メディア対応の極意 [2]コミュニケーションは連携プレーで

 企業が、新聞やテレビなどのマスメディアを介して情報を発信するのは、より多くのステークホルダーに活動への理解を深めてもらうためです。ステークホルダーへの情報の媒介役を担う記者とのコミュニケーションをどのように進めていけば良いのか。メディア対応の在り方(マスメディア編)について、ジャーナリストの大平宗氏に解説いただきます。(2/5)

【寄稿者】大平 宗 氏
ジャーナリスト。経済・エネルギー、企業・団体などの危機管理(メディア戦略)をフィールドに活動。東北電力「原子力の安全と信頼に関する顧問会議」委員、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)アドバイザー、復興庁参与、厚生労働省参与、高度技術社会推進協会理事などを歴任。ペンネームは河原雄三。

[2]コミュニケーションは連携プレーで

 個々のメディアによる単独取材や記者会見での記者とのコミュニケーションは、経験者でも気疲れするものです。記者出身の私でも、取材を受ける側に回ると、記者の理解度が気になって「ちゃんと理解できているかな?」などとあれこれ考えすぎ、終わってからどっと疲れが出ることがありました。

 ただ、どのような形で取材を受けるにしても、皆さんの場合、たった一人で記者と向き合うことはありません。1対1のサシの取材では、後になって「言った」「言わない」などのトラブルが生じることがありますが、そうした事態を避けるためにも広報担当者が取材に立ち会います。大勢の記者を相手にする記者会見では、テーマに関連する部門の担当者もサポート役として同席するわけですから、〝孤独な戦い〟にはなりません。

 記者とのコミュニケーションを円滑に進めていくには、①事前の備え(質問の想定や回答案の準備など)、②本番のサポート体制(助言や補足説明など)、③事後のフォローアップ(追加取材への対応など)–について、関係部門が緊密に連携することが重要です。

 

 

■予行演習も有効~記者会見への備え

 ここからは、記者会見の留意点などについて解説します。通常は、学校の教室のようにスクール形式で行いますが、時間が限られている場合や会見場を確保できない場合などに、「ぶら下がり」や「囲み」と称して、ロビーや廊下の片隅などで報道陣に囲まれて取材を受ける変則的なスタイルもあります。

  記者会見への備えとして、予想される質問項目と回答案をまとめた「想定問答」を会見前に読み込んでおくことは必須です。しかし、本番では想定通り進行することはなく、報道陣とのやり取りが白熱すれば、つい口を滑らせたり、記者の質問に誘導されたりして意図せざる内容の記事を書かれてしまうことも。そうした事態を避けるにはどうすべきか。

 「想定問答」を読み込むだけでなく、本番を想定した「模擬記者会見」で不規則な質問にどう答えるか試みるのも一案です。たとえ短い時間でも、同僚の方を記者に見立てての予行演習は、本番に近い雰囲気を感じ取ることもできるので参考になります。

 会見で強くアピールしたい、特に強調したいこと(キーメッセージ)も、事前に用意しておけば本番での心強い〝武器〟になります。キーメッセージとは真逆の、NGワードや会見の場で言及すべきでない事柄なども、関係者間で事前に確認しておく必要があります。

 

 

イイね!
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