「地域共想プログラム」中間発表会を開催

 東北電力が昨年6月に創設した新たな地域活性化支援策「地域共想プログラム -地域想いびとがつくる東北・新潟の未来-」は、東北・新潟の社会課題に挑む社会起業家とともに、持続可能な地域の未来の実現を目指す取り組みです。1月16日に開催した中間発表会では、その採択者たちがこれまでの歩みと今後の展望を発表しました。

これまでのあゆみ

 東北電力は昨年6月、新たな地域活性化支援策「地域共想プログラム -地域想いびとがつくる東北・新潟の未来-」(以下、本プログラム)を創設しました。これは、東北・新潟の社会課題に挑む社会起業家とともに、持続可能な地域の未来の実現を目指す取り組みです。

(参考)新たな地域活性化支援策「地域共想プログラム -地域想いびとがつくる東北・新潟の未来-」始動!-募集説明会開催中!-

 

 応募があった合計52団体の中から書類選考、オンライン面談を経て採択された8団体は、10月のキックオフイベント以降、専門家によるメンタリングや定期的なワークショップなどを重ねながら、事業の強化、成長を図ってきました。その過程では、東北電力社員も伴走者として参画し、採択者らとともに地域課題に向き合ってきました。

(採択者の紹介:東北電力グループnote「地域共想プログラム」)

 

熱気あふれる中間発表会

 

会場となったINITILAQ(仙台市若林区)

 

 1月16日に行われた中間発表会では、採択者たちがこれまでの歩みと今後の展望を発表しました。会場には伴走者である専門家や東北電力社員、運営事務局など約50名が集まりました。

 

 中間発表会の冒頭、東北電力総務・地域共創部門の土橋部長は主催者挨拶で「会場には、皆さんの志に触れたいと自ら手を挙げた社員伴走者15名も参加している。多くの社員が皆さんの思いに共感し、行動を起こしていること自体、すでに当社は大きなソーシャルインパクトをいただいていると、ありがたく感じている。本プログラムの中での新たな発見や気付き、そして苦労を、今日は率直に共有してほしい」と温かなメッセージを送りました。

 その後、採択者たちは事業への思いと、本プログラムでの取り組み、そして未来への展望を発表しました。会場にはゲストコメンテーターとして株式会社PEER 代表取締役社長の佐藤 真琴 さんと、NPO法人ドットジェイピー理事長・武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 教授の佐藤 大吾 さんが招かれ、採択者たちの発表内容に対して、質問や助言を行いました。

 

 

緊急搬送の新しいかたち、自治体との実証へ

株式会社VISTA 代表取締役 戸井田 涼 さん(秋田県)

  • 救急隊員時代に感じた課題から、介護タクシー・民間救急事業を展開するVISTAの戸井田さん。非緊急搬送のモデルを地域で育てインフラ化したいと、現在は実証に向けて取り組んでいる
  • 「実証フィールドや地域の担い手などを求め、伴走者や事務局のサポートを受けながら、連携先となる自治体を開拓中。自治体単位で最適化モデルをつくり、全国へ展開していきたい」と展望を語った
  • コメンテーターからは「自身の経験を基にしているので説得力がある。今後はドライバーの確保がボトルネックになるかもしれないが、タクシーの配車アプリとの連携で展開が広がる可能性を秘めている」といった期待の声が寄せられた

 

 

現場での気づきが、新たなミッションへ。人と自然をつなぐ、「はまのね」の決意

一般社団法人はまのね 代表理事 亀山 貴一 さん(宮城県)

  • 宮城県石巻市の蛤浜(はまぐりはま)でネイチャーポジティブ※1に取り組む「はまのね」の亀山さん。本プログラムでは、伴走者である専門家や東北電力社員がフィールドワーク研修を体験し、外部の視点からプランのブラッシュアップを行った
  • その過程で、「人と人、人と自然の関係をつなぎ豊かな未来を共創したい」という新たなビジョンも生まれている
  • 亀山さんは「今後は、情報発信力や営業の強化に加え、『自然共生サイト※2』への登録にも取り組みたい」と新たな決意を述べた
  • コメンテーターからは「この場所が選ばれる理由をより明確に」「森林環境税の活用も検討してみては」など具体的な助言が寄せられた

