
樋󠄀口社長によるあいさつ要旨 ~現在の状況と改めて認識すべきこと~
各部門・室部、各事業所におかれては、日頃から安定供給はもとよりお客さま・地域対応にご尽力いただき感謝申し上げます。おかげさまで規制料金の値上げも認可され、不正閲覧防止の対応も着実に進んでいるなど、これまでの取り組みに対する成果が出てきているところです。
2023年度の業績見通しと主な要因
7月末に公表した2023年度の業績見通しは、連結経常利益で2,000億円となりました。効率化やコスト削減の取り組み、電気料金に係る一連の値上げ対応など、全社一丸となって取り組んでいただいたおかげであり、改めて感謝申し上げます。一方で今回の業績見通しにおいては、燃料や電力の市場価格の下落といった外部環境の大きな変化に加え、燃料費の下落に伴い、燃調タイムラグが差益として上積みになったことが、利益押し上げの大きな要因となっております。
業績見通しの利益レベルの意味合い
今回の業績見通しのレベルは、社員の皆さんの予想を上回るものであったと思われますが、果たして「過大な」利益なのでしょうか。振り返れば、2021年度は500億円、2022年度は2,000億円もの赤字となり、有利子負債はこの2年間で1兆円程度増加しましたが、今回の利益レベルでは、過去2年間の赤字を完全に取り戻すことも、増加した有利子負債をすべて返済することもできません。安定供給の使命を果たすために必要な資金を確保し、コスト競争力を高めて競争に打ち勝っていくためには、利益を稼ぎ、財務基盤の回復と将来の成長に向けた投資を行い、様々なステークホルダーへ還元していくことが重要です。
樋󠄀口社長によるあいさつ要旨 ~皆さんにお願いすること~
こうした状況を踏まえ皆さんへのお願いを3点申し上げます。
(1)稼ぐことへの挑戦
常に「稼ぐこと」を意識してください。今後ますます厳しくなる旧一般電気事業者や新電力との競争に向けて、女川2号機の再稼働を着実に進め、収入拡大とコスト削減を継続し、しっかり稼いでいかなければなりません。加えて、持続的な成長へとつなげていくため、電気事業の枠組みや東北電力グループといった枠組みにとらわれない取り組みを展開し、グループ全体の収益力を底上げしていく必要があります。求められるのは「挑戦」の精神です。待ちの姿勢ではなく、「このような事業や案件にチャレンジするので、このくらいお金と人をください」といった気概で、どんどん提案してほしいと思います。
(2)リスクの抑制に向けた取り組み
今回の業績見通しの利益レベルが高い理由は、燃料や電力市場価格の好転による影響がかなり大きいのですが、裏を返せば、市況が反転すると、収支が再び悪化するリスクがあるということでもあります。利益を稼ぎ、自己資本を厚くしてリスクへの耐性を高めるとともに、リスクが顕在化した場合には柔軟かつ機動的に計画を軌道修正すること、さらにリスク抑制に向けた打ち手を実行していくことが必要です。
また、リスクは収支悪化リスクだけではなく、不正閲覧問題のような企業倫理・法令遵守に関わるもの、女川再稼働に向けた対応、安心・安全に関わるものなど様々あります。至るところに潜むリスクに対し、把握の漏れはないか、対応は十分か、常に問いかける必要があります。
(3)安全と不祥事防止の徹底
V字回復の足掛かりとして全社を挙げて女川2号の再稼働に取り組んでいく中で、一人ひとりがしっかりと脇を固め、安全確保と不祥事防止に取り組んでください。また、今般の不適切な情報の取り扱いについて、社員一人一人が信頼回復に向けた再発防止策を徹底する必要があります。「気づく・話す・直す」の実効性をより高めるため、風通しの良い職場づくりを心掛けていただくようお願いします。

参加者による意見交換
会議では、グループ戦略部門 有賀経営推進ユニット部長より当社企業グループの現状と今後の取り組みについて説明があり、続いて質疑応答・意見交換が行われました。
参加者からの「今回の業績見通しを踏まえて、社内外の様々なステークホルダーにどのように説明をしていくか」という質問に対し、経営層からは、燃料費や電力市況の下落などの外部要因が利益を押し上げていることや、過去2年間で毀損した財務基盤を安定供給確保のために回復させなければならないことを、「伝わる」ように丁寧に説明していく必要があると回答がありました。
また、スマート社会実現事業や販売施策に関する意見交換においては、厳しい競争環境にある中で、試行錯誤しながらも徐々に新規事業の成果が上がってきていることを踏まえ、改めて第一線事業所の皆さんにお客さまのニーズを把握してもらうなど協力をお願いし、グループ全体で電気だけではなく様々なサービスの提供を進めていくことを確認しました。
上記の他にも、将来的な需給の見通しや組織整備に伴う地域重点層対応の考え方など、幅広いテーマで意見交換がなされました。

増子会長による総括
会議終盤、増子会長から「業務全般にわたる効率化・コスト削減の取り組み、自由料金・規制料金に係る一連の値上げ対応、値上げに対する社外からの厳しい受け止めに対する丁寧な説明など、全社員が一丸となって対応していただいたことに対し、改めて感謝申し上げたい。」とのお話がありました。業績見通しに対する経営の認識について、燃料費高騰や円安の進展など収支悪化リスクが常に存在する環境に触れて、「今まで苦労して取り組んできたことの成果は出てきているが、これでもまだ安心できず、十分ではない。」として気を緩めず着実な対応をお願いしました。最後に、「至誠天に通ず」という孟子の言葉を引用し、「真心を持って事に当たれば難局も乗り越えられる。お客さまへの誠意、真心を持って丁寧な説明を心がけていただきたい。」と期待を述べられました。
