■キラリ☆企業グループ社員にフォーカス■38年ぶりとなる大会を企画!ラリー競技を通じて地域へ貢献!~Vol.12 東北電力ネットワーク 猪股 寿洋さん~

 東北電力グループでは、従業員一人ひとりが個性を生かしさまざまな分野で活躍しています。そんな皆さんのキラリと光る活躍や多彩な活動などにフォーカスする本コーナー。第12回は、2017全日本ラリー選手権タイトル獲得者であり、岩手県で38年ぶりに開催されたラリー競技大会の運営に携わった東北電力ネットワークの猪股 寿洋さんに、競技の魅力や地域への思いなどについて伺いました。

38年ぶりのイベント。岩手県盛岡市で一般公道を使用したラリーの競技大会を企画、開催

 モータースポーツの一種であるラリー競技に打ち込む猪股さん。競技を始めたきっかけや、猪股さんが企画・運営に携わった「いわて姫神ヒルクライム2025」についてお聞きしました。

 

 

☆東北電力ネットワーク 猪股 寿洋さん☆

・現職場 東北電力ネットワーク 盛岡電力センター 送電課

・出 身 青森県青森市

・2017年 全日本選手権にフル参戦 当時のJN-2クラス※で年間タイトル獲得

※エンジンの排気量や車両の駆動方式、改造などの仕様によって分けられるクラスのうちの1つ。当時のJN-2クラスは気筒容積が2,000cc以下の2輪駆動車でかつ改造範囲も狭く規定され、トヨタの「86」とその兄弟車スバル「BRZ」が活躍していた

 

年間タイトル獲得を喜ぶ猪股さん(車両向かって左)

 

───ラリー競技について教えてください。

 ラリーは一般公道を使用して1台ずつ既定の区間を走行し、そのタイムを競う競技で、大きな大会だと2日間で1,000kmを走ることもあります。タイムアタック区間以外は封鎖されていない一般公道を移動するため、競技に使用する車両は公道走行が可能なよう法規に適合している必要があり、他のモータースポーツと比較すると一般車両に近い仕様です。また舗装されていない道路が使用されることが多いのもラリーの特徴で、雪や霧など前が見えないような悪天候でも競技は開催されます。したがって競技で勝つためには車の性能だけでなくドライバーの技術が重要です。

 

現役時代の猪股さんが駆ったトヨタ「86」(撮影:熊谷 泰三 様)

 

───どのようなきっかけでラリー競技を始めたのでしょうか。

 もともと学生の時に自動車部※1でジムカーナ※2をメインに競技を行っていました。ラリー競技には憧れていましたがハイスピードで激しい競技ですし、ラリー関係者の知り合いもいなかったので、始めるきっかけがありませんでした。その後会社に入社して初任地だった高田技術センター(現上越電力センター)はラリー競技の盛んな長野県に近かったこともあり、長野で開催される競技に足繁く通うようになっていき、競技のお手伝いから、だんだんと自分も競技に出るようになっていきました。

 2017年には全日本ラリー選手権にフル参戦でき、大変な接戦ではありましたが、年間タイトルを獲得することができました。

※1:モータースポーツへの参加やそのための市販車の改造、整備などを主な活動とする部活動

※2:モータースポーツの一種。舗装路面にパイロンなどで設定されたコースを1台ずつ走行し、そのタイムを競う

────ラリー競技の魅力は何ですか。

 車にあまりお金をかけられなくても、ドライバーの技術が優れていれば勝つことができます。これが一番の魅力ですね。私の運転技術は整備されていない道でこそ最大限生かせると思っています。

───今回、どのようなきっかけでラリー競技の大会運営に携わることになったのでしょうか。

 盛岡のとあるラリーチームから「大会を企画してくれないか」と声をかけていただきました。

 盛岡電力センターに赴任する前から岩手のラリー関係者とは付き合いがありましたし、前任地である青森でもラリー競技の企画をしていたので、喜んで引き受けました。

───青森でも大会の企画をされていたんですね。

 ラリーは一般公道を使用するため、競技に必要な設備やエリアの設置など、地権者さんや自治体からの理解や協力が不可欠です。青森では着々と交渉を進めていたのですが、様々な事情で中止になってしまって。その時はかなりへこみました(笑)。

 その悔しさもあって岩手の大会は「必ず開催したい!」と思っていました。

───大会の企画をしていく中で、仕事のスキルが役立つことはありましたか。

 現在所属している盛岡電力センター送電課では、送電線の工事設計や施工管理を主に担当しています。その中で道路占有許可を申請することが多いのですが、大会でも公道を使用するため同じように手続きをとる必要があり、仕事での経験が役に立ちました。

