
「電力高度専門アカデミー」とは
電力高度専門アカデミーのルーツは1984年、一定の実務経験を積んだ高校卒の技術系社員が高度な技術や幅広い知識を習得し、第一線職場の中核を担う人材となることを目的に東北電力学園※に開設された「専門部」に遡ります。専門部はこれまで多くの卒業生を輩出し、2015年、30期の節目をもって廃止しました。電力高度専門アカデミーは、この専門部を継承する形で同年8月に開設され、2025年度の受講生で節目の10期を迎えました。
その歴史を振り返ると、2019年の5期では、同年9月に発生した房総半島台風15号の影響による他電力設備の被害発生を受け、一部の受講生が講師とともに現地に足を運び、その経験から得た学びを自身の課題解決に生かしたという事例がありました。
また、2020年の6期では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、翌年まで開講休止を余儀なくされました。
このように、2015年の開設以来、様々なことがありましたが、無事に節目の10期を迎えました。
なお、電力高度専門アカデミーでは2020年の発送電部門の分社化以降も東北電力からの受講生を受け入れており、現在も東北電力・東北電力ネットワーク合同での社内教育として継続しています。
※東北電力学園:1963年5月、宮城県多賀城市に設立された社員養成所。当時の様子は、BRIDGEアーカイブ(1979年11月号2ページ)からご覧ください。
電力高度専門アカデミーの主な課程
電力高度専門アカデミーの受講生は、電気に関する理論を学ぶ「基礎学科」、各部門の設計技術などを学ぶ「専門学科」、プレゼンテーション能力や課題解決能力などのビジネススキルを習得する「一般学科」を半年間学びます。
また、部門ごとに資機材メーカーなどを訪問し、専門的な知見を深めるセンター外研修を実施するとともに、センター外研修後には、部門ごとに報告会を実施し、ハード・ソフトの両面から高い教育を受け、専門性を磨いています。
さらに、課題解決発表会では、受講の集大成として、受講生が個々にテーマを設定し、解決に向け半年間取り組んだ成果を発表します。加えて、基礎学科および専門学科で学んだことの習熟度を確認する修了試験をそれぞれ実施し、学習内容が身についたことを確認しています。
- 基礎学科
- センター外研修報告会
- 修了試験
閉講式で語られた感謝と決意
閉講式で式辞を述べた総合研修センターの林所長は、受講生に対して「幅広い知識と技術を身につけるとともに、豊かな人間性を育むため自己研鑽に励んできた」と称賛し、職場へ復帰する受講生に「電力高度専門アカデミーでの学びを振り返ること。学びを具体的なアウトプットに移すこと。電力高度専門アカデミーの歴史を未来へつなぎ、変革を担う存在になってほしい」と期待を寄せました。
10期生代表として謝辞を述べた、いわき電力センター配電管理課の国分浩次郎さんは、電力高度専門アカデミーの社内外関係者に対し、「電気工学の基礎理論から各分野の専門領域に至るまで、極めて体系的かつ実践的な指導を賜った」と謝意を表すとともに、電力高度専門アカデミーへの参加にあたり、快く送り出し支えてくれた職場の上司・同僚、さらに参加を理解し温かく背中を押してくれた家族にも、「安心して学びに専念することができた」と感謝の言葉を述べました。その上で、「電力を取り巻く環境が大きく変化する中にあっても、学び続ける姿勢を忘れず、安全と安定供給を支える電力エンジニアとして、活力と笑顔のある職場づくりに貢献していきたい」と今後の決意を示しました。
- 修了証書授与
- 10期生代表謝辞
閉講式後の受講生代表コメント
10期生の学生会会長を担った仙台電力センター送電課の柴田正明さんは、「基礎学科で数式にはさまざまな要素や成分が織り込まれていることを知り、目に見えない電気の世界への理解が深まった」と所感を述べた上で、「電力高度専門アカデミーの卒業生として職場へ復帰することに対し、身が引き締まるのを感じている。半年間の受講をとおして学んだことを生かし、さらに質の高い仕事ができるよう、より一層精進していきたい。また、電力高度専門アカデミーの魅力を後輩に伝え、今後も続く伝統ある社内教育として後世につないでいきたい」と抱負を述べました。
10期生で唯一の女性社員である仙台南電力センター配電管理課の阿部陽さんは、「電力高度専門アカデミーでの半年間は、会社から自分へ投資してもらったものと認識している。職場復帰後は、得た知識を主に若年層社員へ水平展開していきたい」と抱負を述べました。
結び ~多くの卒業生第一線職場の中核として活躍中!~
総合研修センター講師からのコメント
受講生にとって、他部門の社員と苦楽をともに過ごしたことも貴重な経験であり、課題解決発表会や修了試験の前には、互いに教え合い、学び合う姿が自然と生まれていました。10期生の強い絆は、組織の垣根を越えた連携意識を高め、今後の業務運営に生かされることが期待されます。
電力高度専門アカデミーの卒業生は、2025年度の10期生を含め、計188人となりました。現在、多くの卒業生が第一線職場の中核として活躍しています。電力高度専門アカデミーでは、今後も実りある社内教育として継続していくため、将来の第一線職場の中核となるべく高い志を持つ社員の応募を心よりお待ちしています。

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