  ※1:「自然再興」を意味する言葉。生物多様性の損失を止めて、反転させ、自然を回復軌道に乗せること

  ※2:環境省が認定する、生物多様性の保全が適切に図られている企業・自治体・団体・個人などが所有する土地

 

 

地域へのインパクトを重視。組織力を強化し、地域とともに成長へ

株式会社Japan Navi青森 代表取締役 飯田 広助 さん(青森県)

  • 青森を起点に地域の特産品や文化を世界に発信し、「地域と世界をつなぐ」挑戦を続けるJapan Navi青森の飯田さん。プログラムでは、自治体コンサルティング事業の拡大戦略や広報戦略を検討し、今後は広報力向上と事業拡大に向けた人材確保、組織力強化を進めていく考え
  • 「地域とともに進めることでスピード感が落ちる可能性がある中、事業拡大とのバランスをどう取るか」との質問に対しては、「規模の拡大そのものが目的ではなく、地域とともに成長していきたい。そのうえで、売上100億円、雇用100名を実現できれば、地域に確かなインパクトを生み出せる。私は青森出身で東北への思いが強い。思いを持った仲間が集まり、各地域で取り組む。それが最も理想的な形」と熱く語った

 

 

三陸椿物語の可能性を広げる出会い

株式会社バンザイファクトリー 代表取締役 髙橋 和良 さん(岩手県)

  • 岩手県大船渡市を拠点に、三陸沿岸の椿を原料とした椿茶の製造・販売に取り組んでいる、バンザイファクトリーの髙橋さん。元々は販路拡大を目指して参加したプログラムだったが、同じく採択者となったSSS小田さんが運営する「ずんだもん」との出会いで、事業の可能性が広がったという
  • 「ずんだもん」コラボの椿茶を商品化し、椿のストーリーを「ずんだもん」が語る動画も制作した。「宮城県内での新規開拓を進めたい。コーヒー・お茶といった従来の飲料カテゴリーではない形での導入を提案していきたい」と意欲を滲ませた
  • 福祉施設との連携が、結果として品質の向上につながり、生産量も増えているという椿茶。コメンテーターからは「福祉施設における就労モデルの1つになり得る」とメッセージが送られた

 

 

ジンで香りを届ける挑戦。仲間とファンの輪を広げ次のステージへ

株式会社Kokage 代表取締役 大島 草太 さん(福島県)

  • 福島県川内村でクラフトジンづくりに取り組む、Kokageの大島さん。ジンの製造販売と地域づくりを2つの柱に、経済と文化の循環による持続可能な地域の実現を目指している
  • 本プログラムに取り組む中で、会社が持つビジョンや社会的価値を言語化するための対話を重ねた大島さんは、「仲間とファンの輪を広げていくことが次のステージへの鍵だ」と気づいたそう
  • 「クラフトジンはようやく軌道に乗ってきたが、マーケティング戦略も必要。発信力の強化や、ファンコミュニティの創設に挑戦したい。また、オープン準備中のレストランバーや、宿泊施設の構想もファン向けの現地体験になり得るので、一つずつ形にしていきたい」と語りました
  • コメンテーターからは「酒づくりは地域から愛されることが特に大切。競争が激しい市場の中でいかに選ばれるかを大事にしてほしい」との助言があった

 

 

キャラクターを通じて、街の賑わいを取り戻す

SSS合同会社 CEO 小田 恭央 さん(宮城県)

  • 「東北ずん子」「ずんだもん」などのキャラクターを通じてクリエイターや東北企業を支援する、SSS合同会社の小田さん。キャラクターの積極的な活用とファンとの共創を促すための仕組みとして、ガイドラインの整備や不適切な利用を通報するシステムなどを説明した
  • 本プログラムでは、東北電力フロンティアと連携し「ずんだもん」のAI実装に挑戦中。営業マンの代わりに顧客へアプローチするAIサイネージを開発し、無人施設や店舗、受付窓口などへ導入することで人口減少下における労働力不足の解消を目指している
  • 「この取り組みも、街の賑わいを取り戻し、『ずんだもんの声が響く東北にしたい』という一心から。そのためにもあらゆる人や企業が遊び心をもって使える素材や環境を提供し続けていきたい」と語った

