
これまでの歩み
東北電力は昨年6月、新たな地域活性化支援策「地域共想プログラム -地域想いびとがつくる東北・新潟の未来-」(以下、本プログラム)の創設しました。これは、東北・新潟の社会課題に挑む社会起業家と共に、持続可能な地域の未来の実現を目指す取り組みです。
(参考)新たな地域活性化支援策「地域共想プログラム -地域想いびとがつくる東北・新潟の未来-」始動!-募集説明会開催中!-
応募があった合計52団体の中から採択された8団体は、専門家によるメンタリングや定期的なワークショップなどを重ねながら、事業の強化、成長を図ってきました。その過程では、東北電力社員も伴走者として参画し、採択者らとともに地域課題に向き合ってきました。
(採択者の紹介:東北電力グループnote「地域共想プログラム」)
(中間発表会の様子:「地域共想プログラム」中間発表会を開催)
期待と熱気に包まれた最終成果発表
3月6日に行われた最終成果発表会。土橋部長(現執行役員山形支店長)は冒頭の挨拶で、このプログラムが若手社員を起点に始動したことや、地域想いびとたちの挑戦とその活動の持続的な広がりへの期待を伝えました。続いて総務・地域共創部門(地域共創・広報)の髙坂 華林 さんが「地域の未来を想い、行動する多くの方々が参加できる取り組みにすることを特に大切にした」と、本プログラムに込めた想いを振り返り、発表会がスタートしました。
- 総務・地域共創部門 土橋部長
- 総務・地域共創部門(地域共創・広報)髙坂さん
その後、各採択者は自身が向き合う社会課題や原体験、半年間の伴走支援を通じて磨いてきた事業構想、そして今後の展望を語りました。
(発表内容の詳細:8名の「地域想いびと」による集大成―東北電力「地域共想プログラム」最終成果発表レポート)
-
『若者が地方にいながら「面白い」仕事を』
株式会社Japan Navi青森(Japan Navi Group) 飯田 広助 さん(青森県)
-
『「誇り」を胸に、地域の灯りを増やしたい』
株式会社バンザイ・ファクトリー 高橋 和良 さん(岩手県)
-
『非緊急搬送を「当たり前」の選択肢に』
株式会社VISTA 戸井田 涼 さん(秋田県)
-
「福祉の現場を、誇りを持てる場所に」
株式会社未来企画 福井 大輔さん(宮城県)
-
「東北に30億円のコンテンツ産業を」
SSS合同会社 小田 恭央 さん(宮城県)
-
「蛤浜を社会変革の出発点に変えていきたい」
一般社団法人はまのね 亀山 貴一 さん
-
「ジンは土地の記憶を世界へ届けるメディア」
株式会社Kokage 大島 草太 さん
-
「地域で医療に貢献することの魅力を、より多くの人に知ってほしい」
株式会社コルシー 堀口 航平 さん(新潟県)

発表を真剣に見つめる参加者たち
受賞者の発表 未来への4つの決意
8名の発表終了後、審査者による厳正な審査を行い、「最優秀賞」および「優秀賞」各1団体、そして、会場・オンライン参加者の共感を集めた「地域想いびと賞」2団体が選出されました。選出された各団体に対しては、地域の未来を創る事業を資金面から後押しするための賞金を贈呈しました。
<最優秀賞>株式会社バンザイ・ファクトリー 高橋 和良 さん
【受賞コメント】震災への一番の備えは「人間の強さ」なのではないかと思い、椿の事業を続けてきました。この受賞を励みに、より一層歩みを進めていきます。
|
<優秀賞>株式会社未来企画 福井 大輔 さん
【受賞コメント】プログラム参加を通じ、各採択企業とのご縁から様々な共創が生まれました。また、資料を練る中でたどり着いた「福祉関係人口」という言葉は、私たちの取り組みを的確に表すものになったと感じています。これからも、共創してくれた仲間と共に挑戦を続けていきます。
|
<地域想いびと賞>株式会社Kokage 大島 草太 さん一般社団法人はまのね 亀山 貴一 さん
【受賞コメント】(大島さん)一人ではなく、チームの皆と高い熱量で走り抜けたことが何より嬉しいです。お酒が飲める方も飲めない方も、ぜひ色々な形で私たちの挑戦に加わり、世界へ羽ばたく姿を応援してください。(亀山さん)「起業して13年。『想い』だけで走ってきましたが、だからこそ、この賞をいただけたことが本当に嬉しいです。東北電力をはじめ、伴走してくれた皆さんへの感謝を胸に、さらに歩みを進めていきます。
|
賞金贈呈の後、審査員を代表して、宮城大学 事業構想学群 佐々木教授から総評として「東日本大震災は『ソーシャルビジネス元年』とも言われますが、今日皆さんの姿を見て、東北のソーシャルビジネスは、社会性と事業性の両立が成立すると確信しました。ここからが本当の共創のスタートです。共に、東北の新しい時代を創りましょう。」と、今後のさらなる発展への期待を込めた力強いメッセージが贈られました。

