
よりそうインタビュー室部長版 第4回
再生可能エネルギーカンパニー 水力部 内藤 英徳 部長
「より、そう、ちから。」の推進者である室部長の皆さまからメッセージをお届けする室部長版のよりそうインタビュー。今回は、水力部の内藤部長に仕事や地域への思いなどを伺いました。
「靴のサイズの前進」小さな進捗でも達成感を意識する
―再生可能エネルギーカンパニー 水力部 内藤 英徳 部長―
出身
新潟県上越市
初任地
本店 土木部 土木運営課(発電所土木設備の運転保守管理)
最近ハマっていること・長年続けていること
・モータースポーツ全般の観戦、NHKの日曜美術館、海外ドラマの視聴
・早めの出勤(通勤ラッシュの回避のほかに、朝の落ち着いた空気の中で今日やることを整理したり新聞を読んだりできるのが好きで長年続けている)

──仕事をするうえで大切にしていることは何ですか。
少しでも前進したと進捗を意識するようにしています。イメージとしては「大きな一歩」ではなく、「靴のサイズ」ほどの小さな一歩でも良いと思っています。私は現在の水力部門のほかに土木部門の仕事も長いのですが、天候などの自然現象への対応や環境保全、周辺地域への影響の軽減といったことを、地域の方々のご理解を得ながら進めることに苦労するケースもたくさんありました。このような時に、僅かでも前進したと達成感を感じることで、前向きに仕事に取り組めてきたと思います。
もちろん、仕事には社会環境の変化に合わせスピード感のある対応が必要なものもありますが、一方で難しい命題には丁寧に時間をかけることも必要です。そうした見極めもしながら、適切な時間や労力、費用をかけ安全かつ効率的に業務を遂行することを常に心がけています。
──「靴のサイズの前進」の重要性を感じたご経験を教えてください。
沼沢沼発電所の廃止に伴う住民説明の際に、その重要性を強く感じました。2000年から会津技術センターで土木課長を務めており、2002年の発電所廃止に先立ち設備の撤去・残置計画について検討を行いました。発電所を廃止することによる環境面や安全面、雇用面での懸念から、住民の皆さんの不安も大きかったのですが、紙芝居を作成して分かりやすく説明したり、住民の皆さんからの質問に丁寧に答えるなどの対応を重ねることで、少しずつ前進し最終的にはご理解をいただくことができました。
また、2011年7月に会津若松支社のダム管理センター勤務となった際、着任1カ月後に新潟・福島豪雨災害に見舞われました。当社の水力発電所の総出力のうち約4割にあたる100万kWの発電出力が失われ、その復旧作業自体も非常に困難でした。河川の流域では住居の浸水などが発生し、当社のダム管理に対する厳しいご意見も多数いただきましたが、沼沢沼発電所廃止工事の際の経験が地域対応に生きたと感じています。一部ではご納得いただけない方もおり裁判で解決することとなりましたが、最終的には当社の主張が認められました。しかしながら、ご納得いただけない方がいたことに変わりありませんので、その後は、水害のリスク低減に向けてダム情報の発信や、洪水時の流れを安定化する導流壁の設置、ダム湖の浚渫(ダム湖の底に溜まった土砂を取り除く工事)など、できうる対策を継続しているところです。
──地域の方との対応ではどのようなことを意識されていますか。
最終的な着地点をイメージしながら会話のキャッチボールをするようにしています。特に、お互いの主張が平行線となるような場合には、その線が最後どのように交わることができるのか探りながら、線の幅を少しずつ狭めていけるように対話を重ねることを意識しています。
- 沼沢沼発電所閉所式
- 新潟・福島豪雨時の宮下発電所
未経験の業務でも自信を持ちながら新しい目線を生かして
──30代はエンゲージメントが低いというアンケート結果などもありますが、ご自身の30代を振り返っていかがですか。
