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今回の発表の概要
当社は、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受け、燃料価格や卸電力取引市場の価格が高騰していることなどから、このままでは安定的な燃料調達や、電力設備の更新・修繕などへの投資を十分に行うことができず、電力の安定供給に影響を及ぼしかねない非常に厳しい状況にあると判断し、自由化部門のお客さまの電気料金について、本年11月以降、「高圧以上の電気料金単価見直し」および「低圧自由料金プランの燃料費調整制度における上限設定の廃止」を行うこととしています(こちらの記事ほか、関連する過去の記事もご覧ください)。
一方で、規制部門のお客さまの電気料金については、その性質※に鑑み、可能な限り現行の水準を維持するよう努めてきましたが、本年6月以降は平均燃料価格が燃料費調整制度の上限を超過する水準で推移・拡大しており、現状は、この超過分を当社が負担する、いわゆる「逆ザヤ」の状態が続いています。
※小売規制料金は、電力小売全面自由化後も、需要家保護の観点から、旧一般電気事業者が最終的な供給責任を担う「経過措置料金」として位置づけられている

燃料費調整制度における燃料費調整単価の推移
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燃料価格と卸電力取引市場の価格推移
このため、自由化部門および規制部門ごとの部門別収支において、2021年度までは黒字であった規制部門についても、当年度の最終損益が550億円程度の赤字となる非常に厳しい見通しとなっています(自由化部門は2020年度から赤字)。
このような状況を踏まえ、大変苦渋の決断ながら、今般、小売規制料金についても、値上げをせざるを得ず、国への認可申請に向けた準備を進めることとなりました。

値上げ時期や値上げ幅など、具体的な内容の検討はこれからとなりますが、足元の財務状況を考慮し、2023年度早々の値上げを目指します。
なお、規制料金の値上げにあたっては、会社全体のコストである“総原価”を算定のうえ申請する必要があります。総原価の算定では、電気料金の単価や燃料費調整額の算定諸元について、現在の電力需給構造などを踏まえて全面的に見直す必要があるため、その内容と平仄を合わせる形で、自由化部門のお客さまの電気料金にも影響が生じる可能性があります。

電気料金の構造と各部門の規模
質問形式で解説
問.なぜこのタイミングで公表したのか。
答.規制部門のお客さまの電気料金については,電力小売全面自由化後も、需要家保護の観点から、旧一般電気事業者(当社や東京電力など)が最終的な供給責任を担う「経過措置料金」として位置づけられていることに鑑み、可能な限り現行の水準を維持するよう努めてきたところです。
しかしながら、本年6月以降は、平均燃料価格が燃料費調整制度の上限を超過する水準で推移しており、その超過分を当社が負担する、いわゆる「逆ザヤ」の状態が続いていることから、9月の定例社長記者会見において、当社より「見直しの必要性も含めて検討しなければならない」とお話した状況にあります。
今般、この「逆ザヤ」の影響などにより、当年度における規制部門の収支が赤字に転落(▲550億円程度)する見通しとなったこともあり、このままでは、電力の安定供給に影響を及ぼしかねない状況にあることから、大変苦渋の決断ですが、小売規制料金についても、値上げをせざるを得ないと判断し、国への認可申請に向けた準備を進めることとしました。
問.いつ料金値上げに関する申請を行う見通しか。また、実施時期は「23年度早々」としているが、具体的にいつ頃となるのか。
答.具体的な申請時期や実施時期については今後検討していきますが、燃料・為替の情勢や当社の経営状況を踏まえると可能な限り早期に申請したいと考えています。
実施時期については、国(経済産業大臣)への申請後、「料金制度専門会合」での審査、「公聴会」、「消費者委員会」などを経ることになりますが(標準処理期間4カ月程度)、規制部門に適用できる平均燃料価格が上限に達しており、供給コストが収入を上回る状態が続いていることから、当社としては、安定供給を維持するため来年度早々にも実施したいと考えています。
問.具体的な値上げ幅はどの程度なのか。規模感も示せないのか。
答.今後、国への認可申請に向けた準備を進めることから、現時点では何とも申し上げられませんが、規制料金の値上げにあたっては、電気料金の単価や燃料費調整額の算定諸元について、現在の電力需給構造などを踏まえて全面的に見直す必要があります。
電力の安定供給を遂行していく上で必要な費用や、燃料・為替の状況、当社の経営効率化の見通しなどを踏まえ、詳細を検討していきます。
問. なぜ規制料金を見直すと自由化部門のお客さまの電気料金にも影響が生じる可能性があるのか。
答.規制料金の値上げにあたっては、電気料金の単価や燃料費調整額の算定諸元について、現在の電力需給構造などを踏まえて全面的に見直す必要があります。
低圧自由料金の単価は、前回(2013年9月改定)の電力需給構造をベースに設定しているため、今回の規制料金の見直しと平仄を合わせる形で影響が生じる可能性がありますが、現時点では何とも申し上げられません。
例えば、低圧自由料金のベースとなる電気料金単価については、「よりそう+eねっとバリュー」であれば、同じ家庭用のお客さまが大半を占める規制料金である従量電灯Bとの整合性も考慮して検討を行っていく必要があると考えています。
また、高圧以上については、現在、新規お客さまに対する標準メニューでの受付を停止している状態であり、どのような内容であれば、標準メニューでの新規お客さまへの供給再開ができるか検討している状況にあります。
加えて、規制料金の燃料費調整額の算定諸元の見直しに合わせて、自由化部門の燃料費調整額の算定諸元の取り扱いについても、検討を行っていく必要があると考えています。
問.自由化部門のお客さまの料金見直しを表明した7月末以降、電力市場価格や燃料価格はどのように推移しているのか。
答.例えば、今後の取引価格の指標となる先物価格を見ると、7月の見直し公表以降も、更に上昇していることが確認できるほか、円安も進展しており、電力調達コストは上昇しています。また、これらの価格が高値圏で乱高下しており、具体的な供給可能水準を見定めることが困難な状況です。
■電力市場価格(EEX東京ベースロード四半期(取引可能な期近商品))
7/29時点:34.20円 ⇒ 8/31時点:41.25円 ⇒ 9/30時点:38.68円 ⇒ 10/20時点:34.78円
■燃料価格(JKL 2022年11月~2023年12月の平均値)
7/29時点:40.74$ ⇒ 8/31時点:47.54$ ⇒ 9/30時点:43.86$ ⇒ 10/20時点:34.94$
■為替(米ドル/円の当日終値)
7/29時点:133.20 ⇒ 8/31時点:138.94 ⇒ 9/30時点:144.78 ⇒ 10/20時点:150.14
問.7月末時点での電力市場価格、燃料価格の見通しが甘かったのではないか。
答.ウクライナ危機の長期化など世界情勢も不安定な中において、当社としては、7月の市況などに基づき、一定の前提のもとで電力市場価格や燃料価格の水準などを想定したものです。