
採用活動をとりまく厳しい環境
少子高齢化や雇用の流動化が進む中、働き方や価値観は多様化し、企業に求められる人材戦略は大きく変化しています。東北電力グループはこうした社会構造の変化を踏まえ、マテリアリティとして「多様な人財がイキイキと働く職場作り」を掲げ、人事・賃金や福利厚生制度の整備、柔軟な勤務制度の導入、健康経営の推進など、働きやすさと働きがいの両立に向けた施策を強化しています。
しかしながら新卒人口が減少の一途をたどる一方で求人数はやや増加傾向にあり、少なくなっていく学生を企業が奪い合う状況、いわゆる「売り手市場」を背景として学生の出願企業数などは減少傾向にあります。したがって、企業にとっては学生に認識されることはもちろん、志望企業の上位に入ることが一層重要になってきています。
企業が学生からより強く志望されるためには広告などの接触機会を増やすだけでなく、会社や事業の具体的な魅力を知ってもらい、会社に対してポジティブな感情を持ってもらうことが必要です。そこで学生の応募や企業の面接が本格化する前に行われる取り組みの1つが、インターンシップやオープンカンパニーといった就業体験です。
就業体験の重要性は年々増している
仕事を通じて、学生に自社を含めた業界や仕事の理解を促進させることを主な目的として開催される就業体験。その重要性は年々増しており、㈱リクルートによれば2024年卒業の学生における就業体験などへの参加率は74.2%で、一人あたり平均して7.3社の就業体験などに参加しています。採用内定者に占める、その会社の就業体験などへの参加者の割合は平均して34.6%で、この割合は年々増加傾向にあります。
東北電力・東北電力ネットワークの新入社員においても就業体験の参加者は多く、総務・地域共創部門が実施した新入社員向けのアンケートにおいても以下のような回答がありました。全国的な傾向と同様、東北電力・東北電力ネットワークにおいても就職先を選ぶ際の基準として就業体験で感じたことが重視されていることが分かります。
【就職活動での思い出や忘れられないエピソード】
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東北電力・東北電力ネットワークの就業体験。夏季は6コースを設定
このように採用活動における就業体験の重要性が増している中、東北電力・東北電力ネットワークにおいても工夫を凝らした就業体験が行われています。
東北電力・東北電力ネットワークにおける業務は多岐にわたりますが、2025年夏季の就業体験においては以下の6コースで、部門ごとに内容を工夫して実施しました。
【技術コース】①発電コース:発電4部門(水力、風力、火力、原子力)の就業体験など(5日間) ②NWコース:NW5部門(給電、変電、送電、配電、通信)の就業体験など(5日間) ③建築コース:建築部門の就業体験など(3日間) ④土木コース:土木部門の就業体験など(3日間) ⑤DX・情報コース:情報部門の就業体験など(1日間) 【総合コース(事務系)】⑥事業創出コース、リビング営業コース、総務・地域共創コース:各部門の就業体験など(3日間の内から任意の1日間)
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①発電コース
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発電コースのカリキュラム
本道寺発電所の見学
- 社員との座談会
- グループワーク
②NWコース
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NWコースのカリキュラムの例
- 給電部門の系統運転操作体験
- 変電部門の機器操作体験
- 送電部門の昇塔体験
- 配電部門の漏電調査体験
- 情報通信部門のネットワーク構築体験
- 社員との座談会
③土木コース
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土木コースのカリキュラム
- 業務説明
- 原町火力発電所の見学
- 建設現場の見学
- VRを使用した危険箇所抽出トレーニング体験
④建築コース
- 新仙台火力発電所の見学
- 仙台港変電所の見学
- 三居沢水力発電所の見学
- 本店オフィスの見学
⑤DX・情報コース
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⑥事業創出コース、リビング営業コース、総務・地域共創コース(事務系)