 

 

世代を超えてゆるやかにつながる、「地域の縁側」を拡大

株式会社未来企画 代表取締役 福井 大輔 さん(宮城県)

  • 仙台市にある、福祉を軸に多世代が集う複合施設「アンダンチ」などを中心に、介護事業などを手掛ける株式会社未来企画の福井さん。このプログラムでは、障害のある兄弟姉妹を持つ子ども、いわゆる「きょうだい児」の支援に挑戦している
  • 「我慢することも多いきょうだい児たちの、心の拠り所になるような場を作りたい。今後は露出を増やして間口を広げ、自分たちの事業をもっと知ってもらいたい。そこから福祉に関心を持ってもらい、地域にしっかり根を張っていきたい」と展望を語った
  • コメンテーターからは「出資者を募ることで、知恵を出す人や働き手が増え、『共助』の輪が広がりやすくなるのでは」といった助言もあった

 

 

地方発のテクノロジーで、医療を変える

株式会社コルシー 代表取締役社長 堀口 航平 さん(新潟県)

  • 長年続く地域の医師不足解消のため、心電図データと専門医をつなぐプラットフォームを展開し、医療のDX化を進めているコルシーの堀口さん。本プログラムへの取り組みを「自分が本当に何を成し遂げたいのか、深く見つめる機会になった」と振り返る
  • 「今は医師免許のDX化や、医師と地域が自然に出会う仕組みを作るため、新潟・佐渡をフィールドにした新たな事業を構想している。3月の最終成果発表会では、実証事業のスタートという成果を報告したい」と意気込みを語った
  • コメンテーターからは「社会的意義もあり、とても面白い事業」「参入障壁が低い可能性もあるので、独自性のあるビジネスモデルとスピード感を大切にしてほしい」との期待が寄せられた

 

 

 採択者たちによる発表の後は、「ソーシャルインパクト・ワークショップ」を実施。採択者たちは自身の事業が地域や社会にどのような変化をもたらすのか、「社会的インパクト」を改めて可視化・言語化するワークに集中的に取り組みました。

 採択者たちは今後、さらに事業を磨き上げ、社会的インパクトの最大化に挑んでいくこととしています。

 

最終成果発表会は3月6日。社員もオンライン参加が可能

【最終発表会】

 開催日時:3月6日(金)12:30:~15:30(予定)

 開催場所:CROSS B PLUS(宮城県仙台市青葉区大町1丁目1-30新仙台ビルディング1階)

 ※社員は原則として下記リンクよりオンライン参加とする

 オンライン参加申込方法:リンクより申込(締切3月6日(金)10:00)

 

(総務・地域共創部門(地域共創・広報)高坂 華林 さんからのメッセージ)

 本プログラムでは10月からの約半年間、8団体の採択者の皆さまが、伴走者である専門家の皆さまや東北電力社員とともに、地域課題に向き合いながら、挑戦を重ねてきました。

 最終成果発表会は、その取り組みの集大成として、これまでの成果や学びに加え、ビジョン実現に向けた今後の事業計画、多様なステークホルダーとともに新しい価値を生み出していくプロセスを共有し、事業実現がもたらすソーシャルインパクトをともにイメージする場です。

 当日は、最終審査員による審査に加え、会場・オンライン参加者の皆さまによる「応援投票」を実施し、受賞団体を決定、賞金を授与します。皆さまの一票が、挑戦を後押しする大切な力となります。

 本発表を通じて、地域課題の最前線に触れ、東北・新潟の未来を考える貴重な時間になるはずです。

 ぜひ、「地域の未来を共に考え、行動する“地域想いびと”」の一員として、8名の挑戦と熱量を体感してみてください。

 

イイね!
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