素朴な疑問にお答え!

電力業界の「いま」を解説
第1回 ~売れば売るほど「赤字」?~

 今日ショッキングなニュースを見たよ!今電気は「売れば売るほど赤字」なんだって。

 そうなんだ。電気をつくるための燃料の価格が急激に上昇しているうえに、円安も進んでいるんだ。そのため、電気を売る単価よりもつくる単価の方が高くなってしまう「逆ざや」になってしまっているんだ。

 「逆ざや」の状態だと、売れば売るほど東北電力の持ち出しが増えるということね。どうして燃料価格が高騰しているの?

 昨年夏頃から、コロナ禍からの経済活動の回復に伴い需要が増加する一方で、生産国で出荷不調が続いたことから、石炭やLNGの価格が上昇しはじめたんだ。その後もヨーロッパの天然ガス価格や卸電力価格の急騰もあって、冬場には “世界同時多発的な”エネルギー価格高騰と言われる状況になったんだ。

 そうした中で、ロシアによるウクライナ侵攻が発生して歴史的なエネルギー価格高騰の状態が続いているんだよ。

 あとは、3月の地震で何カ所か発電所が停止したのを覚えてる?停止した石炭火力の分を補うため、高騰したスポット価格で追加のLNGを調達しなければならなくなったんだ。こういった影響もあるんだよ。

 そうなんだ。でも電気料金には燃料費の価格変動を反映するための「燃料費調整制度」があるよね?燃料価格を電気料金に転嫁できるから、逆ざやになることはないんじゃないの?

 確かに。でも、一般家庭などの低圧契約に関しては「燃料費調整単価」に上限があることを知っているかな?

 燃料費調整単価に上限があるなんて、考えたこともなかった。

 現行制度導入以来、上限に達したことがなかったから知らないのも無理はないね。家計への影響を考慮して、基準燃料価格の1.5倍を超える変動分は、電気料金に反映しないことになっているんだよ。6月分からはこの上限に到達してしまっているから、超えた分はそのまま東北電力の持ち出しになるんだ。

 燃料価格の高止まりが続くと、電力会社なのに売れば売るほど「赤字」が増えてしまう状況になるんだよ。

 それは大変ね…。

 次回は、新電力の状況を見ていこうね。

 

シリーズは下記リンクからチェック

第2回~新電力はどういう状況なの?~

第3回~最終保障供給ってどういうものなの?~

イイね!
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