
<経理部に聞いた!>電力先渡取引等の時価評価影響って、なに?
東北電力グループは2025年度決算において、「電力先渡取引等の時価評価影響」565億円が減益の大きな要因になりました。その詳細や背景、今後の影響などについて、経理部にQA形式でお答えいただきました。
Q.電力先渡取引等の時価評価影響565億円って、事業から発生した実際の損失なの?
A.違うよ!東北電力エナジートレーディングが行った電力先渡取引※等について、会計基準に基づき、年度末時点の時価評価を行った際に生じた影響額のことだよ。東北電力エナジートレーディングでは当該取引による利益は確保していて、事業で損失を出したわけではないよ。
※将来の特定の時期に電力をあらかじめ決めた価格で売買することを約束した取引
Q.電力先渡取引はどのような目的で実施しているの?
A.将来の燃料価格の変動リスクを低減し、安定した利益を確保するためだよ。時期が到来し、電力供給を実施した際、あらかじめ決めた価格で電気料金を受領することで、利益が発生する仕組みなんだ。
(参考:グループ企業特集「One Team!!」東北電力エナジートレーディングに迫る!)
Q.過去の決算においても同様の影響があったの?
A.これまでの決算においても同様に生じていたよ。ただし、金額が軽微だったから、連結経常利益の前年度からの変動要因では「その他」に含めていたんだ。
Q.今回の時価評価影響はどうして565億円と多額になったの?事業への悪影響は?
A.足元の中東情勢悪化に伴う電力市場価格等の急騰によって、時価評価影響の金額も大きくなったんだ。だけど、時価評価影響は、資産を焦げ付かせたとか、債務を背負い込んだというわけではなく、あくまでも「将来の取引に係る現時点の評価」。だから、連結キャッシュ・フローが悪化したわけでも、東北電力の資産が目減りしたわけでもないよ。

時価評価イメージ(電力市場価格等の急騰)
Q.でも、この図を見ると、時価評価影響は、プラス影響だったということにならないの?
A.そこが今回の時価評価影響のややこしいところなんだよね。
東北電力エナジートレーディングでは、電力の売買契約をそれぞれを時価評価していて、上の図で示したような評価“益”も計上されていれば、反対に評価“損”も計上されているんだ。
そのうえで、会計基準に基づいて、グループ内取引に係る評価“益”が連結決算上消去されることとなり、これが時価評価影響として2025年度決算の利益を押し下げたんだよ。
でもね、今回の時価評価影響だけど、2026年度の期首には同額を「振戻し益」として計上するから、2期通算で見た場合、収支影響はないよ。だから、今回の時価評価影響は「一過性の期ズレ影響」といえるね。

連結消去イメージ
Q.時価評価影響は、今後も同じような規模で発生するの?
A.時価評価は対象となる取引がある限り行う必要があるけど、影響額は決算日の市場価格などにより変動するから、次回以降の決算においてどの程度影響してくるかは分からないね。
Q.今回の時価評価のマイナス影響が次期に振り戻されるということは、2026年度の利益が大きくなるということ?
A.決算数値として公表される利益において、振戻し分のプラス影響が発生するよ。ただし、時価評価影響は2期通算で見た場合、収支がニュートラルとなるので、当社の実力を示す数値には影響しないよ。

2026年度振戻しによる時価評価影響イメージ
【まとめ】
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イイね!