宮城大学 事業構想学群 佐々木 教授
「地域想いびと」の輪を、ここからもっと
総務・地域共創部門(地域共創・広報)の髙坂 華林 さんに、これまでの活動を振り返ってもらいました。

髙坂さん(2025年6月撮影)
【半年間の活動を振り返って】
このプログラムで大切にしたのは、地域の未来を想い、行動する多くの方々が参加できる取り組みにすることでした。人口減少や産業の衰退など、深刻な課題に直面する東北・新潟に危機感を抱く中、「その中でも私たちが生まれ育った地域をより良くしたい」-そんな想いから、地域を想い、行動する同じ志をもつ仲間を「地域想いびと」と名付け、東北電力社員も「伴走者」として、採択者の皆さまと共に学び、共に成長する立場で、プログラムに参画してきました。
この半年間の活動を通じて私が強く実感したのは、地域のために行動している方が数多く存在しているということ、そして、その想いが他の人の想いとつながることで相乗効果が生まれ、それぞれの挑戦が大きく前進するということでした。プログラムを通じて生まれた多くの共創は、東北・新潟地域が抱えている課題解決に向けた一歩を、より力強いものにしていると感じています。
【地域共想プログラムがもたらしたコラボレーション】
①採択者と東北電力グループ企業のコラボレーション
例えば、SSS合同会社の小田さんは東北電力フロンティアと連携し、「ずんだもんAIサイネージ」を制作しました。イベントでの商品PRやアンケート回収を行う「AI労働力」を開発し、人口減少下の働き手不足解消を狙った実証実験を実施。その結果、従来の約4倍となるアンケート回収数を達成しています。

SSS合同会社 小田さん発表資料より抜粋
②採択者と伴走者(東北電力社員)によるコラボレーション
また本プログラムでは、各採択団体に社員が「伴走者」として参画したことで、事業創出部門、関係団体、自治体とのネットワークが広がり、新たな共創が生まれています。例えば、株式会社JapanNavi青森 飯田さんは、事業創出部門と連携し、当社社員向けの事業開発意識向上を目的としたセミナーへ講師としてご登壇いただく予定となっているほか、東北経済連合会との意見交換を通じて販路拡大の可能性を広げています。さらに、株式会社VISTA 戸井田さんは、伴走者や専門家と共に何度も壁打ちを行い、行政への提案を実施。その結果、秋田市・由利本荘市での実証が決定しました。
③採択者同士によるコラボレーション
加えて、本プログラムでは「地域想いびと同士のネットワーク形成」にも取り組み、採択者間での共創事例も生まれました。株式会社バンザイファクトリー高橋さんは、SSS合同会社小田さんとの出会いをきっかけに「ずんだもん椿茶」を制作し、宮城県での販路拡大を推進。さらに、震災を生き延びた椿の物語を子どもたちへ伝える「三陸椿物語動画」の制作にも取り組まれました。

株式会社バンザイファクトリー 高橋さん発表資料より抜粋
また、一般社団法人はまのね 亀山さんとの出会いから、石巻でA級の椿が見つかり、新たな生産拠点の創出にもつながっています。そのほか、株式会社未来企画 福井さんとJapanNavi青森 飯田さんとの間では、台湾・シンガポール等の海外の福祉事業者に向けた東北視察ツアーの検討が進められています。
【地域共想プログラムを通じて得られたもの】
本プログラムは、東北電力がこれまで継続して取り組んできた地域活性化の取り組みを、社会課題の複雑化といった環境変化などを踏まえ、次のステージへと発展させる挑戦でもありました。本プログラムの中で、このように多くの共創が生まれ、ソーシャルインパクトが着実に広がっていることに本プログラムの意義を強く感じるとともに、今回得られた気づきや成果、そして反省を生かしながら、今後さらに内容を磨き、地域との価値共創に向けた、より良い取り組みへと進化させていきたいと考えています。
総務・地域共創部門では、今後も東北・新潟の未来を共に想い、共に創る挑戦を続けていきます。
ぜひ、この記事をご覧になっている皆さまもそれぞれの立場から、持続可能な東北・新潟の未来を一緒に描いていけたら嬉しく思います。
「地域共想プログラム」特設サイトでは、最終成果発表会の詳細や、各採択者が取り組む社会課題やロジックモデル、事業による社会的インパクトをまとめた「ソーシャルインパクトレポート」を公開しています。ぜひご覧ください。