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総合コース(事務系)のカリキュラム(いずれか1日を選択し参加する)
- 事業創出部門の事業紹介
- 事業創出部門のグループワーク
総務・地域共創部門のエネルギー出前講座見学
参加した学生の声
就業体験に参加した学生からは、以下のような声がありました。
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「選ばれる企業」になるために
就業体験をはじめとする現在の採用活動について、東北電力人財部(採用)佐藤 諒甫 さんにお話を伺いました。

人財部(採用)佐藤 諒甫 さん
──採用活動において就業体験を行う重要性をどのように考えていますか。
いわゆる「配属ガチャ」への忌避感に代表されるように、現在の学生は「自分の数年後の姿」を具体的に描きたいというニーズが強く、「入社したらどのような仕事ができるか」という情報に対する関心が高いです。したがって企業にはこれまでのように事業の将来性、待遇といった長期的な要素だけでなく、入社後の直近のキャリアについても可能な限り丁寧に説明することが求められています。
社内にはどんな部門があり、どのような業務があって、部門同士はいかにして連携していて、その中で新入社員はどんな仕事をするのか…もちろん採用ホームページにも部門紹介や社員紹介のコーナーはありますが、どうしても一方的な情報になってしまうので、実際に肌で感じてもらうためには就業体験のような対面でのイベントが重要になってきます。
──就業体験を提供することで会社側にはどういったメリットがありますか。
学生は「会社や社員の実際の雰囲気」を知りたがっている場合が多く、説明会や選考とは異なるリラックスした環境で社員と触れ合ってもらえること、それにより東北電力・東北電力ネットワークへの志望度が高まることが期待できます。また「自分が入社後にやる仕事」のイメージを具体的につかむことができるので、実際に入社した後のギャップも減らすことができます。
──実際BRIDGEでも夏季就業体験のコースにいくつか同行しましたが、カリキュラムには各部門の業務に応じた専門的な内容が含まれていました。どのようにしてカリキュラムを組んだのですか。
全体的な調整は人財部が行いますが、各コースにおける実際のカリキュラムは関係する各部門に作成いただいています。採用難は各部門の担い手不足に直結する問題ということもあり、その部門で働くことの面白さややりがいを直接感じてもらえるよう、どの部門も魅力的なカリキュラムを組んでいただいています。
──施設見学でも実際の業務に即した説明がなされていて、取材班にとっては少し難解に感じられる部分もありましたが、その分野を専攻している学生たちは興味を持って聞いていたように見えました。
特に技術系のコースにおいては、参加学生がその分野の学問を専攻している場合も多いので、そういった学生の高い知識レベルに合わせた説明をしていただくよう部門の方にお願いしています。
普段大学で研究をしている学生にとって、その分野で実際に業務をしている社員の話は非常に興味深いものだと思いますし、せっかく東北電力や東北電力ネットワークの仕事に興味を持って就業体験に応募してくれたのだから、通常の見学会を超えた体験を提供できたらと思っています。
──就業体験の開催を通じてどのようなことを期待しますか。
会社全体で志望者数が増加することももちろんですが、実施に携わってもらった各部門において、それぞれが求める人財を獲得することにつながればと思っています。
今回の就業体験を通じて、学生は自分がその部門の社員になったらどのような仕事をすることになるのか、具体的なイメージを持つことができたと思います。魅力的に感じたならば是非、その部門を志望してほしいですね。
──現在の状況と、今後の予定について教えてください。
11月に秋の就業体験を終え、2027年卒業予定の学生に対する採用活動は一層本格化しています。
東北電力と東北電力ネットワークでは年末にかけて、各部門の社員と学生が対話を行う対面型のイベント「キャリアトーク」を予定しているほか、インターネット上の専用サイトを通じて学生が興味のある社員とオンラインで対話を行う「社員対話」も並行して開催し、入社後のキャリア形成のイメージ作りを積極的に進めています。
採用チームは「よりそうnext+PLUS」にもとづく2030年代の「ありたい姿」実現のため、今後も採用の側面から人的資本の強化を続けていきます。
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