私は30代に、原町火力発電所建設所、本店、会津技術センター、東京支社の4つの職場を経験しました。いずれも未経験の業務も多く、社外対応の相手もそれぞれ異なっていたので、その都度勉強しながらでしたが、その分、知識も増え多くの経験を積むことができたと思っています。
──未経験の業務に対して、どのように向き合うべきと考えていますか。
経験がないことに直面すると不安なことも多いと思います。ましてや中堅と言われる年代になるとそれなりにプレッシャーもあります。そうした状況でも、小さな達成感を積極的に感じることで、仕事に向き合う際の自信につなげていくことが大事だと思っています。仕事が変わっても、これまで得られた知識や経験を引き出しとして上手に使って、新しい目線を生かして「なぜそれをやる必要があるのか」「たくさんのルールがある中でなぜそのルールが適用されているのか」といったことを少し深掘りしてみると、そこから新しい仕事の進め方が見えてくると考えています。
30代は、組織から期待されることが大きくなってくることを感じる年代だと思います。皆さんも、これまでの成果を確実に積み上げて成長しているはずですので、それを自分自身でも振り返りながら、自信を持って業務に向き合っていただきたいと思います。
「地域社会との共栄」の一つのパーツとして社員の顔が見えるような活動を
──水力部門では「より、そう、ちから。」を日頃の業務でどのように実践されていますか。
水力発電所は202カ所あり、水路などの関連設備は地域の皆さまの生活圏の中に設置されています。また、河川の水を利用することから自然環境の保全にも十分な配慮が求められるなど、地域社会との信頼関係の構築が欠かせません。こうした発電所の立地状況を背景として、長年にわたり地域活動へ積極的に参加し、設備だけではなく社員の顔が見える会社となる活動を続けていくことを大切にしています。
──発電事業や地域活動のほかに地域とはどのような関わりがあるのでしょうか。
水力部門では、農業用水の維持管理を行い農家がお米を作ることに協力したり、河川環境の維持のために魚道を設置して魚を守ったりしています。
また、青森県にある奥入瀬渓流は有名な観光スポットとして皆さんもご存知かと思いますが、実は奥入瀬渓流の水の流量は、十和田湖からつながるゲートで当社がコントロールしています。観光シーズンに行う奥入瀬川への放流では,夜間の流量を絞っておき朝方にゲートを大きく開けてたくさんの水を流すことであの美しい景色を演出しています。同様に秋田県の田沢湖の水位も当社が調整していたりと、地域に人を呼び込む観光資源の維持にも貢献しています。
このように水力部門の事業そのものが地域社会との共栄のための一つのパーツになっていると考えています。地域のニーズの変化に合わせて、我々の仕事も少しずつ変化させながら、地域との調和を維持・向上させていくことを忘れないようにしたいですね。

「安全、稼ぐ、つなぐ」をミッションとして当社事業と地域社会に貢献する
──社員へ向けてメッセージをお願いします。
水力部門では、「安全、稼ぐ、つなぐ」をミッションとして日々業務に取り組んでいます。設備上危険要素が多くある場所での作業が多いため、維持管理に携わる方を危険から守ることが最重要の命題です。また、安価な電気を作り、会社の利益に貢献すること、そして老朽化が進む設備を長く運用できるようリパワリングなどにも計画的に対応しています。また、維持管理業務の省力化・労働災害防止の手段として、ロボット作業やドローン点検の導入、AIを使った危険予知のシステムの適用性検証などの取り組みも進めています。
- 四足歩行ロボットによる導水路他の点検
- ドローンによるダム・ダム湖の点検
労働力確保の困難化や工事費の高騰など課題は多くありますが、DX・AIも活用しながら「稼ぐ再生エネルギーの担い手」として、当社事業への貢献と地域社会との共栄に努めていきたいと考えています。皆さんもそれぞれの業務で、自分にとっての「より、そう、ちから。」の実践を考えながら小さな前進を積み重ねていきましょう。
