
総勢約100名が出席した「交通安全を誓う集い」
昨年1月10日、女川原子力発電所構内の交差点において、協力企業のダンプ車両が帰宅のため交差点を横断していた協力企業従業員1名を巻き込む死亡事故が発生しました。
この集いは事故発生から1年を迎えて、発電所構内で働く全員が「二度とこのような悲惨な事故を発生させないこと」「事故を風化させないこと」の決意を新たにし、交通安全の更なる意識高揚を図るために開催したものであり、関係者(女川原子力発電所安全衛生協議会、石巻警察署、原子力部、人財部調査役 総勢約100名)が一堂に会し、事故で亡くなられた被災者のご冥福をお祈りするとともに、災害の振り返りと再発防止対策の取り組み状況を確認しました。
開会にあたり参加者全員で黙祷を捧げ、開会宣言の後、阿部所長があいさつし、金澤常務がメッセージを述べました。また、石巻警察署の手島俊明署長を招き、交通安全訓話をいただきました。

参加者全員での黙祷
開会挨拶
<東北電力女川原子力発電所 阿部所長>
昨年1月に発生した交通死亡事故は、発電所構内で働く仲間の尊い命を失うという、あってはならない事故であり、私たちはこの事故を重く受け止め、ご遺族の癒えることのない悲しみを、しっかりと心に刻み、決して忘れてはなりません。
本死亡事故発生以降、発電所としては所内に「交通安全特別チーム」、安全衛生協議会に「交通安全部会」を立ち上げ、現在も両組織が連携のもと、交通安全に関する具体的な対策の検討と、スピーディーかつ実効性のある対策を実施しているところです。二度とこのような交通死亡災害を発生させることのないよう、引き続き交通安全の一層の取り組み、各対策の確実な実施をお願いします。
本日の「交通安全を誓う集い」を機会に、女川原子力発電所 安全衛生協議会としては、毎年1月10日を「交通安全を誓う日」と定め、その日は各人が交通ルールの遵守状況や、車両の運転状況などを振り返り、命の尊さと交通安全の大切さを改めて認識していただく日といたします。各企業におかれましても本趣旨をご理解いただき交通災害の防止に取り組んでいただくようお願いします。
女川原子力発電所は安全対策工事の最終盤を迎えております。このプロジェクトに携われることを誇りに思い、何としても成し遂げるという気概を持って日々の業務にあたっていただきたいと思います。

あいさつする阿部女川原子力発電所長
「交通安全、労働災害防止」に向けたメッセージ
<東北電力 金澤常務>
安全の研究の中で、一つの有名な言葉があります。「安全はこの世に存在しない。存在するのは危険(リスク)だけである」「潜在するリスクを顕在化しないように努力し続けた結果、何事も起らなかった状態を安全という」。(黒田勲(1927-2009) 元日本ヒューマンファクター研究所長)
現場の交通ルール、横断歩道や停止線の有無など、存在していたリスクが顕在化してしまい、残念ながら1年前に交通死亡事故が起きてしまいました。しかしながら、この1年間の皆さまの交通安全への努力によりリスクを抑え続けた結果、交通安全意識が高まるとともに、構内環境も大きく改善されました。
この事故を振り返り、交通安全に限らず労働災害防止に向けても、自分を、そして工事会社の方や委託会社の方一人ひとりを守るため、私たちがそれぞれの立場で果たす役割は何か、自らの行動が他者の安全にどれほど深く関わるかをあらためて真剣に考えていただくようお願いします。

来賓あいさつする金澤常務
交通安全訓話
<石巻警察署 手島俊明署長>
安全とは、あくまで相対的なものであり、危険と安全は反対語にはなり得ないのです。安全の対極は「効率」です。安全と効率は一枚のカードの表裏の関係で、効率ばかり優先すれば、おのずと安全性が軽視されて危険が増し、逆にガチガチに安全を追求すれば、効率性は極めて悪くなるはずです。「許容された危険」こそが安全です。どんなに安全対策をとったところで、絶対的な安全などはなく、ゼロリスクにはならないのです。つまり「制御可能な危険」という状態が「安全」なのです。
年始早々に羽田での重大航空機事故が発生しました。飛行機事故に遭遇する確率は「殆どあり得ない」と考えて然るべしなのに、それでも怖がる人がおり、そういう人にとって、飛行機は「安全だけど、安心ではない」ということになるのですが、こういった人に「安心感」を与えるのは並大抵なことではないということは、原子力発電所に勤務する皆さんは肌で感じられていることでしょう。どんなに技術が優れていても「安心」という信頼関係が損なわれてしまえば、その時点で全てアウトなのです。
事故原因の多くは、ヒューマンエラーに起因しており、ミスやエラーを根絶することなど不可能です。管理者としては、生身の人間が仕事をする以上、ミスやエラーは必ず発生するものだと、平素から腹をくくっておくことが第一で、発生した場合にいかに振る舞い、いかに有効な手を打つかということが大事であり、事後に行為者を責め立てるだけでは意味がありません。ミスやエラーを生む環境を作った管理者自身も、その共犯者であり、管理者も真摯に反省して有効な対策を練るべきでしょう。
重大事故の発生要因が4M(人的要因,物的要因,環境的要因,管理的要因)である以上、その対抗策は4E(人的対策,物的対策,環境的対策,管理的対策)であります。人的対策のマニュアルの整備とその普及に関しては、「ノウハウ(know how)」と「ノウホワイ(know why)」のパッケージ化を図る必要があります。仕事の手順についてノウハウを伝承する場合は、「どのようにするか」だけではなく、「何故やらなくてはならないのか」あるいは「何故やってはならないのか」といった理由をセットで説明して、理解させることが必要です。
重大事故の記憶は、「忘れてしまいたい忌まわしい出来事」ですが、組織を預かり、多数の部下とその家族をも守る立場の者としては、「忘れてはならない戒め」として伝承しなければならないのです。

石巻警察署 手島署長による交通安全訓話
災害の振り返りと各社の取り組み、決意表明、交通安全の誓い
女川原子力発電所交通安全部会、構内協力企業が災害の振り返りと再発防止の取り組みの発表を行いました。
・女川原子力発電所交通安全部会:交通死亡災害の概要と再発防止対策の実施状況について
・鹿島建設:交通死亡災害発生後の安全の取り組みについて
鹿島建設の「交通災害撲滅を目指した決意表明」に引き続き、「交通安全の誓い」を参加者全員で唱和し、交通死亡事故の撲滅に向け、気持ちを一つに誓い合いました。

東北電力女川原子力発電所 交通安全部会長 斉藤総務部長による発表

鹿島建設 WS関連土木工事事務所 金澤所長による発表

交通災害撲滅を目指した決意表明

参加者全員による交通安全の誓い