
電力業界の「いま」を解説
第3回 ~最終保障供給ってどういうものなの?~

「最終保障供給」って、東北電力ネットワークの契約だったのね。料金が割高っていうのはニュースでやっていたけれど。
そう、東北電力が提供している高圧・特別高圧標準メニューの約1.2倍の価格なんだ。
そもそもこの「最終保障供給」というのは、例えば新電力が廃業・倒産した時など、お客さまが小売電気事業者の切り替えを余儀なくされたときに、次の契約先が見つかるまでの間、電気を使えないということがないように一般送配電事業者が電気を送る、という制度なんだ。自由競争に影響を及ぼさないよう、小売電気事業者ではなく一般送配電事業者に供給義務が課されているんだよ。


そうなんだ。でも標準メニューよりも高い価格なのに、どうして今契約数が急増しているの?
現在は燃料費の高騰などの要因によって、小売電気事業者の料金水準が急激に上がってしまい、むしろ最終保障供給の料金水準の方が安くなってしまっているからだよ。従来の販売価格では採算が取れないために、新規契約の受付を停止している小売電気事業者もいるしね。


なるほど。東北電力ネットワークは、契約数が増えて困ることはあるの?
この制度はセーフティーネットとしての側面が大きいから、今のように多くのお客さまが契約することを想定しておらず、急激な需要の増加には対応できないんだ。
もともと一般送配電事業者は、離島を除いて小売するための電源を持っていないからね。


あ、そっか。でもそうしたら、一般送配電事業者はどうやって電力を供給しているの…?
一般送配電事業者は、周波数制御や需給バランス調整等、供給エリア内の需給調整に必要な電力を、「調整力」として公募等により調達しているんだ。この調整力として調達した分から最終保障供給を行っているんだよ。

最終保障供給が増えたり、長期にわたって契約が続いたりすれば、それだけ多くの調整力が必要となる。調整力の必要量が増えると、高い価格で調達する必要が生じたり、調整量に応じた支払いが増えるということなんだ。そうすると、調整力の調達費用が最終保障供給による収入を上回り、差額分は一般送配電事業者の収支を圧迫する恐れがあるんだよ。


送配電側でも収支に大きな影響が出ているのね…。
何かできることはないのかしら?
最終保障供給の問題については、経済産業省の審議会で、最終保障供給料金を卸電力市場価格に連動させる方向性が示され、今後、詳細検討が行われる予定だよ。こうした最終保障供給料金の見直しにより、収支への影響が改善されることを期待したいね。
また、小売側でもまずは収支の状況を少しでも改善するため、追加で高い調達をしない範囲の販売電力量となるよう調整を行ったり、お客さまに適切な価格で契約いただけるよう交渉を行っている他、市場連動型メニューの提供も行っているんだ。
さらに低圧の一般家庭向けとして、お客さまの電気料金負担が軽減されるよう、節電の呼びかけやキャンペーンも行っているんだよ。(キャンペーンの詳細はこちら)


そうなのね。私も、自分の部門だけでなく色々な部門のことを意識しながら、もっと利益創出できることがないか考えて仕事に取り組んでいくわ!