
石山社長によるあいさつ概要①~これからの経営の方向性~
収支状況、事業環境の認識について
皆さんの仕事に対する高い使命感とこれまでの努力、そして業務効率化や成長へのチャレンジなどの成果として、足元の収支や財務状況は改善傾向にあり、2024年度の連結経常利益は2,000億円、連結自己資本比率は17.5%を見込んでいます。
一方で今後の経営環境を踏まえると、インフレや金利の上昇、電力小売競争の進展、カーボンニュートラル(CN)の実現に向けた環境規制の強化、人材・労働力不足など、リスク要因も多く、それらの課題に向き合いながら、事業環境の変化に柔軟に対応していく必要があると認識しています。
そのため、樋󠄀口会長がこれまで5年間掲げてきた「挑戦する姿勢」を今後も継続していくことが非常に重要だと考えており、私自身も既成概念やこれまでの常識に捉われない自由な発想を持ちながら、実行力とスピードを重視した経営を目指します。
昨年12月26日に、東日本大震災で被災し停止していた女川原子力発電所2号機が14年ぶりに営業運転を再開しましたが、地域の皆さまのご理解と多くのグループ社員や関係者の努力により達成することが出来たこの偉業を、会社として新たに生まれ変わるという決意を込めて「再出発」と位置づけています。
今後も当社が原子力発電所を安全最優先で運営していくうえで、信頼される会社であることは必要不可欠な条件であり、これからも当社グループが事業を続けていくためには、引き続き、お客さまや地域社会から信頼され親しまれる会社を目指していかなければならないと、改めて感じています。
これからの経営の方向性
これからの経営の方向性としては、「よりそうnext+PLUS」に基づき、CNとデジタル技術による変革(DX)を成長の機会と捉え、電気・エネルギーを中心に据えた事業の展開を通じて、スマート社会の実現を目指していきますが、当面は、財務基盤の回復を最優先に、2026年度の財務目標達成に向けて経営の足場固めに注力し、中長期的には、2030年度の財務目標の達成や持続的な成長に向けて、「利益・投資・成長」の好循環を形成していきます。
また、サステナビリティを経営の中核に据え、地域社会が直面する諸課題の解決にも努め、未来世代にわたるステークホルダーとともに、社会価値と企業価値の創出にも取り組んでいきます。

石山社長によるあいさつ概要②~皆さんにお願いすること~
(1)利益・投資・成長の好循環に向けたキャッシュフローの重要性
2026年度の財務目標を達成するためには、2024年度の業績見通しと同じ程度の利益を引き続きあげる必要があり、2030年度の財務目標達成に向け、足元からしっかり準備していくことが必要です。
今後の経営環境を考えると、様々なリスク要因もありますが、産業分野を中心とした電力需要が増加する見通しや、脱炭素電源としての原子力の最大限の活用など、将来の事業環境として明るい変化の兆しも見えてきています。
今年度から、グループ中長期ビジョンの実現に向けて、経営計画体系やグループマネジメントの見直しを実施しました。発電・卸や送配電など、それぞれの事業ごとに2030年代のありたい姿に向かって自律的に収益と成長を追求し、電力の安定供給に必要な維持更新投資とともに、CNの実現や新たなビジネス創出に向けた戦略投資も実施していくことになりますが、当社グループは、多額の資金を外部から調達しており、有利子負債残高は3兆4千億円程度に達しています。したがって、今後は、売上高や利益だけを意識するのではなく、キャッシュフローについても意識する必要があります。
(2)信頼され親しまれる会社を目指した地域との関わり
私は東日本大震災当時、東京電力福島第一原子力発電所から直線距離で25kmほど離れた福島県南相馬市の相双営業所の所長でした。営業所の所員とともに、大変な状況の中で設備の復旧や停電の解消などに従事しましたが、現地で原子力災害の凄まじさと怖さを実感するだけでなく、改めて、我々を信頼して避難せずに様々な支援・協力をいただいた地元の皆さんに感謝し、長い年月をかけて諸先輩が築き上げてきた「地域との絆」の重要性を再認識させられました。この地域との絆は、当社グループの大きな強みでもあります。
