■土木建築部■業務で培った技術を基に3名が博士号を取得!

 この度、土木建築部 副長の菅野剛さん、主任の高橋潤さん、山口和英さん(電力中央研究所出向)の3名が同時に工学分野の博士号を取得しましたので、ご紹介します。

博士号取得の概要

 菅野さんと高橋さんは東北大学災害科学国際研究所津波工学研究室の今村文彦教授※1の指導のもと、痕跡が残っている過去の津波の波源について、山口さんは横浜国立大学コンクリート研究室の前川宏一教授※2の指導のもと、構造物直下に位置する断層が活動した場合の構造物の破壊のメカニズムについて、研究成果を博士論文にまとめ、厳しい審査を経て、学位取得に至りました。

 土木建築部では、地震・津波などの自然現象や自然現象に対する構造物の安全性など、国内外の最先端の研究成果を用いて、当社が保有する電力設備の影響評価を行っています。博士号を取得した3名の研究にはこれらの業務での成果が活用されており、土木建築部の業務が高い専門性と確かな技術力に裏打ちされていることを示しています。

 土木建築部では今後も質の高い技術サービスの提供により、会社の成長や社会の発展に貢献すべく、継続して研鑽に励むこととしています。

 

※1:東北大学災害科学国際研究所津波工学研究室 今村文彦教授

津波工学の世界的権威。地震や津波のメカニズムの解明に大きく貢献し、防災功労者内閣総理大臣表彰、文部科学大臣表彰科学技術賞など、受賞歴多数。東北大学災害科学国際研究所所長のほか、公的機関における防災に関する組織体の長(復興庁復興推進委員会委員長など)を歴任。

 

※2:横浜国立大学コンクリート研究室 前川宏一教授

コンクリート工学の世界的権威。土木学会論文賞・研究業績賞、出版文化賞など受賞歴多数。我が国のコンクリート構造物の技術規準「土木学会コンクリート標準示方書」の改訂の中心人物であり、土木学会コンクリート委員会委員長などを歴任。

 

菅野剛さんへのインタビュー

論文名:「北海道太平洋岸西部地域での地震および地震以外による津波の評価」

 

Q1:博士号取得を目指したきっかけは。

A1:当社電力設備の津波評価と対策には専門的かつ高度な技術が必要であるため、東日本大震災の前から、社外の学識者の指導を得ながら評価を進めてきました。それらの評価結果の学術的な裏付けや、社会の防災・減災にも貢献できる成果を得るため、周囲の方々の後押しもあり、取得を目指したものです。

 

Q2:日常業務との両立で工夫・苦労したことは。

A2:原子力発電所の審査対応業務との両立の困難さは進学前から分かっていたので、業務と研究の成果をあらかじめイメージし、3年で修了するスケジュールを立ててスタートしました。業務も研究も順調に進めることができ、苦労よりも日々の達成感が上回りました。本当に充実した時間でした。

 

Q3:博士号取得を通して得たものは。

A3:業務を通じて培った技術が博士号を取得できるレベルに到達していたことを実感できました。皆さんもその技術を有しています。是非、チャレンジを!

 

左から高橋さん、菅野さん、今村教授

高橋潤さんへのインタビュー

論文名:「1611年慶長奥州地震津波の学際的な情報に基づく波源推定」

 

Q1:博士号取得を目指したきっかけは。

A1:異動に伴い当社電力設備の津波評価の担当となったことで、専門書や国内外の学術論文に目を通す機会が増えました。専門性の高い業務に携わり、社内外の学識意見者の先生との意見交換・議論を重ねる中で、これまで積み上げてきた知識を活用し、未だ謎が多い歴史津波(1611年の慶長奥州地震津波)像を少しでも解明したいという気持ちが芽生えたことから、挑戦を決意しました。

 

Q2:日常業務との両立で工夫・苦労したことは。

A2:日常業務に加え、子供が生まれたばかりということもあり、研究時間の確保が一番の課題でした。土日の細切れ時間や帰宅後の時間を研究に充て、時間短縮のために英語論文は、一旦自動翻訳し概要を頭に入れてから必要箇所のみ読むなど、効率化を図りました。

 

Q3:博士号取得を通して得たものは。

A3:業務で扱う内容の技術レベルの高さを認識するとともに、通常の会社員生活では経験し難い達成感も得ることができました。指導教員の今村先生をはじめ、ゼミの際にコメントを下さった先生・学生の方々、忙しい職場にも関わらずゼミや対外発表のため不在となる時には嫌な顔をせず送り出してくれた上司・同僚の皆さん、そして家族には、本当に感謝しています。

山口和英さんへのインタビュー

論文名:「断層変位が作用する地中ボックスカルバートの耐変位評価手法の構築」

 

Q1:博士号取得を目指したきっかけは。

A1:当社は原子力リスク研究センター共通研究※3「屋外重要土木構造物の断層変位に対する評価手法の確立に関する研究(~2020FY)」の幹事会社として、研究を主導してきました。本研究は独創性および学術的価値があることから、博士論文として公知する必要があると感じ、自らが挑戦することで部門の先駆けとなりたいと考えたものです。

 

Q2:日常業務との両立で工夫・苦労したことは。

A2:社会人博士は、日中は業務があるため夜間や休日を利用して論文執筆などの研究活動をすることになりますが、単身赴任で自分の時間が多く持てたことも、学位取得を達成できた要因の一つと考えています。

 

Q3:博士号取得を通して得たものは。

A3:人との繋がりの大切さを再認識しました。博士号取得は指導教官を引き受けてくれる大学教授を探すことが第一関門となりますが、上司に紹介してもらった教授に快諾をいただくことができました。指導教官は私の稚拙な論文に対し、夜間や休日を問わず丁寧に指導くださいました。学位を取得することができたのも皆さまの温かい言葉、支援の賜物だと感じております。本当に感謝しています。

 

※3:原子力リスク研究センター共通研究

電力各社が共同して実施する電力共通研究のうち、原子力施設の安全性向上に係る共通のニーズが高いテーマに対し、その課題解決のために実施する研究。電力中央研究所の原子力リスク研究センターが研究管理することから、原子力リスク研究センター共通研究と呼ばれる。

 

山口さん

イイね!
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