今回明らかになった東通原子力発電所における核物質防護に係る不適切な事案は、当社や原子力事業への信頼を損なうものとして、極めて重く受け止めなければなりませんし、二度とこのようなことを発生させないよう、背景要因も含めた根本原因の分析などを行いながら、改善措置計画を取りまとめ、再発防止を徹底していくことが求められます。
次に、今後の経営課題ですが、当社グループを取り巻く事業環境は、先物を含めた電力市場取引価格や燃料価格が安定する中、競合との小売競争が激化し、物価や金利の上昇、そして米国の経済政策や世界的な地政学リスクに起因する先行きの不透明感の高まりなどもあって、これまで以上に厳しくなっています。
今年度の業績予想は、中間決算においても変えておりませんし、一定程度の利益は確保できる見通しではありますが、競争の激化に伴い小売の販売電力量が落ち込んでいることに加え、送配電事業では、需給調整費用や修繕費などの増加により大きな損失が発生していますので、小売・卸売両面での電力販売の強化と送配電の収益改善を急務の課題と捉え、早急に対策を打っていかなければなりません。
最後に、将来の成長期待として、ご承知のとおり、我が国においても、生成AIの活用に向けてデータセンターや半導体産業などのDX分野の進展が予想されており、10年後の電力需要は、東日本全体で10%程度、東北・新潟エリアでも3%程度増加する見通しが示されています。そのため、これからはカーボンニュートラルとDXをグループの成長の機会と捉え、本業である電気事業に一層注力して、グリーンビジネスやソリューションサービス、トレーディング機能といった我々の強みを生かしながら、お客さまに価格以外の新しい価値も提供し、出来るだけ早く稼ぐ道筋をつけていくことがとても重要と認識しています。
以上、当社を取り巻く環境は、今後もめまぐるしく変化していくことが予想されますが、グループ中長期ビジョンで掲げたありたい姿の実現に向けて、来年も一緒に頑張っていきましょう。少し早いですが、今年一年、大変お疲れさまでした。