改めて、創立以来の「東北の繁栄なくして当社の発展なし」という基本的な考え方、さらには、グループの経営理念である「地域社会との共栄」、そしてグループスローガン「より、そう、ちから。」が、当社グループにとって大切にしなければならないものであり、今後も変わることのない概念であることを認識し、それぞれの立場で、地域やお客さまに対してどのようなことができるのかを考え、皆さんができることから是非実践してほしいと思います。
(3)安全の確保とコンプライアンスの徹底
地域に根差した企業である当社グループにとって、この2つが地域の皆さまから信頼を獲得し続けるうえで重要な基盤であることは言うまでもありません。
昨年度も2件の死亡労働災害が発生し、我々の仲間の尊い命が失われました。27年間もの長期にわたり死亡災害が継続しているという極めて憂慮すべき状況になっています。現地、現物、現人(げんじん)の三現主義を重視し、「安全の問題は常に現場で起きていること」「解決策も必ず現場にあること」をしっかりと認識したうえで、今年度の力点である「安全施策・ルールの棚卸」や「現場コミュニケーションの深化」を進め、「DX・AIの活用」も図りながら、職場の先頭に立ち、死亡・重大災害の撲滅に本気で取り組んでいただきたいと思います。
コンプライアンスの徹底について、世の中のコンプライアンスに対する意識は日に日に高まっており、お客さまや地域社会からの信頼獲得のためにも、不祥事・不適正事案の根絶を目指していかなければなりません。
「気づく・話す・直す」の実践と、正しい価値観や判断基準に従った行動を心がけ、これまで以上に風通しの良い職場づくりを心がけていただきたいと思います。
おわりに
事業環境の変化が激しく、先行きは不透明なところもありますが、何事にも前向きにチャレンジしていく職場雰囲気の醸成を図っていただきたいと思います。
また、前向きにチャレンジするうえでは、好奇心、創造性、コラボレーションという3つの要素を意識することが重要です。
グループ中長期ビジョンで掲げたありたい姿の実現に向けて、グループ一体となって、前向きにチャレンジしていきましょう。

参加者による意見交換
会議では、「2025年度東北電力グループ経営計画」について説明があり、続けて質疑応答・意見交換が行われました。
参加者からは、激化する小売競争への対応方針や、DX戦略の方向性などに関する質問や意見が出されました。
経営層からは、小売分野における至近の競争環境および今後の販売戦略、DX関連の取り組みとして、安全確保に向けたAIの活用状況などについて説明がありました。
このほかにも、東北電力・東北電力ネットワーク間の連携強化や企業誘致などの取り組みの重要性、地域との価値共創に向けた関わり方など、幅広い内容で活発な意見交換が行われました。
樋󠄀口会長による総括
樋󠄀口会長は会議の終盤、成長に向けた投資や安定供給のための設備維持に向けた投資の必要性に触れた上で、「投資規模に見合った利益を生み出すことが重要。東北電力においては、小売の競争環境が激化する中、これまで以上に攻める姿勢を持っていただきたい。また、東北電力ネットワークにおいても、託送収益の拡大に向け、電化の推進や企業誘致などエリア内需要の拡大に取り組んでほしい」と呼びかけました。また、出席者に対し、「当社グループは長年、地域課題解決や地域貢献活動に取り組み、地域社会との信頼関係を築いてきた歴史がある。これからもその歴史をしっかりと引き継いでいくためには、社員一人一人の意識が重要であり、事業所長が自身の経験を踏まえて、自らの言葉で日頃から所員とコミュニケーションを取ることが重要。自律的な組織形成に向けたリーダーシップに期待する」と室部長・事業所長への期待を述べ、会議を締めくくりました。