 また市役所や警察、地域の方との交渉の際には、送電線の線下の樹木伐採承諾などで地権者の方との交渉で培ってきたスキルを生かすことができました。

───逆に、ラリーの経験が仕事に役立っている部分はありますか。

 大会の企画では仕事でやっているような道路占有許可や交渉に加えて、モータースポーツ特有の対応として、安全対策についての資料作成や説明があります。競技を知らない方でもわかるように説明する必要があり、そこで得られたノウハウは仕事でも役に立っていると思います。

 

 

───今回の大会の開催地である公園「サクラパーク姫神」は、38年前にもラリー競技の大会が開催された場所だとお聞きしました。この場所を選んだ理由を教えてください。

 実はサクラパーク姫神がかつての開催地だとは知らなかったんです。全くの偶然でした。

 もともと岩手のラリーチームからは「盛岡市内で開催したい」という要望があって、自然とサクラパーク姫神は候補の一つに上がったのですが、人の往来が多い場所なので、当初は正直なところ開催は難しいと思っていました。それでもダメもとで現地視察へ行き、その際に道路脇で作業をされている男性がいらっしゃったのでお声がけしてみたら、その方がサクラパーク姫神の周辺の土地を管理している会社の代表(合同会社ひのと 代表社員 廣田勉様)だったんです。

 38年前に一度大会が開催されていたことはその方からお聞きして、とても驚きました。

───かつて大会を開催した場所ということで、関係者ともスムーズに交渉できたのでしょうか。

 はい。地権者の方も38年前に開催された大会を見に行ったことがあるそうで、交渉しやすかったです。またサクラパーク姫神のあるエリアは、桜が咲く時期以外の集客が地域的な課題だったそうで、多くの方が大会の開催を応援してくださいました。本当に色々なご縁に支えられての大会開催だったと思います。

───大会を開催して、地域への思いに変化はありましたか。

 ラリーはサーキット場ではなく公道を走る競技なので、どうしても安全性への懸念や周辺環境への悪影響を心配する声があります。どうやって開催地の方々に安心していただくか、競技と地域がどのように共存共栄していくか、そういったことを考えていくうちに、自然と地域の発展のことを考えるようになりました。走ることばかりを考えていた現役選手の頃とは大きく変わりましたね。

 これからも地域の皆さんと協力しながら、大会を通じてラリーと地域の魅力を発信し、観光や地域の活性化に貢献したいです。

 

 

───今回の大会で地域活性化のために意識して取り組んだことはありますか。

 有観客で開催したことです。

 例えば全日本ラリーのような大きい大会は大企業の協賛のもと運営され、大勢の観客がいて賑わいがあり、開催地にとっても大きなメリットがあります。しかし地方の小さな大会は事務局の規模や資金面の問題などから観客を入れずに行われることが多いのが実情です。今回の大会では開催地を盛り上げるため、スタート地点から第一コーナーまでの区間限定ですが観客を入れて開催しました。

 選手が観客の視線を意識することで競技の質が高まり、大会が魅力的となって更に多くの観客が訪れる、…という好循環が発生して、それによって地域が盛り上がったらいいなと考えています。

───読者の皆様にメッセージをお願いします。

 仕事以外にやりたいことがあるならば、仕事に影響がない範囲で、やりたいことに突き進んだ方が良いです。

 また、赴任した土地で会社以外の人脈を作っていくと人生が豊かになると感じています。自分と異なるいろいろな仕事の話を聞くのは楽しいですよ。

いわて姫神ヒルクライム2025(2025.4.6開催)の様子

編集後記

 競技者としての経験を活かし、岩手県で38年ぶりに公道を使ったラリー競技大会「いわて姫神ヒルクライム2025」を企画した行動力。今回のインタビューでは、猪股さんのラリー競技への強い情熱と地域への思いを感じました。

 今回の取材ではこれまで縁がなかったラリー競技大会に行き、貴重な経験を得ることができました。地域課題解決のヒントは、身近にいる人の特技や活動にあったりするのかもしれません。

(岩手支社(総務広報)小野寺 茉奈)

 

(本インタビューは2025年4月上旬に実施しました)

 

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BRIDGE編集者から読者の皆さんへのお願い
 皆さんの職場やお知り合いの企業グループの社員に、地域のためにさまざまな活動をされている方、趣味・スポーツでひときわ活躍されている方などがいらっしゃれば、ぜひ本企画でご取材させていただきたく、紹介をお願いします(自薦他薦を問いません)。
 以下のBRIDGE担当者までご連絡をお願いいたします。

 東北電力 総務・地域共創部門(地域共創・広報ユニット)BRIDGE担当
  佐々木(Tel:050-7789-3295、E-mail:sasaki.tatsuhiko.wu@tohoku-epco.co.jp)

 

 

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